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令和3年度脳とこころの研究推進プログラム「戦略的国際脳科学研究推進プログラム」中間評価結果報告書 (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/06/3040607.html |
出典情報 | ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第3回 6/7)《文部科学省》 |
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5. 総評
我が国の脳科学研究が国際競争力を維持しつつ発展するとともに、世界の脳科学研究の発展にも貢献して
いくためには、戦略的に国際連携を推進することが求められています。「戦略的国際脳科学研究推進プログラ
ム(国際脳)」は、国際連携により、神経回路レベルでのヒト脳の動作原理の等の解明、精神・神経疾患
の早期発見・早期介入の実現および新たな脳型アルゴリズムに基づく次世代 AI の開発に貢献することを目
標として3つのグループで研究を進めており、概ね計画通りの進展が得られていると評価できる。グループごとの
進捗は以下のとおりである。
グループ 1-1 の内、主としてヒト脳画像等の総合的解析研究により、ライフステージに応じた健常から疾患に
至る精神・神経疾患の脳回路結合の変化を調べる平成 30 年度公募の 3 課題は、一部コロナ禍の影響で
予定した症例数が得られていない課題はあるものの、概ね計画通りの成果が得られたと評価できる。一方、
治療的介入による症状改善と進行抑制等の神経回路基盤の解明を目指す令和元年度公募の5課 題は、
1 年遅れで開始したことから症例数が十分に達していない課題もあるが、ほぼ計画通りに研究が進められてい
る。
グループ 1-1 課題に共通するデータプラットフォーム基盤整備を目的として、平成 30 年度公募のグループ 1-2
課題(1 課題)は、MRI データベースの構築、MRI プロトコル策定やトラベリングサブジェクト法によるデータハ
ーモニゼーションの実現など、着実に成果を上げていると評価できる。
グループ 2 は平成 30 年度公募の 3 課題からなり、ヒト脳画像研究では困難な神経回路機能の因果的理
解を目指して、非ヒト霊長類を対象にヒト脳と非ヒト霊長類の種間比較・検証研究を行い、それぞれ、情動・
認知記憶、脳構造、社会認知の脳回路研究で成果を挙げている。
グループ3は平成 30 年度公募の 2 課題で、人工知能(AI)研究との連携によるニューロフィードバック等の
技術開発とその応用により、うつ病を判別するバイオマーカーの確立やニューロフィードバック技術を用いた疾患
治療の開発に成功(3-1)し、脳データ解析に適用が可能な新しい脳型アルゴリズムの数理的基盤技術の
開発(3-2)で成果を上げており、共に評価できる。
直近 2 年間の新型コロナウイルスの流行により、一部の課題では被験者リクルートに影響を受けた。グループ
1-2 では被験者が来院しなくても診断・治療を可能とする遠隔医療システムの導入を開始し、全国主要関
連 15 施設で準備を進めており、今後リクルートの改善に期待がもてる。
また、他事業でも採択され活躍されている研究者が複数いることから、目標や成果の仕分けについての質問
を評価委員から受けたことを付記する。
我が国の脳科学研究が国際競争力を維持しつつ発展するとともに、世界の脳科学研究の発展にも貢献して
いくためには、戦略的に国際連携を推進することが求められています。「戦略的国際脳科学研究推進プログラ
ム(国際脳)」は、国際連携により、神経回路レベルでのヒト脳の動作原理の等の解明、精神・神経疾患
の早期発見・早期介入の実現および新たな脳型アルゴリズムに基づく次世代 AI の開発に貢献することを目
標として3つのグループで研究を進めており、概ね計画通りの進展が得られていると評価できる。グループごとの
進捗は以下のとおりである。
グループ 1-1 の内、主としてヒト脳画像等の総合的解析研究により、ライフステージに応じた健常から疾患に
至る精神・神経疾患の脳回路結合の変化を調べる平成 30 年度公募の 3 課題は、一部コロナ禍の影響で
予定した症例数が得られていない課題はあるものの、概ね計画通りの成果が得られたと評価できる。一方、
治療的介入による症状改善と進行抑制等の神経回路基盤の解明を目指す令和元年度公募の5課 題は、
1 年遅れで開始したことから症例数が十分に達していない課題もあるが、ほぼ計画通りに研究が進められてい
る。
グループ 1-1 課題に共通するデータプラットフォーム基盤整備を目的として、平成 30 年度公募のグループ 1-2
課題(1 課題)は、MRI データベースの構築、MRI プロトコル策定やトラベリングサブジェクト法によるデータハ
ーモニゼーションの実現など、着実に成果を上げていると評価できる。
グループ 2 は平成 30 年度公募の 3 課題からなり、ヒト脳画像研究では困難な神経回路機能の因果的理
解を目指して、非ヒト霊長類を対象にヒト脳と非ヒト霊長類の種間比較・検証研究を行い、それぞれ、情動・
認知記憶、脳構造、社会認知の脳回路研究で成果を挙げている。
グループ3は平成 30 年度公募の 2 課題で、人工知能(AI)研究との連携によるニューロフィードバック等の
技術開発とその応用により、うつ病を判別するバイオマーカーの確立やニューロフィードバック技術を用いた疾患
治療の開発に成功(3-1)し、脳データ解析に適用が可能な新しい脳型アルゴリズムの数理的基盤技術の
開発(3-2)で成果を上げており、共に評価できる。
直近 2 年間の新型コロナウイルスの流行により、一部の課題では被験者リクルートに影響を受けた。グループ
1-2 では被験者が来院しなくても診断・治療を可能とする遠隔医療システムの導入を開始し、全国主要関
連 15 施設で準備を進めており、今後リクルートの改善に期待がもてる。
また、他事業でも採択され活躍されている研究者が複数いることから、目標や成果の仕分けについての質問
を評価委員から受けたことを付記する。