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資料1_「今後のがん研究のあり方について」報告書案(暫定版) (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34935.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第14回 8/30)《厚生労働省》
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2.現状・課題と求められる研究
「がん研究 10 か年戦略」では、国民の視点に立ち、これまで取組を進めてき
た根治を目指した治療法の開発に加え、がん患者とその家族のニーズに応じた
苦痛の軽減や、がんの予防と早期発見、がんとの共生といった観点を重視し、そ
の際、患者のライフステージや個々のがんの特性によって患者とその家族のニ
ーズは異なることを認識することが重要とされていた。
次期がん研究戦略期間においても、こうした考え方を引き継ぎつつ、
「誰一人
取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す。」を全体目
標とした今後のがん対策の方向性も踏まえ、以下の5項目を柱として、社会実装
を意識したがん研究の取組を進めていくことが適当である。
(1)「がんの予防」に関する研究
(2)「がんの診断・治療」に関する研究
(3)「がんとの共生」に関する研究
(4)ライフステージやがんの特性に着目した研究領域
(5)複数領域にまたがる研究
以下、それぞれの項目ごとに、現状・課題及びこれに応じた研究の具体例を示
す。
(1)「がんの予防」に関する研究
(現状・課題)
新たながんの1次・2次予防の実現に向け、発がんリスクの層別化・個別化
を的確に行い、個人に最適化されたがん予防を確立することが求められている。
喫煙・飲酒、生活習慣や感染症といった発がんリスク要因だけでなく、ゲノム
解析により発がんリスクを高める遺伝子変異、遺伝子多型が明らかになってき
たものの、ハイリスク群に対する予防介入を目的としたエビデンスの蓄積が不
十分である。
近年、リキッドバイオプシー等の体液中の微量の分子を検出できる技術の開
発や、ゲノムだけに限らず、オミックス解析、画像解析を含む多層なデータの
統合解析の技術が格段に進歩している。これらに基づいたより精緻な発がんリ
スクの予測や、簡便・低侵襲かつ受診の場を選ばない検診技術の開発、新しい
方法の効率的な社会実装を推進することが重要である。

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