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薬-2参考3○令和6年度薬価改定の主な課題と議論の進め方について (25 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212451_00064.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第202回 6/21)《厚生労働省》
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第2章


医薬品の迅速・安定供給実現に向けた対策の方向性

第1章に記載した課題に対して、政府が取り組むべき対応策を以下にて提言する。

2.1

医薬品の安定供給の確保に向けて

2.1.1


後発品産業構造の見直し

資金や人材などが限られている中、製薬企業は事業を戦略的に集中させていく必要が
ある。その上で、国民に高水準の医療を持続的に提供できる世界を目指すためには、
先発品企業は革新的な医薬品を創出し続け、後発品企業は、特許が切れた医薬品を安
定的に供給し続けるという役割分担を形成することが必要である。



この中において、後発品企業は、国民にとって必要不可欠となった後発品について、
品質を確保しつつ将来にわたって安定的に供給し続けることが求められる。そのため
にも、製造管理及び品質管理の徹底は当然として、製造ラインの品目切り替えを極力
減らすこと等による生産の効率化を行うとともに、非常事態に対応できる余力を持っ
た製造体制を確保することが求められる。



しかしながら、現状では第1章で記載したように、複数の後発品企業において、製造
管理及び品質管理の不備による薬機法違反が発覚し、これを端緒として多くの医薬品に
おいて出荷停止や限定出荷が発生するとともに、これが長期化し、国民に必要な医薬品
が供給されない状況が続いている。



こうした事態は、これまで政府において後発品の使用促進が進められ、市場が大きく
拡大する中で、必ずしも十分な製造能力や体制を確保できない多くの企業が新規品目を
上市することや、十分な製造管理も行われない中で少量多品目生産が行われるといった
後発品産業特有の産業構造上の課題がその大きな背景の一つと考えられる。このため、
今後、これまでのような大きな市場拡大が見込めない中にあっても、後発品の安定供給
を確保していくためには、このような産業構造の在り方そのものを見直していくことが
必要である。



その際には、医薬品の種類は非常に多く様々なカテゴリーがある中で、各企業がそれ
ぞれの特性を活かしつつ分業を行うことで安定供給が実現できる産業を目指していく
必要がある。



政府においては、今後の後発品産業の在るべき姿を策定するとともに、その実現を図
る た め 、 以 下 に 掲 げ る 方 策 に つ い て 、 こ れ ら を 更 に 具 体 化 す る た め の 会 議 体 を 新 設 し、
速やかに検討に着手すべきである。

(上市に当たって十分な製造能力等を求める仕組みの構築)


第1章でも述べたように、これまで後発品の使用促進を進める中で、共同開発 が導入
されたことに伴い、必ずしも十分な製造能力を確保できない多くの企業が新規品目を上
市し、激しい価格競争による薬価の引下げや、先発品の特許切れに伴う更なる 品目の増
加を招いてきた。しかも、一部の企業においては、一定期間後には市場 から撤退してい
るという実態も把握されたところである。
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