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資料119-1 特定胚(動物性集合胚)の作成に関する届出について (8 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/12/mext_00053.html
出典情報 科学技術・学術審議会 生命倫理・安全部会 特定胚等研究専門委員会(第119回 10/6)《文部科学省》
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異種間キメラの分子生物学的解析手法を行いやすい。我々の先
行研究ではヒト→マウスキメラが出生可能だが、当該動物内の
ヒト細胞はマウス組織との分離を示し、寄与率の低いキメラ個
体のみが得られた。digital PCR によって算出した大脳および
生殖腺でのヒト細胞の割合は 0.1%以下であり、あいまい動物
(交雑動物)が作出される可能性は極めて低いと予想される(別
添 1-3)

ラット: ヒト細胞→ラット胚キメラの発生に用いる。マウス同
様にモデル動物として長年研究が進められており、発生学的・
繁殖学的知見が蓄積されており、全ゲノム情報も解読されてい
る。マウスと比べて身体が大きいことから、ヒトとのキメラが
成立した場合により大きい臓器、より多くの組織が得られる利
点がある。先行研究は存在しないが、進化的にマウスの近縁種
で あり、発生プロセス、各遺伝子の構造・発現領域・発現時期
もよく類似していることから、マウスと同様の結果が得られる
と予想される。
交雑個体又は交雑個体に類する個体の生成を防止するための措置
以下のとおり記載されている。
●指針第 15 条第1項
作成後又は譲受後の動物性集合
胚は、次に掲げる要件を満たす場 我々の先行研究では、ヒト-マウスキメラ胎仔の発生過程で段階
合に限り、取り扱うことができる 的に大脳(および生殖腺)のキメリズムを測定し、徐々に発生
期間を延長することで交雑個体出生のリスクを極小化した。本
ものとする。
三 動物性集合胚を用いてヒト 研究でも同様に、二段階のチェックポイントを設ける。第 1 段
の生殖細胞を作成した場合に 階は大脳皮質の層構造が形成される時期(マウス E14.5;ラット
は、当該生殖細胞と他の生殖細 E16.5)、第 2 段階は出生直前だが帝王切開後に生存できない時
期(マウス E17.5; ラット E19.5)とし、いずれも digital PCR 法
胞とを受精させないこと。
あるいはヒト細胞特異的な抗体を用いた免疫組織学的解析によ
四 動物性集合胚を動物の胎内
り、大脳皮質におけるヒト神経細胞のキメリズムが 30%を超え
に移植した場合には、当該動物
ないことが発生を続けることの条件とする。キメリズムが 30%
性集合胚から交雑個体又は交
を超えた株はその後の動物性集合胚作成には用いない。あるい
雑個体に類する個体の生成を は用いる場合は中枢神経系への寄与を防ぐ改変を加える。以上
防止するための必要な措置を の手段により、ヒト脳高次機能を有するあいまい動物の誕生を
講じること。
回避する。
・先行研究等の科学的知見を踏まえ、
動物の胎内に移植した場合に予想さ
れる経過及び交雑個体又は交雑個体
に類する個体の生成を防止するため
にとる措置について記載すること。
・「交雑個体又は交雑個体に類する個
体」の具体例
-ヒトと動物の特徴が混ざった外見
の生物(例:ヒトの手足や顔(鼻、
耳)等を持つ生物、全身がヒトの
皮膚の生物)
-ヒト細胞由来の脳神経細胞の影響
により、人の言語を話す、人のよ
うな高次脳機能(認知、行動、精神
活動)を持つ等の生物
-ヒト細胞由来の生殖細胞を持つ生
物が交配することにより生じるヒ
ト動物交雑胚等に由来する生物

「防止するための必要な措置」の具体

-分化制御技術

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