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脳科学研究の現状について (15 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2023/05/6050518.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第6回 5/18)《文部科学省》
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革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト
社会性等のヒト高次脳機能の理解のためには分子レベルのミクロな研究と脳画像レベルのマクロな研究のギャップをつなぐ研究が必要となる。ヒトに近い
高次脳機能を有し、遺伝子操作が可能な霊長類は、これらギャップをつなぐ研究モデルとして極めて有用である。日本が世界に対して強みを持つ霊長
類(マーモセット)の遺伝子操作技術、光学系技術等のさらなる効率化・高度化を行うことで、霊長類(マーモセット)の高次脳機能を担う神経回
路の全容をニューロンレベルで解明することにより、ヒトの精神・神経疾患の克服や情報処理技術の高度化に貢献。

ヒト脳解明を飛躍的に加速させる、
世界最先端のマーモセット※研究基盤を整備
※マーモセットは、日本が世界に対して強みがあり、ヒト脳と構造や機能の類似性が高い

①世界唯一のマーモセット脳画像の統合
データベースの開発

「人を人たらしめている特性」解明のカギとなる、霊長
類(マーモセット)の高次脳機能を担う
神経回路の全容をニューロンレベルで解明
(ヒト脳解明のカギとなる脳の設計図を開発)

ミクロからマクロをつなぐ脳の「地図」となる統合的な
データベースを整備

②ミクロ(細胞レベル)からマクロ(全脳レベ
ル)への階層のギャップを超える技術

世界最大・最速の広視野2光子顕微鏡、透明
化技術、自由行動下における神経活動計測が可
能な技術等の革新技術を開発

③精神・神経疾患の診断・治療に役立つ
霊長類疾患モデルの作出・活用

遺伝子改変技術等により、アルツハイマー病、
パーキンソン病等の疾患モデルマーモセットを作出

脳の設計図(イメージ)

<今後の期待>
 更なるデータの拡充により、マーモセット脳に関する多階層の理解が進むことや、ヒト脳データベースとの統合によるヒト脳の高次機能の解明が期待。
 これらの成果は世界的に優位性のある技術であり、今後、これらの技術を組み合わせることで、日本独自の霊長類脳の生理学研究が確立されることが期待。
 精神・神経疾患のマーモセットモデルの繁殖が進み、様々なユーザーへの供給が拡大されれば、霊長類モデルの表現型が明らかになり、ヒトと齧歯類をつなぐ新
たな病態モデルとして確立し、精神・神経疾患領域における創薬研究のブレークスルーとなることが期待。

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