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○【先進医療合同会議】先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について別紙1 (13 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html |
出典情報 | 先進医療会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会 6/9)《厚生労働省》 |
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【別添2】
「EGFR 遺伝子増幅陽性切除不能食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんに
対するネシツムマブ療法」の期待される適応症、効能及び効果(申請
書類より抜粋)
3.期待される適応症、効能及び効果
適応症:EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がん
効能・効果:EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後は不良であり、がん種毎の標準治療のみ
では予後改善は不十分である。EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対するネシツムマブの有効
性に関する報告は、扁平上皮非小細胞肺がんにおけるゲムシタビン+シスプラチンへのネシ
ツムマブの上乗せ効果が EGFR 増幅陽性例で高く、陰性例では乏しいことのみであるが、
他の抗 EGFR 抗体薬による有効例の報告が非臨床・臨床ともに癌種横断的に複数ある。本試
験でネシツムマブの有効性が示されれば、予後不良な EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後
改善に寄与する可能性がある。
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後とネシツムマブの有効性
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんは増幅陰性例に比べて予後不良であることはがん種横断的
に再現性があり[1-6]、後述するがん種毎の標準治療のみでは予後改善は不十分である。
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの頻度は低いものの(食道 4%、胃 2%、尿路上皮 4%、乳腺 4%)
[7](食道と胃は SCRUM-Japan データベースの日本人頻度)、日常臨床で遺伝子パネル検査
が実施される本邦では、EGFR 遺伝子増幅陽性であること、また予後不良であることが判明
する。EGFR 遺伝子増幅はがん化、増殖に関わること、EGFR 阻害薬が抗腫瘍効果を示し治療
標的となり得ることが非臨床データで報告されている[8]ことから、がん種毎とは異なる
EGFR 遺伝子増幅を標的とした治療開発が望まれる。
ネシツムマブは IgG1 モノクローナル抗体であり、EGFR の細胞外ドメイン III に対して
高い親和性により結合することでリガンド結合が引き起こす EGFR リン酸化を無効化し、下
流シグナル伝達を阻害することで抗腫瘍効果を呈することが複数がん種の細胞株やゼノグ
ラフトモデルにおいて示されている[9, 10]。ネシツムマブはゲムシタビン及びシスプラチ
ンとの併用において EGFR 遺伝子増幅の有無に関わらず扁平上皮非小細胞肺がんにおいて
薬事承認されているが、ゲムシタビン+シスプラチンへのネシツムマブの上乗せ効果は、
EGFR 増幅陽性例で高く、陰性例では乏しいことが第 III 相試験のサブグループ解析で示さ
れており、ネシツムマブは EGFR 遺伝子増幅陽性例に有効であることが示唆される[11]。
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対する他の抗 EGFR 抗体薬(セツキシマブ、パニツムマブ)
の有効性
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対する抗 EGFR 抗体薬の有効性を示唆する非臨床、臨床
データが複数報告されている。
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに関する非臨床データとしては、食道扁平上皮がん細胞株
においてセツキシマブやパニツムマブの抗腫瘍効果を認めること[12]、胃腺がんの PDX モ
デルにおいてセツキシマブが抗腫瘍効果を認め、増幅陰性例では抗腫瘍効果を認めないこ
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「EGFR 遺伝子増幅陽性切除不能食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんに
対するネシツムマブ療法」の期待される適応症、効能及び効果(申請
書類より抜粋)
3.期待される適応症、効能及び効果
適応症:EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がん
効能・効果:EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後は不良であり、がん種毎の標準治療のみ
では予後改善は不十分である。EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対するネシツムマブの有効
性に関する報告は、扁平上皮非小細胞肺がんにおけるゲムシタビン+シスプラチンへのネシ
ツムマブの上乗せ効果が EGFR 増幅陽性例で高く、陰性例では乏しいことのみであるが、
他の抗 EGFR 抗体薬による有効例の報告が非臨床・臨床ともに癌種横断的に複数ある。本試
験でネシツムマブの有効性が示されれば、予後不良な EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後
改善に寄与する可能性がある。
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後とネシツムマブの有効性
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんは増幅陰性例に比べて予後不良であることはがん種横断的
に再現性があり[1-6]、後述するがん種毎の標準治療のみでは予後改善は不十分である。
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの頻度は低いものの(食道 4%、胃 2%、尿路上皮 4%、乳腺 4%)
[7](食道と胃は SCRUM-Japan データベースの日本人頻度)、日常臨床で遺伝子パネル検査
が実施される本邦では、EGFR 遺伝子増幅陽性であること、また予後不良であることが判明
する。EGFR 遺伝子増幅はがん化、増殖に関わること、EGFR 阻害薬が抗腫瘍効果を示し治療
標的となり得ることが非臨床データで報告されている[8]ことから、がん種毎とは異なる
EGFR 遺伝子増幅を標的とした治療開発が望まれる。
ネシツムマブは IgG1 モノクローナル抗体であり、EGFR の細胞外ドメイン III に対して
高い親和性により結合することでリガンド結合が引き起こす EGFR リン酸化を無効化し、下
流シグナル伝達を阻害することで抗腫瘍効果を呈することが複数がん種の細胞株やゼノグ
ラフトモデルにおいて示されている[9, 10]。ネシツムマブはゲムシタビン及びシスプラチ
ンとの併用において EGFR 遺伝子増幅の有無に関わらず扁平上皮非小細胞肺がんにおいて
薬事承認されているが、ゲムシタビン+シスプラチンへのネシツムマブの上乗せ効果は、
EGFR 増幅陽性例で高く、陰性例では乏しいことが第 III 相試験のサブグループ解析で示さ
れており、ネシツムマブは EGFR 遺伝子増幅陽性例に有効であることが示唆される[11]。
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対する他の抗 EGFR 抗体薬(セツキシマブ、パニツムマブ)
の有効性
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対する抗 EGFR 抗体薬の有効性を示唆する非臨床、臨床
データが複数報告されている。
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに関する非臨床データとしては、食道扁平上皮がん細胞株
においてセツキシマブやパニツムマブの抗腫瘍効果を認めること[12]、胃腺がんの PDX モ
デルにおいてセツキシマブが抗腫瘍効果を認め、増幅陰性例では抗腫瘍効果を認めないこ
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