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参考資料1 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25107.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第15回 4/13)《厚生労働省》
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4.

多剤服用時に注意する有害事象と
診断、処方見直しのきっかけ

高齢者では、薬物有害事象が医療や介護・看護を要する高齢者に頻度の高い表1に掲げる症候

「老年症候群」という)として表れることも多く、見過ごされがちであることに注意が必要であ
る。老年症候群を含めて薬剤との関係が疑わしい症状・所見があれば、処方をチェックし、中止・
減量をまず考慮する。それが困難な場合、より安全な薬剤への切換えを検討する。特に、患者の
生活に変化が出たり、新たな症状が出現したりする場合には、まず薬剤が原因ではないかと疑っ
てみる。有害事象の早期発見には、関連職種からの情報提供も有用である。

表1


薬剤起因性老年症候群と主な原因薬剤







降圧薬(特に中枢性降圧薬、α遮断薬、β遮断薬)、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ
ふらつき・転倒

薬、てんかん治療薬、抗精神病薬(フェノチアジン系)、パーキンソン病治療薬
(抗コリン薬)
、抗ヒスタミン薬(H2受容体拮抗薬含む)、メマンチン
降圧薬(中枢性降圧薬、α遮断薬、β遮断薬)
、睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジア

記憶障害

ゼピン)
、抗うつ薬(三環系)、てんかん治療薬、抗精神病薬(フェノチアジン系)、
パーキンソン病治療薬、抗ヒスタミン薬(H2受容体拮抗薬含む)
パーキンソン病治療薬、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬(三環系)、抗ヒスタミン

せん妄

薬(H2受容体拮抗薬含む)
、降圧薬(中枢性降圧薬、β遮断薬)
、ジギタリス、
抗不整脈薬(リドカイン、メキシレチン)、気管支拡張薬(テオフィリン、アミ
ノフィリン)、副腎皮質ステロイド

抑うつ

中枢性降圧薬、β遮断薬、抗ヒスタミン薬(H2受容体拮抗薬含む)、抗精神病薬、
抗甲状腺薬、副腎皮質ステロイド
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、アスピリン、緩下剤、抗不安薬、抗精神

食欲低下

病薬、
パーキンソン病治療薬(抗コリン薬)

選択的セロトニン再取り込み阻害薬
(SSRI)
、コリンエステラーゼ阻害薬、ビスホスホネート、ビグアナイド
睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン)
、抗うつ薬(三環系)
、過活動膀胱治療薬

便秘

(ムスカリン受容体拮抗薬)、腸管鎮痙薬(アトロピン、ブチルスコポラミン)、
抗ヒスタミン薬(H2受容体拮抗薬含む)
、αグルコシダーゼ阻害薬、抗精神病薬
(フェノチアジン系)、パーキンソン病治療薬(抗コリン薬)
抗うつ薬(三環系)、過活動膀胱治療薬(ムスカリン受容体拮抗薬)
、腸管鎮痙薬

排尿障害・

(アトロピン、ブチルスコポラミン)
、抗ヒスタミン薬(H2受容体拮抗薬含む)


尿失禁

睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン)
、抗精神病薬(フェノチアジン系)
、トリ
ヘキシフェニジル、α遮断薬、利尿薬

表1は、単剤でみられる薬剤起因性老年症候群を記載したもの。薬剤の併用による有害事象は、別添の別表1

(p.19)及び別表2(p.31)の各薬効群の記載を参照する。



10

(高齢者のポリファーマシー多剤併用を整理する「知恵」と「コツ」
(秋下雅弘)より改変引用)