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参考資料1 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25107.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第15回 4/13)《厚生労働省》
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高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)

別添

別表1

高齢者で汎用される薬剤の基本的な留意点
(薬効群と代表的薬剤の一般名[販売名の例])

加齢により睡眠時間は短縮し、また睡眠が浅くなることを踏まえて、薬物療法の前に、
睡眠衛生指導を行う。必要に応じて催眠鎮静・抗不安薬が用いられるが、ベンゾジアゼ
ピン系薬剤は、高齢者では有害事象が生じやすく、依存を起こす可能性もあるので、特
に慎重に投与する薬剤に挙げられている。
ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬(ブロチゾラム[レンドルミン]

フルニトラゼパム[ロヒプノール、サイレース]
、ニトラゼパム[ベンザ
リン、ネルボン]など)は、過鎮静、認知機能の悪化、運動機能低下、
転倒、骨折、せん妄などのリスクを有しているため、高齢者に対し
ては、特に慎重な投与を要する。長時間作用型(フルラゼパム[ダル
メート]
、ジアゼパム[セルシン、ホリゾン]
、ハロキサゾラム[ソメ
リン]など)は、高齢者では、ベンゾジアゼピン系薬剤の代謝低下や
高齢者の特性
を考慮した薬
剤選択

感受性亢進がみられるため、使用するべきでない。また、トリアゾ
ラム[ハルシオン]は健忘のリスクがあり使用はできるだけ控えるべ
きである。
非ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬(ゾピクロン[アモバン]
、ゾル
ピデム[マイスリー]
、エスゾピクロン[ルネスタ]
)も転倒・骨折の
リスクが報告されている。その他ベンゾジアゼピン系と類似の有害
事象の可能性がある。

A.
催眠鎮静薬・
抗不安薬

ベンゾジアゼピン系抗不安薬(アルプラゾラム[コンスタン、ソラ
ナックス]、エチゾラム[デパス]など)は日中の不安、焦燥に用い
られる場合があるが、高齢者では上述した有害事象のリスクがあり、
可能な限り使用を控える。
漫然と長期投与せず、少量の使用にとどめるなど、慎重に使用する。
投与量、使用

ベンゾジアゼピン系薬剤は、海外のガイドラインでも投与期間を

方法に関する

4週間以内の使用にとどめるとしていることも留意すべきである。

注意

ベンゾジアゼピン系薬剤は急な中止により離脱症状が発現する
リスクがあることにも留意する。
多くの薬剤は主にCYP3Aで代謝されるため、CYP3Aを阻害する
薬剤との併用はなるべく避けるべきである。CYPの関与する主な
相互作用は、別表4(p.34)を参照。

他の薬効群の

メラトニン受容体作動薬ラメルテオン[ロゼレム]は、CYP1A2を

薬剤との相互

強く阻害する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のフルボキ

作用に関する

サミン[デプロメール、ルボックス]との併用は禁忌である。また、

注意

オレキシン受容体拮抗薬スボレキサント[ベルソムラ]は、併用に
よりCYP3Aでの代謝が阻害され、作用が著しく増強するため、クラ
リスロマイシン[クラリス、クラリシッド]などCYP3Aを強く阻害
する薬剤との併用は禁忌である。

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