よむ、つかう、まなぶ。
薬-2参考3○令和6年度薬価改定の主な課題と議論の進め方について (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212451_00064.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第202回 6/21)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
第1章
1.1
○
医薬品産業を取り巻く現下の諸課題
足下で顕在化している供給不安
医薬品は、国民の健康及び生命を守る重要な物資であり、その供給が途絶えてしまう
ことは、国民生活に重大な影響を及ぼしかねない。日本では、これまで、品質の確保
された医薬品が、安定的に供給されてきた。しかしながら、近年になって、日本にお
いて医薬品は安定的に供給されるという『神話』は、崩壊の危機に瀕している。
○
日本製薬団体連合会の調査によれば、令和4年(2022 年)8月末現在、医薬品全体
の 28.2%に当たる 4,234 品目が出荷停止又は限定出荷 2 の状況にある。内訳をみると、
先発品(長期収載品を含む。)が 300 品目(約7%)であるのに対し、後発品は 3,808
品目(約 90%)、と後発品を中心として、医薬品全体に少なからず影響が及んでいる状
況にある(後発品の全品目 9,292 品目のうち、約 41%が出荷停止等となっている)。
○
しかも、経年変化でみると、この供給不安の状況については、改善するどころか、令
和3年(2021 年)8月末時点から、出荷停止又は限定出荷となっている状況が継続し
ており 3 、国民の医薬品へのアクセスという観点からは極めて深刻な事態となっている。
○
現下の供給不安の背景には様々な要素や要因があると考えられるが、大きくは、後発
品の産業構造上の課題 、薬価基準制度上の課 題、そしてサプライチ ェーン 4 上の課題が
考えられる。これらに加え、令和2年(2020 年)からの新型コロナウイルス感染症の
感染拡大による一部の医薬品への需要増加が供給不安に拍車をかけたと考えられる。
各課題は相互に関係しており供給不安の原因を複雑化しているが、以下において、そ
れぞれの課題について詳述する。
1.1.1
○
後発品産業構造上の課題
現在足下で広がっている医療用医薬品の供給不安は、 令和3年(2021 年)2月に実
施された小林化工株式会社の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等
に関する法律(以下「薬機法」という。)違反 への行政処分以降、後発品企業による薬
機法違反が相次ぎ発生し、これに伴い違反企業の製品について出荷停止が行われたこ
とが端緒となっている。
○
この一連の行政処分については、各企業における誤ったガバナンスや不十分な教育、
過度な出荷優先の姿勢、バランスを欠いた人員配置などが、製造管理及び品質管理上
の管理不備やコンプライアンス違反につながったことが直接的な原因と指摘されてい
る。
2
3
4
新規受注の制限や、受注量の抑制を通して出荷量を調整すること。
令和4年(2022 年)8月末時点では、医薬品全体 15,036 品目のうち、28. 2%に当たる 4,234 品目
が欠品・出荷停止又は限定出荷の状況にあった。内訳をみると、後発品 9,292 品目のうち、3,808 品
目(約 41.0 %)、先発品(長期収載品を含む) 4,689 品目のうち、300 品目(約 6.4 %)、それぞれ欠
品・出荷停止又は限定出荷の状況にあった。
原材料などの調達、生産、在庫管理、配送、販売、消費までのプロセス全体を指す。
3
1.1
○
医薬品産業を取り巻く現下の諸課題
足下で顕在化している供給不安
医薬品は、国民の健康及び生命を守る重要な物資であり、その供給が途絶えてしまう
ことは、国民生活に重大な影響を及ぼしかねない。日本では、これまで、品質の確保
された医薬品が、安定的に供給されてきた。しかしながら、近年になって、日本にお
いて医薬品は安定的に供給されるという『神話』は、崩壊の危機に瀕している。
○
日本製薬団体連合会の調査によれば、令和4年(2022 年)8月末現在、医薬品全体
の 28.2%に当たる 4,234 品目が出荷停止又は限定出荷 2 の状況にある。内訳をみると、
先発品(長期収載品を含む。)が 300 品目(約7%)であるのに対し、後発品は 3,808
品目(約 90%)、と後発品を中心として、医薬品全体に少なからず影響が及んでいる状
況にある(後発品の全品目 9,292 品目のうち、約 41%が出荷停止等となっている)。
○
しかも、経年変化でみると、この供給不安の状況については、改善するどころか、令
和3年(2021 年)8月末時点から、出荷停止又は限定出荷となっている状況が継続し
ており 3 、国民の医薬品へのアクセスという観点からは極めて深刻な事態となっている。
○
現下の供給不安の背景には様々な要素や要因があると考えられるが、大きくは、後発
品の産業構造上の課題 、薬価基準制度上の課 題、そしてサプライチ ェーン 4 上の課題が
考えられる。これらに加え、令和2年(2020 年)からの新型コロナウイルス感染症の
感染拡大による一部の医薬品への需要増加が供給不安に拍車をかけたと考えられる。
各課題は相互に関係しており供給不安の原因を複雑化しているが、以下において、そ
れぞれの課題について詳述する。
1.1.1
○
後発品産業構造上の課題
現在足下で広がっている医療用医薬品の供給不安は、 令和3年(2021 年)2月に実
施された小林化工株式会社の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等
に関する法律(以下「薬機法」という。)違反 への行政処分以降、後発品企業による薬
機法違反が相次ぎ発生し、これに伴い違反企業の製品について出荷停止が行われたこ
とが端緒となっている。
○
この一連の行政処分については、各企業における誤ったガバナンスや不十分な教育、
過度な出荷優先の姿勢、バランスを欠いた人員配置などが、製造管理及び品質管理上
の管理不備やコンプライアンス違反につながったことが直接的な原因と指摘されてい
る。
2
3
4
新規受注の制限や、受注量の抑制を通して出荷量を調整すること。
令和4年(2022 年)8月末時点では、医薬品全体 15,036 品目のうち、28. 2%に当たる 4,234 品目
が欠品・出荷停止又は限定出荷の状況にあった。内訳をみると、後発品 9,292 品目のうち、3,808 品
目(約 41.0 %)、先発品(長期収載品を含む) 4,689 品目のうち、300 品目(約 6.4 %)、それぞれ欠
品・出荷停止又は限定出荷の状況にあった。
原材料などの調達、生産、在庫管理、配送、販売、消費までのプロセス全体を指す。
3