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令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について (2 ページ)

公開元URL https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R03_cyber_jousei.pdf
出典情報 令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(4/7)《警察庁》
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令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
デジタル化の進展等に伴い、サイバー空間の公共空間化がさらに加速している。
今やサイバー空間は社会経済活動の場として、例えば実空間における学校や公園
や図書館といった広く国民に開かれ、利活用される公共施設に勝るとも劣らない
機能と役割を担っている*1 。
サイバー空間には、子供から高齢者まで幅広い世代が参画するようになってい
る一方で、新しいサービスや技術を悪用した犯罪が続々と発生し、その手口は悪
質・巧妙化の一途をたどっている。国内では、キャッシュレス決済の普及等を背
景として、令和3年中のサイバー犯罪の検挙件数が12,209件と過去最多を記録し
ているほか、ランサムウェアによる被害が拡大するとともに、不正アクセスによ
る情報流出や、国家を背景に持つサイバー攻撃集団によるサイバー攻撃が明らか
になるなど、サイバー空間をめぐる脅威は、極めて深刻な情勢が続いている。
令和3年中に警察庁に報告された国内のランサムウェアによる被害件数は146件
と、前年以降、右肩上がりで増加しており、その被害は、企業・団体等の規模や
その業種等を問わず、広範に及んでいる。また、テレワーク等による外部から内
部ネットワークへの接続が急増し、セキュリティ対策の一環としてVPN機器を
導入する企業等が増加しているが、そのVPN機器のぜい弱性等から組織内部の
ネットワークに侵入し、ランサムウェアに感染させる手口が被害の多くを占めて
いる。さらに、感染したシステム等の復旧までに2か月以上要した事例や、調査
・復旧に5,000万円以上の費用を要した事例等の甚大な被害も確認されているほ
か、国内の医療機関において、電子カルテ等のシステムがランサムウェアに感染
し、新規の診療受付や救急患者の受入れが一時停止する事態となるなど、重要イ
ンフラ事業者が標的となり、市民生活にまで重大な影響を及ぼす事案も確認され
ている。5月に発生した米国の石油パイプライン事業者を標的とした攻撃など、
ランサムウェア攻撃は、世界各国において市民生活に重大な影響を及ぼしており、
その対策には、緊密な国際連携が求められている。12月には、G7各国の法執行
機関等が参加する「ランサムウェアに関するG7高級実務者会合」も開催される
など、世界各国において、ランサムウェア被害の防止に向けた諸対策が喫緊の課
題となっている。
サイバー攻撃により情報が窃取される事案も引き続き多発している。国内にお
*1

サイバーセキュリティ政策会議「実空間とサイバー空間とが融合したデジタル社会の安

全・安心の確保」(令和3年12月)
(https://www.npa.go.jp/cybersecurity/CS.html)

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