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参考資料3_「全ゲノム解析等実行計画2022」 (15 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35569.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会全ゲノム解析等の推進に関する専門委員会(第17回 10/3)《厚生労働省》 |
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4.これまでの取組み
【がん領域】
がん領域については、実行計画(第1版)において、「まず、先行解析で日
本人のゲノム変異の特性を明らかにし、本格解析の方針決定と体制整備を進め
る」とされ、そのうち先行解析については、「当面は、解析結果の利用等に係
る患者同意の取得の有無、保管検体が解析に十分な品質なのか、臨床情報の有
無等の条件を満たして利用が可能なものを抽出した上で、有識者会議での意見
を踏まえ、5年生存率が相対的に低い難治性のがんや稀な遺伝子変化が原因と
なることが多い希少がん(小児がんを含む)、遺伝性のがん(小児がんを含む)
について、現行の人材・設備等で解析が可能な範囲で全ゲノム解析等を行う」
とされた。
これを踏まえ、令和元年度から令和2年度にかけて、既に検体が保管されて
いた難治性のがん 550 症例、遺伝性のがん 3,247 症例について全ゲノム解析
等を実施した。これらの先行解析1では、全ゲノム解析を行う際の、技術的課題
の検証2、共通プラットフォームの構築(単一のシークエンサーを用いたシー
クエンスによる十分な質のデータの確保)、統一解析パイプラインの構築
(FASTQ ファイルから変異コールまで)を行った。さらに、それらを用いて、
従来の遺伝学的検査法ではできなかった病的変異の同定3など、全ゲノム解析
の意義を明らかにした。
一方、全ゲノム解析で特に期待される構造異常及びトランスクリプトーム解
析との統合解析が必要なスプライシング変異などに対応するパイプラインの
構築、全ゲノム解析結果の臨床的意義づけの迅速化や、全ゲノム解析結果に対
1
革新的がん医療実用化研究事業研究班(研究代表者
国立がん研究センター中央病院
吉田輝彦)
、厚生労働科学研究費がん対策推進総合研究事業研究班(研究代表者 山本昇
国立がん研究センター中央病院)
2
全ゲノム解析における腫瘍部と、正常部のシークエンス深度の評価、トランスクリプト
ーム解析との統合解析、組織横断的体細胞変異解析、ゲノム変異全体像解析(欧米と比較
したドライバー遺伝子頻度解析を含む)
、経時的サンプル解析など。
3
例えば、臨床的に遺伝性腫瘍の可能性が疑われていたが、確定診断がついていなかった
症例について、全ゲノム解析を行うことで、ATM 遺伝子(細胞周期のコントロールや
DNA 修復に関わるタンパクをコードしている遺伝子で、乳がんや卵巣がんの発症に関与
するとされる)のイントロン深部の変異を検出し、RNA シークエンスの併用によりスプラ
イシング異常を確認することができた。また、乳がん、骨軟部腫瘍、膵がん、白血病等に
おいて、全ゲノム解析に特徴的な変異を同定することができた。
14
【がん領域】
がん領域については、実行計画(第1版)において、「まず、先行解析で日
本人のゲノム変異の特性を明らかにし、本格解析の方針決定と体制整備を進め
る」とされ、そのうち先行解析については、「当面は、解析結果の利用等に係
る患者同意の取得の有無、保管検体が解析に十分な品質なのか、臨床情報の有
無等の条件を満たして利用が可能なものを抽出した上で、有識者会議での意見
を踏まえ、5年生存率が相対的に低い難治性のがんや稀な遺伝子変化が原因と
なることが多い希少がん(小児がんを含む)、遺伝性のがん(小児がんを含む)
について、現行の人材・設備等で解析が可能な範囲で全ゲノム解析等を行う」
とされた。
これを踏まえ、令和元年度から令和2年度にかけて、既に検体が保管されて
いた難治性のがん 550 症例、遺伝性のがん 3,247 症例について全ゲノム解析
等を実施した。これらの先行解析1では、全ゲノム解析を行う際の、技術的課題
の検証2、共通プラットフォームの構築(単一のシークエンサーを用いたシー
クエンスによる十分な質のデータの確保)、統一解析パイプラインの構築
(FASTQ ファイルから変異コールまで)を行った。さらに、それらを用いて、
従来の遺伝学的検査法ではできなかった病的変異の同定3など、全ゲノム解析
の意義を明らかにした。
一方、全ゲノム解析で特に期待される構造異常及びトランスクリプトーム解
析との統合解析が必要なスプライシング変異などに対応するパイプラインの
構築、全ゲノム解析結果の臨床的意義づけの迅速化や、全ゲノム解析結果に対
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革新的がん医療実用化研究事業研究班(研究代表者
国立がん研究センター中央病院
吉田輝彦)
、厚生労働科学研究費がん対策推進総合研究事業研究班(研究代表者 山本昇
国立がん研究センター中央病院)
2
全ゲノム解析における腫瘍部と、正常部のシークエンス深度の評価、トランスクリプト
ーム解析との統合解析、組織横断的体細胞変異解析、ゲノム変異全体像解析(欧米と比較
したドライバー遺伝子頻度解析を含む)
、経時的サンプル解析など。
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例えば、臨床的に遺伝性腫瘍の可能性が疑われていたが、確定診断がついていなかった
症例について、全ゲノム解析を行うことで、ATM 遺伝子(細胞周期のコントロールや
DNA 修復に関わるタンパクをコードしている遺伝子で、乳がんや卵巣がんの発症に関与
するとされる)のイントロン深部の変異を検出し、RNA シークエンスの併用によりスプラ
イシング異常を確認することができた。また、乳がん、骨軟部腫瘍、膵がん、白血病等に
おいて、全ゲノム解析に特徴的な変異を同定することができた。
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