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資料3-1  ミコフェノール酸モフェチル (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00031.html
出典情報 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第57回 )
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る。
実際には、SSc-ILD に対する治療選択肢は、第一選択として MMF、第二選択又は急速進
行型若しくは予後不良型(Goh 分類による extended form)の第一選択として CYC 静脈内投
与、第三選択としてリツキシマブ(遺伝子組換え)があると考えている。
<日本におけるガイドライン等>
国内ガイドライン 1 及び 2 に、以下に示す共通の内容が記載されている。
1.

全身性強皮症 診断基準・重症度分類・診療ガイドライン. 全身性強皮症 診断基準・
重症度分類・診療ガイドライン委員会. 日皮会誌 2016; 126: 1831-96 1)

2.

全身性強皮症・限局性強皮症・好酸球性筋膜炎・硬化性萎縮性苔癬 診断基準・重症度
分類・診療ガイドライン. 強皮症・皮膚線維化疾患の診断基準・重症度分類・診療ガイ
ドライン作成委員会; 2016: p30-31 2)

診療ガイドライン 肺、間質性肺疾患(ILD)
「CQ5. MMF は有用か?」
【推奨文】SSc-ILD に対して MMF を CYC の代替療法として使用することを提案する。
【推奨度】2C※3
【解説】CYC の効果が限定的である理由の一つに安全性の懸念から長期投与ができないこ
とが挙げられる。そこで、ループス腎炎などで CYC と同等の効果(非劣性)が示されてい
る MMF の SSc-ILD における有用性が検討されている。履歴的あるいはオープン試験で、
MMF(2~3 g)による FVC の安定化と高い安全性が示されている 29),30),31),32)が、これまでプ
ラセボ対照の比較試験の報告はない。2 年を越える長期のオープン試験でも FVC の低下は
少なく、忍容性も高いことが示されている 33)。一方、MMF にステロイドパルス療法を月 1
回計 6 回繰り返す治療を組み合わせたオープン試験では FVC と DLCO の改善が報告されて
いる 34)。MMF で治療した 10 例と背景因子を一致させた CYC 治療群 10 例の 2 年間の治療
経過を比較した症例対照研究では、FVC の推移に差はなかったが、MMF 群でのみ HRCT
スコアの悪化がみられたエラー! 参照元が見つかりません。。MMF の効果を検討した 5 つの履歴的研究、
ひとつの前向きオープン試験を対象としたメタ解析では、計 69 例の MMF 投与例(62%は
CYC を中心とした他の免疫抑制薬の前投与あり)で FVC、DLCO ともに 12 カ月間有意な変
化はみられなかったが、薬剤に起因する重篤な有害事象も報告されていない 35)。MMF は安
全性プロフィールで CYC より優れているものの、効果面で CYC と同等で代替になり得る
かに関するエビデンスは現状でない。現在、北米で CYC 経口と MMF の多施設二重盲検比
較試験が進行中であることから、その結果が待たれる。なお、MMF は SSc に対して保険適
応はない。
※3

推奨グレードは、1:強く推奨する、2:提案する、なし:決められない場合、エビデンスレベルは、A:効
果の推定値に強く確信がある、B:効果の推定値に中程度の確信がある、C:効果の推定値に対する確信は限定
的である、D:効果の推定値がほとんど確信できない、で示されている。

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