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費ー1ー2○令和6年度費用対効果評価制度の見直しについて (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000182080_00021.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第68回 1/17)《厚生労働省》
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医療費は、評価対象技術によって直接影響を受ける関連医療費(related medical cost)と生
命予後の延長等により間接的に影響されるもの、あるいは当該疾患と関連しないもの等の非関
連医療費(unrelated medical cost)とに分類できる。例えば、高血圧治療によって心血管疾患
や脳卒中が減少すると、期待余命が延長して、非関連医療費(例えば認知症や糖尿病、腎透析
など)が増大する可能性がある。このような非関連医療費は原則として費用に含めないこととして
いる。

・ ビニエット法
仮想的な健康状態の記述(ビニエット, vignette)を回答者に読ませて、その健康状態を想起さ
せることにより、QOL 値の評価を行う方法。評価にはいわゆる直説法とも呼ばれる SG 法、TTO
法、DCE 法などが用いられる。記述された健康状態は患者から直接得られたものではない一方
で、得られる QOL 値に大きな影響を与えることから、恣意的なシナリオとならないよう慎重な配慮
が必要である。

・ 費用効果分析
医療技術の経済評価は下記の 4 パターンに分類されることが多い。(a) アウトカムを同等とお
いて費用のみを検討する「費用最小化分析 (Cost-minimization analysis: CMA)」、(b)
QALY 以外の種々のアウトカム指標(生存年、イベント回避など)を用いる「費用効果分析
(Cost-effectiveness analysis: CEA)」、(c) QALY を用いる「費用効用分析 (Cost-utility
analysis: CUA)」、(d) アウトカムを金銭化して評価する「費用便益分析 (Cost-benefit
analysis: CBA)」。
しかし、CMA、CEA、CUA は費用とアウトカムを別々に推計するという点では、同種の分析で
あるとも考えられるので、本ガイドラインではこれらの手法をまとめて費用効果分析と呼んでいる。

・ 不確実性
費用効果分析を行う上では、様々な分析の不確実性(uncertainty)がともなう。
異質性(heterogeneity)は、広義の不確実性の一種であり、比較対照技術や診療パターン、
対象患者等が一意に定まらない状況を指す。これは、次に説明する狭義の不確実性とは異なり、
統計学や医療経済学上の技術的な問題ではなく、現実が多様であることに起因する。このような
異質性が存在する場合は、複数のシナリオ設定に基づいた感度分析を行うことを推奨している。
狭義の不確実性は、大きく(a)モデルの不確実性と(b)パラメータの不確実性に分けることがで
きる。前者のモデルの不確実性は、さらに(a)-1 方法論上の不確実性や(a)-2 モデルの構造・仮
定等に起因するものがある。
(a)-1 方法論上の不確実性は、割引率や生産性損失の推計方法、QOL 値の測定方法等が
理論的には一意に定められないために生じる。これらを避けるためには、標準的な共通の手法に
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