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資料5 「薬学実務実習に関するガイドライン」の見直しについて (22 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/45/giji_list/mext_00001.html
出典情報 医薬・生活衛生局が実施する検討会 新薬剤師養成問題懇談会(第22回 3/15)《文部科学省》
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薬学実務実習における標準的な実習内容(例示)

別 添 2

薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)には、改訂の基本方針として、「臨床薬学という教育体制の構築」が掲げられており、「F 臨床薬学」は以下の3つのフェーズ(場面)において大学と医療現場が連携
した教育体制を構築することが重要である。

【F 臨床薬学を学修する3つのフェーズ】

① 大学で行う患者個別の薬物治療を中心とした学修
② 医療現場等で患者・生活者から学ぶ実務実習
③ 実習終了後に各大学が行う卒業に向けた総合的・体系的な臨床薬学教育

本ガイドラインでは、②の実務実習を中心とし、①の実習前の学修と③の実習後の学修が円滑に連携して実施されるよう、標準的な学修内容を例示し、表として整理した。
②の実務実習における学修においては、病院・薬局のそれぞれの医療現場で学生が実践・経験する内容を例示したものである。これらは、学生間で学修する内容に大きな差が生じないよう配慮し、一定の質を確保する
ことを目的としている。
そのため各大学は、①で十分な準備教育を行ったことを、③の総合的・体系的な臨床薬学教育につなげるために、②の実務実習を本ガイドラインに従って実施し、学修目標への到達度を適切に把握し、各大学における
薬学教育の充実・改善に生かしていただきたい。

F-1 薬物治療の実践
F-1-1 薬物治療の個別最適化
学修目標

学修事項

1)

医薬品適正使用の概念を説明する。

(1)適正使用のサイクル、個別最適化、有効性モニタリング、安全性モニタリング、疑義照会・処方提
案【1)】

2)

患者情報を適切に収集し、評価することにより、患者 (2)薬物治療を個別最適化するために必要な(身体的、心理的、社会的)患者背景【2),7)】
の状態を正確に把握する。
(3)薬学的管理に必要な身体所見の観察・測定・評価(フィジカルアセスメント)【2),5),7)】
(5)主な疾患における薬物治療の計画、立案(薬剤選択、用量設定、剤形選択、投与経路、服薬指
導・配慮すべき点、薬物血中濃度モニタリング、有効性・安全性モニタリング等)
【2),3),4),5),6),7),8)】

3)

薬物治療の評価等に必要な情報について、最も適
切な情報源を効果的に利用し、情報を収集する。ま
た、得られた情報及び情報源を批判的に評価し、効
果的に活用する。

(4)診療ガイドライン・治療ガイドや医薬品リスク管理計画(RMP)等適切な情報の収集と評価【3),7)】
(5)主な疾患における薬物治療の計画、立案(薬剤選択、用量設定、剤形選択、投与経路、服薬指
導・配慮すべき点、薬物血中濃度モニタリング、有効性・安全性モニタリング等)
【2),3),4),5),6),7),8)】

大学(参考)

標準的な実習内容(例示)
薬局

病院

・比較的典型的な疾患(循環器、糖
尿病、感染症、がんなど)の具体的
な症例(ペーパーペイシェント)を題
材とした、講義、演習、
PBLなどによる学習
※1:上記症例を利用して「D医療薬
学」で学んだ一般論を、個別症例に
適応し、最適化する訓練を行う=左
記学修事項を用いて学修目標を達
成する。
※2:上記の症例を題材として、「B社
会と薬学」「C基礎薬学」、「E衛生薬
学」の学修を振り返り、症例と関連
する内容との繫がりを再確認する。
具体例:Bで学んだ患者応対、Cで
学んだ対象臓器の正常機能、適応
薬剤の構造活性相関、Eで学んだ生
活環境や習慣などを確認する

4) 薬物治療の問題点の抽出を行い、その評価に基づ (5)主な疾患における薬物治療の計画、立案(薬剤選択、用量設定、剤形選択、投与経路、服薬指
き、問題解決策を検討し、薬物治療を個別最適化す 導・配慮すべき点、薬物血中濃度モニタリング、有効性・安全性モニタリング等)
るための計画を立案する。
【2),3),4),5),6),7),8)】

・上記の症例を組み込んだ講義や演
習(可能であれば、シミュレーターも
しくはシミュレーション教材の利用に
よる、身体所見の観察とフィジカル
アセスメントの実施など)

5) 様々なモニタリング項目から患者状態を適切に評価 (3)薬学的管理に必要な身体所見の観察・測定・評価(フィジカルアセスメント)【2),5),7)】
し、薬物治療の効果の確認・評価と副作用の確認と (5)主な疾患における薬物治療の計画、立案(薬剤選択、用量設定、剤形選択、投与経路、服薬指
評価を行い、適切に記録する。
導・配慮すべき点、薬物血中濃度モニタリング、有効性・安全性モニタリング等) 【2),3),4),5),6),7),8)】
(9)問題指向型システム(POS)とSOAP形式等による適切な記録 【5),6)】

・対象患者への適応薬剤の適正な
投与方法の選択(皮下注射、筋肉注
射、静脈内注射、点滴注射などの基
本的手技の、シミュレーターなどを利
用した実施を含む)
・症例報告の仕方

――

――