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脳科学研究の現状について (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.lifescience.mext.go.jp/2023/05/6050518.html |
出典情報 | ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第6回 5/18)《文部科学省》 |
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海外動向
米国のBRAIN Initiativeは、脳を理解するための革新的な
技術開発とシナプスから全脳レベルに至るネットワークの包括
的な解明を目的とした、総額66億ドル(約7,500億円)の
大規模プロジェクトである。欧州や中国も、多額な予算を脳
科学研究に投入している状況である。
(出典)How the world’s biggest brain maps could transform neuroscience.
Nature (2021-10-07) | doi: 10.1038/d41586-021-02661-w |を基に作成
米国における研究動向
BRAIN Initiativeは、2013年4月に開始し、脳を理解するための革新的な技術開発とシナプスから全脳レベルに至るネットワークの包括的な解明を目的としている。
プロジェクト運営のための政府側の資金提供はNational Institutes of Health(NIH)、National Science Foundation(NSF)、Defense Advanced
Research Projects Agency(DARPA)等により実施され、各機関が独自の目的を保持しつつ、全体目標にプログラムを集束させる体制である。
政府予算規模は、初年度(2014年度)は約1.1億ドルであったが、これまでの総額約24億ドルであり、2026年までに総額合計66億ドルの予算規模が見込ま
れている。
今後は、Brain2.0として、2025年まで、(1)包括的なヒトの脳細胞アトラスの構築、(2)哺乳類の脳全体のマイクロコネクティビティマップを完成させるために必要なツール
の開発、(3)脳細胞に正確にアクセスするためのツールの開発、という3つの柱を展開することで、神経科学の変革を進めることとしている。
欧州における研究動向
EU FET(Future and Emerging Technologies)フラッグシップ・プログラムとしてHuman Brain Project(HBP)を開始。HBPは、10か年計画で約6.1億ユー
ロ、16か国の123機関が参加。生物学的な研究と情報通信技術の融合を実現して、ヒトの脳の神経回路のシミュレーションを実現することを最終ゴールとして掲げてい
る。
HBPの設立当初はその前身がスーバーコンピューターによるげっ歯類大脳皮質の局所神経回路の動作をシミュレーションするBlue Brain Projectであったため、情報科
学、計算機科学の比重を強めた研究計画となっていたが、その後に大幅な研究プログラムの見直しが実施され、現在のHBPの研究プログラムはより神経科学的なアプロ
ーチを重視して、欧州連合の中の多様な脳科学リソースを活用してヒトの脳の理解を目指すという方向性になった。
中国における研究動向
「中国脳計画」は2016年に策定し、「一体両翼」のスキームに基づき研究を実施。「一体」は脳の認知機能の原理(脳の認知機能を理解するため、神経基盤を研究
主体とする)を指し、「両翼」は脳型コンピューティング及びブレイン・マシン・インテリジェンス技術と、脳の重大疾病の診療を指している。
2021年からの5カ年計画で50億元の予算を計上。
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米国のBRAIN Initiativeは、脳を理解するための革新的な
技術開発とシナプスから全脳レベルに至るネットワークの包括
的な解明を目的とした、総額66億ドル(約7,500億円)の
大規模プロジェクトである。欧州や中国も、多額な予算を脳
科学研究に投入している状況である。
(出典)How the world’s biggest brain maps could transform neuroscience.
Nature (2021-10-07) | doi: 10.1038/d41586-021-02661-w |を基に作成
米国における研究動向
BRAIN Initiativeは、2013年4月に開始し、脳を理解するための革新的な技術開発とシナプスから全脳レベルに至るネットワークの包括的な解明を目的としている。
プロジェクト運営のための政府側の資金提供はNational Institutes of Health(NIH)、National Science Foundation(NSF)、Defense Advanced
Research Projects Agency(DARPA)等により実施され、各機関が独自の目的を保持しつつ、全体目標にプログラムを集束させる体制である。
政府予算規模は、初年度(2014年度)は約1.1億ドルであったが、これまでの総額約24億ドルであり、2026年までに総額合計66億ドルの予算規模が見込ま
れている。
今後は、Brain2.0として、2025年まで、(1)包括的なヒトの脳細胞アトラスの構築、(2)哺乳類の脳全体のマイクロコネクティビティマップを完成させるために必要なツール
の開発、(3)脳細胞に正確にアクセスするためのツールの開発、という3つの柱を展開することで、神経科学の変革を進めることとしている。
欧州における研究動向
EU FET(Future and Emerging Technologies)フラッグシップ・プログラムとしてHuman Brain Project(HBP)を開始。HBPは、10か年計画で約6.1億ユー
ロ、16か国の123機関が参加。生物学的な研究と情報通信技術の融合を実現して、ヒトの脳の神経回路のシミュレーションを実現することを最終ゴールとして掲げてい
る。
HBPの設立当初はその前身がスーバーコンピューターによるげっ歯類大脳皮質の局所神経回路の動作をシミュレーションするBlue Brain Projectであったため、情報科
学、計算機科学の比重を強めた研究計画となっていたが、その後に大幅な研究プログラムの見直しが実施され、現在のHBPの研究プログラムはより神経科学的なアプロ
ーチを重視して、欧州連合の中の多様な脳科学リソースを活用してヒトの脳の理解を目指すという方向性になった。
中国における研究動向
「中国脳計画」は2016年に策定し、「一体両翼」のスキームに基づき研究を実施。「一体」は脳の認知機能の原理(脳の認知機能を理解するため、神経基盤を研究
主体とする)を指し、「両翼」は脳型コンピューティング及びブレイン・マシン・インテリジェンス技術と、脳の重大疾病の診療を指している。
2021年からの5カ年計画で50億元の予算を計上。
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