よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


脳科学研究の現状について (20 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2023/05/6050518.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第6回 5/18)《文部科学省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

主な成果①(脳機能の解明)
脳の拡大の
機序解明

ヒト大脳新皮質の進化過程を
解き明かす

• ヒトにしか存在しない遺伝子、ARHGAP11Bを発現させ
た非ヒト霊長類(マーモセット)を作製。
• ARHGAP11B遺伝子導入マーモセットでは脳のシワが本
来ない場所に形成され、脳表面積の拡大に寄与している
脳表近くの神経細胞が約20%増加していることを発見。
• これにより、ARHGAP11Bはヒトに特徴的な脳機能の獲
得に関連していることを解明。

細胞レベルで大規模記録 が可
能な夢の広視野顕微鏡の開発
-神経科学において未踏分野
の開拓に期待-
ARHGAP11B導入による脳の拡大

慶應義塾大学医学部 / 理化学研究所 岡野栄之教授ら
革新脳:「Science」 令和2年7月

意思決定に関わる
脳機能の解明

動 機 付け 行 動 に 関わ る
投射経路の機能を解明

• 最新の神経回路操作技術と覚醒下の霊長類を対象とす
る高精度MRI計測技術に、高度な認知行動課題を組み
合わせることで研究を実施。
• これにより、動機付け行動選択課題において「より我慢強く
待ってより多くの報酬がもらうことを好む」行動特性が、「より
短い待ち時間で少ない報酬を得る」ような傾向に変化する
ことを確認。
• 霊長類の腹側被蓋野から
側坐核への投射経路は動
機付けに基づく意思決定に
は関与するものの、強化学
習には必ずしも重要ではな
いことを明らかにした。

細胞レベルで大規模記録 が可
能な夢の広視野顕微鏡の開発
-神経科学において未踏分野
の開拓に期待-

京都大学高次脳科学講座 伊佐正教授ら 国際脳:
「NEURON」 令和2年8月

大脳基底核が運
動の情報を伝える
仕組みを解明

大脳基底核の神経細胞が
恐怖による摂食 外側腕傍核‐傍視床下核の回
運動のコントロールに関する
抑制を担う神経 路が、嫌悪シグナルを介して摂
情報を伝えるしくみを解明
食抑制を担っていることを発見
基盤を解明
• 正常な大脳基底核が運動に関する情報を伝達する
際には、同期活動を示さず独立に活動することを解明。 • マウスの脳幹にある外側腕傍核(lPB)から視床下

これにより、パーキンソン病などの病気の際には、大
部の傍視床下核(PTSN)への経路が、恐怖によっ
細胞レベルで大規模記録
が可能
脳基底核の多くの神経細
て生じる摂食抑制に重要な役割を担うことを発見。
細胞レベルで大規模記録 が可能な夢の広視野顕微鏡の開
な夢の広視野顕微鏡の開発
示す
胞が同期した活動を
• 多様な疾患で見られる 発
が、同期活動を減らすこと
-神経科学において未踏分野の開拓に期待-
摂食行動異常などのメ
-神経科学において未踏分野の
によってパーキンソン病など
カニズムの解明や治療
の症状を改善できる可能
開拓に期待-
法の開発にも繋がる基
性を示し、効果的な治療
礎研究に貢献できる可
方法の開発にもつながるも
能性が期待
のと期待。
同期活動を示さないという結果
自然科学研究機構 生理学研究 南部篤教授ら 国際脳:
「European Journal of Neuroscience」 令和2年10月

東京慈恵医科大学 渡部文子教授ら
革新脳: 「Nature Communications」 令和5年1月

マウス小脳における
感覚情報表現の仕
組みを解明
• 小脳全体で時々刻々と変化する感覚入力をリ
アルタイムで表現していることを発見。これは従
来の考え方を覆す世界で初めての発見。
細胞レベルで大規模記録
• 運動障害の新たな治療やリハビリテーション法、
ブレイン・マシン・インターフェイスや脳型コンピュー
が可能な夢の広視野顕微
ターの開発への応用が期待。

感覚情報表現の
仕組みを解明

鏡の開発
-神経科学において未踏分
野の開拓に期待-

四肢の筋肉への電気刺激により生じた小脳皮質の複雑スパイク応答

理化学研究所 宮脇敦史TLら 革新脳:
「Cell Reports」 令和3年11月

レビー小体が高齢者の
加齢による脳と
1/3に出現しているこ
全身の変化を解明

とを発見
・高齢者ブレインバンクを活用し、パーキンソン病・レ
ビー小体型認知症を引き起こすレビー小体は、
高齢者の1/3に見られること、食道病変は病変
の進行を最も反映すること、食道レビー病理を有
する高齢者では自律神経症状が多いことを明ら
かにした。

細胞レベルで大規模記録 が
可能な夢の広視野顕微鏡
の開発
-神経科学において未踏分
野の開拓に期待-

都健康長寿医療センター 齊藤祐子部長ら 脳プロ(融合
脳): 「Acta Neuropathologica,」 令和3年1月

20