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参考資料1 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) (40 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25107.html |
出典情報 | 高齢者医薬品適正使用検討会(第15回 4/13)《厚生労働省》 |
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クレアチニン・クリアランスによる腎機能評価
腎排泄型薬物の投与量設定には、適切な腎機能評価が重要であり、不適切な腎機能評価は過量
投与や過少投与につながる。腎機能評価は実測のクレアチニンクリアランス(Ccr)で行うこと
が理想であるが、実臨床において全例測定することは非現実的である。また、腎機能低下があっ
ても、高齢者の場合、血清クレアチニン値(SCr)は正常範囲内であることが多い。したがって、
薬物投与量を設定する際は、SCrだけで判断せず、Cockcroft-Gault式(CG式)による推算
Ccr、または推算糸球体濾過量(eGFR)による腎機能評価が必要である。ただし、CG式による
推算Ccrは肥満患者では腎機能を過大評価してしまうこと、またJaffe法で測定されたSCrを基
準に作成された式であるため、本邦のほとんどの施設で採用されている酵素法で測定されたSCr
を用いる際は、実測SCrに0.2を加えて計算する必要がある点に留意する。
3
推算糸球体濾過量(eGFR)による腎機能評価
標準化eGFR(単位:mL/min/1.73m2)は、各患者の体格が一律1.73m2であると仮定した
場合の腎機能であり、特に体格の小さい高齢女性等では腎機能の過大評価に伴う過量投与につな
がるため、そのままでは投与量設定には適さない。したがって、eGFRを投与量設定に用いる際
には、個々の患者の体表面積に合わせたeGFR(個別化eGFR)を用いる必要がある。なお、薬
物の投与量が体重や体表面積あたりで設定されている場合には、既に体格を考慮している投与量
のため、対応する腎機能としては標準化eGFR(単位:mL/min/1.73m2)を用いる。
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クレアチニンを用いた腎機能評価の問題点とシスタチンCの有用性
SCrは、長期臥床、サルコペニア・フレイルなど筋肉量が少ない患者では、腎機能を反映しな
いことが多い。このような患者では、筋肉量に影響されないシスタチンCを用いた腎機能推算式
が有用である(表2)
。
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薬剤投与量の簡便な設定方法(Giusti-Hayton法)
腎機能低下患者に対する腎排泄型薬剤の投与量を設定する簡便な方法としてGiusti-Hayton
法がある。下記の式で求められる補正係数(G)を常用量に乗算することで対象患者に対する至
適投与量を、または投与間隔を除することにより延長すべき投与間隔を算出することができる。
下記の式において、一般に腎機能正常者のCcrは100mL/minとして考える。また、Ccrの代わ
りにeGFRを用いてもよい。
補正係数(G)= 1ー 投与薬剤の尿中未変化体排泄率※ ×
1ー
対象患者のCcr
腎機能正常者のCcr
※ 静脈内投与時の値を使用する、または経口投与時の値を使用する際は生物学的利用率(F)で除することに
より補正したものを用いる
※ 代謝物が活性を有する場合は、代謝物の尿中排泄率も考慮する
例:ファモチジン(常用量40mg/日、尿中未変化体排泄率80%)をCcr 50mL/minの患者に投与する場合、
投与補正係数Gは、1−0.8×0.5=0.6となる。補正係数から、この患者では40mg/日×0.6=24mg/
日を投与することで腎機能正常者とほぼ同じ血中濃度になる。
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クレアチニン・クリアランスによる腎機能評価
腎排泄型薬物の投与量設定には、適切な腎機能評価が重要であり、不適切な腎機能評価は過量
投与や過少投与につながる。腎機能評価は実測のクレアチニンクリアランス(Ccr)で行うこと
が理想であるが、実臨床において全例測定することは非現実的である。また、腎機能低下があっ
ても、高齢者の場合、血清クレアチニン値(SCr)は正常範囲内であることが多い。したがって、
薬物投与量を設定する際は、SCrだけで判断せず、Cockcroft-Gault式(CG式)による推算
Ccr、または推算糸球体濾過量(eGFR)による腎機能評価が必要である。ただし、CG式による
推算Ccrは肥満患者では腎機能を過大評価してしまうこと、またJaffe法で測定されたSCrを基
準に作成された式であるため、本邦のほとんどの施設で採用されている酵素法で測定されたSCr
を用いる際は、実測SCrに0.2を加えて計算する必要がある点に留意する。
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推算糸球体濾過量(eGFR)による腎機能評価
標準化eGFR(単位:mL/min/1.73m2)は、各患者の体格が一律1.73m2であると仮定した
場合の腎機能であり、特に体格の小さい高齢女性等では腎機能の過大評価に伴う過量投与につな
がるため、そのままでは投与量設定には適さない。したがって、eGFRを投与量設定に用いる際
には、個々の患者の体表面積に合わせたeGFR(個別化eGFR)を用いる必要がある。なお、薬
物の投与量が体重や体表面積あたりで設定されている場合には、既に体格を考慮している投与量
のため、対応する腎機能としては標準化eGFR(単位:mL/min/1.73m2)を用いる。
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クレアチニンを用いた腎機能評価の問題点とシスタチンCの有用性
SCrは、長期臥床、サルコペニア・フレイルなど筋肉量が少ない患者では、腎機能を反映しな
いことが多い。このような患者では、筋肉量に影響されないシスタチンCを用いた腎機能推算式
が有用である(表2)
。
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薬剤投与量の簡便な設定方法(Giusti-Hayton法)
腎機能低下患者に対する腎排泄型薬剤の投与量を設定する簡便な方法としてGiusti-Hayton
法がある。下記の式で求められる補正係数(G)を常用量に乗算することで対象患者に対する至
適投与量を、または投与間隔を除することにより延長すべき投与間隔を算出することができる。
下記の式において、一般に腎機能正常者のCcrは100mL/minとして考える。また、Ccrの代わ
りにeGFRを用いてもよい。
補正係数(G)= 1ー 投与薬剤の尿中未変化体排泄率※ ×
1ー
対象患者のCcr
腎機能正常者のCcr
※ 静脈内投与時の値を使用する、または経口投与時の値を使用する際は生物学的利用率(F)で除することに
より補正したものを用いる
※ 代謝物が活性を有する場合は、代謝物の尿中排泄率も考慮する
例:ファモチジン(常用量40mg/日、尿中未変化体排泄率80%)をCcr 50mL/minの患者に投与する場合、
投与補正係数Gは、1−0.8×0.5=0.6となる。補正係数から、この患者では40mg/日×0.6=24mg/
日を投与することで腎機能正常者とほぼ同じ血中濃度になる。
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