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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 重症高血圧(案) (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》
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▲STEP3

薬剤性副作用であることの整合性

このように、血圧上昇作用を有する薬剤は少なからず高血圧緊急症をきた
しうる。それまで血圧管理が良好だった症例があるとき血圧コントロール不
良になったときは、薬剤誘発性高血圧の可能性も考慮して、他の診療科や他の
医療機関で薬剤誘発性高血圧の原因となりうる薬剤が投与されていないか、
注意深く病歴を聴取する。高齢者では、複数の診療科、複数の医療機関から多
数の投薬がなされることが多く(ポリファーマシー)、一層の注意が必要であ
る。降圧薬の内服がきちんとなされているか(服薬アドヒアランス)、同居家
族や入居施設や訪問看護師による確認も必要である。高血圧緊急症が薬剤性
の副作用として説明付けられるかどうかは薬剤服用開始や服薬期間、服薬の
タイミングに整合性があるかで検討する。高血圧緊急症の原因薬剤として可
能性が高い薬剤があった場合、被疑薬剤を中止することで高血圧緊急症が改
善するのであれば、その薬剤の副作用であった可能性が高いが、被疑薬の減量
や休薬や中止については、患者の原因疾患によって一人一人個別に判断する
必要がある。

4. 判別が必要な疾患と判別方法
(1)

判別が必要な疾患

重症高血圧であっても、臓器障害のない場合は、緊急降圧の必要性はなく、
高血圧切迫症とされ内服薬による対応で可能であることが多い。臓器障害の
急激な進行を伴う高血圧緊急症か、そうではない切迫症であるかを速やかに
判断する必要がある。二次性高血圧は重症高血圧を合併しやすく、重症高血圧
をみた場合には二次性高血圧の鑑別も重要である。
(2)

判別方法

重症高血圧をきたす可能性がある薬剤の服用歴を詳細に聴取することが重
要である。褐色細胞腫を背景とする場合は、ドパミン受容体拮抗薬(メトクロ
プラミド)、グルカゴン、β遮断薬単独投与、三環系抗うつ薬、SNRI,MAO 阻害
薬、高用量デキサメタゾン(2 mg 以上)、造影剤の使用、化学療法などを契機
に高血圧クリーゼとなる場合がある。臓器障害を合併している場合は、合併し
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