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【資料1】日本薬局方部会について (74 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28006.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第4回 9/16)《厚生労働省》 |
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ただし,二酸化炭素を試料水から分離せずに測定した有
ただし,二酸化炭素を試料水から分離せずに測定した有
機物の分解前後の導電率の差からTOC量を求める方式の
機物の分解前後の導電率の差から有機体炭素量を求める
装置は,試料水中にイオン性の有機物が含まれている場
方式の装置は,試料水中にイオン性の有機物が含まれてい
合,若しくは分子中に窒素,硫黄,リン又はハロゲン原子
る場合,若しくは分子中に窒素,硫黄,リン又はハロゲン
を含む有機物が含まれている場合には,マイナス又はプラ
原子を含む有機物が含まれている場合には,マイナス又は
スの影響を受けることがあるので,測定対象の水の純度や
プラスの影響を受けることがあるので,測定対象の水の純
装置の不具合発生時の汚染リスクを考慮して適切な装置
度や装置の不具合発生時の汚染リスクを考慮して適切な
を選択する.
装置を選択する.
4.6. 注射用水の一時的保存
4.6. 注射用水の一時的保存
注射用水の一時的な保存については,微生物の増殖を厳
注射用水の一時的な保存については,微生物の増殖を厳
しく抑制するために高温で循環するなどの方策をとると
しく抑制するために高温で循環するなどの方策をとると
共に,汚染並びに品質劣化のリスクを考慮し,バリデーシ
ともに,汚染並びに品質劣化のリスクを考慮し,バリデー
ョンの結果に基づいて適切な保存時間を設定する.
ションの結果に基づいて適切な保存時間を設定する.
5. 容器入りの水の品質管理に関する留意事項
5. 容器入りの水の品質管理に関する留意事項
製品として流通する容器入りの水(「精製水(容器入り)」,
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」)の
製品として流通する容器入りの水(「精製水(容器入り)」,
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」)の
品質管理に関しては,別途,留意すべき事項が幾つかある. 品質管理に関しては,別途,留意すべき事項が幾つかある.
5.1. 滅菌した容器入りの水の製法について
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」
の製法としては,次の二つの異なる方法がある.
5.1. 滅菌した容器入りの水の製法について
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」
の製法としては,次の二つの異なる方法がある.
(ⅰ) 「精製水」又は「注射用水」を密封容器に入れた後, (ⅰ) 「精製水」又は「注射用水」を密封容器に入れた後,
滅菌する.
滅菌する.
(ⅱ) あらかじめ滅菌した「精製水」又は「注射用水」を
(ⅱ) あらかじめ滅菌した「精製水」又は「注射用水」を
無菌的な手法により無菌の容器に入れた後,密封する.
無菌的な手法により無菌の容器に入れた後,密封する.
製造された容器入りの水の無菌性を保証するには,(ⅰ)
製造された容器入りの水の無菌性を保証するには,(ⅰ)
の製法では,最終の滅菌工程についてバリデーションを行
の製法では,最終の滅菌工程についてバリデーションを行
えば良いのに対して,(ⅱ)の製法では,全ての工程につい
えばよいのに対して,(ⅱ)の製法では,全ての工程につい
てバリデーションを行う必要がある.これは,(ⅱ)の製法
てバリデーションを行う必要がある.これは,(ⅱ)の製法
があらかじめろ過滅菌などの方法によって滅菌したもの
を“無菌的に”容器に入れて密封することにより,無菌性を
があらかじめろ過滅菌等の方法によって滅菌したものを
“無菌的に”容器に入れて密封することにより,無菌性を保
保証しようとするものであるためである.
証しようとするものであるためである.
5.2. 容器中での保存に伴う水質変化
5.2. 容器中での保存に伴う水質変化
5.2.1. 無機性不純物(導電率を指標として管理)
5.2.1. 無機性不純物(導電率を指標として管理)
バルクの精製水又は注射用水の導電率が1.3 μS・cm-1以
バルクの精製水又は注射用水の導電率が1.0 μS・cm-1以
下(25℃)で管理されている場合であっても,それを容器に
下で管理されている場合であっても,それを容器に入れた
入れたときには,容器への充塡
時の空気との接触や保存中
ときには,容器への充塡
時の空気との接触や保存中におけ
におけるプラスチック膜透過に伴う空気中の二酸化炭素
るプラスチック膜透過に伴う空気中の二酸化炭素の溶け
の溶け込み及び保存中における容器からのイオン性物質
込み及び保存中における容器からのイオン性物質の溶出
の溶出が原因となって,導電率が上昇する.特に,小容量
が原因となって,導電率が上昇する.特に,小容量のガラ
のガラス容器を用いる場合には,保存中における導電率の
ス容器を用いる場合には,保存中における導電率の変化に
変化に注意する必要がある.
注意する必要がある.
5.2.2.
5.2.2.
有機性不純物(過マンガン酸カリウム還元性物質
又はTOCを指標として管理)
日本薬局方では,容器入りの水(「精製水(容器入り)」,
有機性不純物(過マンガン酸カリウム還元性物質
又は有機体炭素(TOC)を指標として管理)
日本薬局方では,容器入りの水(「精製水(容器入り)」,
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」)中
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」)中
の有機性不純物に対しては,古典的な過マンガン酸カリウ
の有機性不純物に対しては,古典的な過マンガン酸カリウ
ム還元性物質による管理を求めている.容器入りの水に対
ム還元性物質による管理を求めている.容器入りの水に対
するこの規定は,バルクの水において,TOCによる管理(限
するこの規定は,バルクの水において,TOCによる管理(限
度値「0.50 mg/L以下」(500 ppb以下))を規定しているこ
度値「0.50 mg/L以下」(500 ppb以下))を規定しているこ
とと対照的である.これは,容器中での保存により,TOC
とと対照的である.これは,容器中での保存により,TOC
量が著しく増加する事例があり,バルクの水に整合させて
量が著しく増加する事例があり,バルクの水に整合させて
TOCにより規格を設定することが困難と判断されたこと
TOCにより規格を設定することが困難と判断されたこと
によるものである.特に,小容量のプラスチック製容器入
によるものである.特に,小容量のプラスチック製容器入
りの水については,保存中における容器からの溶出物の増
りの水については,保存中における容器からの溶出物の増
73
備考
旧
ただし,二酸化炭素を試料水から分離せずに測定した有
ただし,二酸化炭素を試料水から分離せずに測定した有
機物の分解前後の導電率の差からTOC量を求める方式の
機物の分解前後の導電率の差から有機体炭素量を求める
装置は,試料水中にイオン性の有機物が含まれている場
方式の装置は,試料水中にイオン性の有機物が含まれてい
合,若しくは分子中に窒素,硫黄,リン又はハロゲン原子
る場合,若しくは分子中に窒素,硫黄,リン又はハロゲン
を含む有機物が含まれている場合には,マイナス又はプラ
原子を含む有機物が含まれている場合には,マイナス又は
スの影響を受けることがあるので,測定対象の水の純度や
プラスの影響を受けることがあるので,測定対象の水の純
装置の不具合発生時の汚染リスクを考慮して適切な装置
度や装置の不具合発生時の汚染リスクを考慮して適切な
を選択する.
装置を選択する.
4.6. 注射用水の一時的保存
4.6. 注射用水の一時的保存
注射用水の一時的な保存については,微生物の増殖を厳
注射用水の一時的な保存については,微生物の増殖を厳
しく抑制するために高温で循環するなどの方策をとると
しく抑制するために高温で循環するなどの方策をとると
共に,汚染並びに品質劣化のリスクを考慮し,バリデーシ
ともに,汚染並びに品質劣化のリスクを考慮し,バリデー
ョンの結果に基づいて適切な保存時間を設定する.
ションの結果に基づいて適切な保存時間を設定する.
5. 容器入りの水の品質管理に関する留意事項
5. 容器入りの水の品質管理に関する留意事項
製品として流通する容器入りの水(「精製水(容器入り)」,
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」)の
製品として流通する容器入りの水(「精製水(容器入り)」,
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」)の
品質管理に関しては,別途,留意すべき事項が幾つかある. 品質管理に関しては,別途,留意すべき事項が幾つかある.
5.1. 滅菌した容器入りの水の製法について
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」
の製法としては,次の二つの異なる方法がある.
5.1. 滅菌した容器入りの水の製法について
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」
の製法としては,次の二つの異なる方法がある.
(ⅰ) 「精製水」又は「注射用水」を密封容器に入れた後, (ⅰ) 「精製水」又は「注射用水」を密封容器に入れた後,
滅菌する.
滅菌する.
(ⅱ) あらかじめ滅菌した「精製水」又は「注射用水」を
(ⅱ) あらかじめ滅菌した「精製水」又は「注射用水」を
無菌的な手法により無菌の容器に入れた後,密封する.
無菌的な手法により無菌の容器に入れた後,密封する.
製造された容器入りの水の無菌性を保証するには,(ⅰ)
製造された容器入りの水の無菌性を保証するには,(ⅰ)
の製法では,最終の滅菌工程についてバリデーションを行
の製法では,最終の滅菌工程についてバリデーションを行
えば良いのに対して,(ⅱ)の製法では,全ての工程につい
えばよいのに対して,(ⅱ)の製法では,全ての工程につい
てバリデーションを行う必要がある.これは,(ⅱ)の製法
てバリデーションを行う必要がある.これは,(ⅱ)の製法
があらかじめろ過滅菌などの方法によって滅菌したもの
を“無菌的に”容器に入れて密封することにより,無菌性を
があらかじめろ過滅菌等の方法によって滅菌したものを
“無菌的に”容器に入れて密封することにより,無菌性を保
保証しようとするものであるためである.
証しようとするものであるためである.
5.2. 容器中での保存に伴う水質変化
5.2. 容器中での保存に伴う水質変化
5.2.1. 無機性不純物(導電率を指標として管理)
5.2.1. 無機性不純物(導電率を指標として管理)
バルクの精製水又は注射用水の導電率が1.3 μS・cm-1以
バルクの精製水又は注射用水の導電率が1.0 μS・cm-1以
下(25℃)で管理されている場合であっても,それを容器に
下で管理されている場合であっても,それを容器に入れた
入れたときには,容器への充塡
時の空気との接触や保存中
ときには,容器への充塡
時の空気との接触や保存中におけ
におけるプラスチック膜透過に伴う空気中の二酸化炭素
るプラスチック膜透過に伴う空気中の二酸化炭素の溶け
の溶け込み及び保存中における容器からのイオン性物質
込み及び保存中における容器からのイオン性物質の溶出
の溶出が原因となって,導電率が上昇する.特に,小容量
が原因となって,導電率が上昇する.特に,小容量のガラ
のガラス容器を用いる場合には,保存中における導電率の
ス容器を用いる場合には,保存中における導電率の変化に
変化に注意する必要がある.
注意する必要がある.
5.2.2.
5.2.2.
有機性不純物(過マンガン酸カリウム還元性物質
又はTOCを指標として管理)
日本薬局方では,容器入りの水(「精製水(容器入り)」,
有機性不純物(過マンガン酸カリウム還元性物質
又は有機体炭素(TOC)を指標として管理)
日本薬局方では,容器入りの水(「精製水(容器入り)」,
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」)中
「滅菌精製水(容器入り)」及び「注射用水(容器入り)」)中
の有機性不純物に対しては,古典的な過マンガン酸カリウ
の有機性不純物に対しては,古典的な過マンガン酸カリウ
ム還元性物質による管理を求めている.容器入りの水に対
ム還元性物質による管理を求めている.容器入りの水に対
するこの規定は,バルクの水において,TOCによる管理(限
するこの規定は,バルクの水において,TOCによる管理(限
度値「0.50 mg/L以下」(500 ppb以下))を規定しているこ
度値「0.50 mg/L以下」(500 ppb以下))を規定しているこ
とと対照的である.これは,容器中での保存により,TOC
とと対照的である.これは,容器中での保存により,TOC
量が著しく増加する事例があり,バルクの水に整合させて
量が著しく増加する事例があり,バルクの水に整合させて
TOCにより規格を設定することが困難と判断されたこと
TOCにより規格を設定することが困難と判断されたこと
によるものである.特に,小容量のプラスチック製容器入
によるものである.特に,小容量のプラスチック製容器入
りの水については,保存中における容器からの溶出物の増
りの水については,保存中における容器からの溶出物の増
73
備考