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先端的バイオ創薬等基盤技術開発事業の事後評価結果(案) (14 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2024/02/112060221.html
出典情報 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 (第112回 2/16)《文部科学省》
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技術(GpMab 法)を組み合わせ、エピトープに糖鎖が含まれる抗体を効率良く取得可能と
し、製薬企業へのがん特異的抗体の導出も行った。また、CasMab 法と、免疫やスクリーニ
ングに細胞株のみを使った細胞基盤免疫選択法(CBIS 法)を組み合わせ、製薬会社から依
頼があったがん特異的抗体の作製を行い、抗腫瘍活性の検討を経て、製薬会社との共同研
究に進めた。さらに、がん特異的抗体から scFv(単鎖可変領域フラグメント)を作製し、
CAR-T 細胞の開発を開始した。加えて、数多くの標的に対する抗体を試薬会社に導出した。
がん細胞だけに高発現する標的分子が枯渇し、抗体医薬品等において正常組織への副作用
が課題となるなか、本技術は正常組織にも発現する分子を標的とした場合でもがん特異的
な抗体を作製できるものであり、既存課題に対する1つの解決策を示すものである。
(課題
名:難治性がんを標的とした先端的がん特異的抗体創製基盤技術開発とその医療応用)
〇血中 pH は電荷的中性である一方で、腫瘍内は酸性環境である。脂質と pH 応答性ベタ
インポリマーを用いて siRNA を内包した LNP(脂質ナノ粒子)を開発し、固形がんの動物モ
デルにおいて優れた腫瘍増殖抑制効果を示した。また、タンニン酸/ボロン酸基含有ポリ
マーで内包された AAV(アデノ随伴ウイルス)は、固形がんの動物モデルでは通常の AAV に
比べ、正常組織での遺伝子発現が抑制され、固形がんでの遺伝子発現が増加した。以上の
ように本技術は、バイオ医薬品の共通の課題である、低い細胞膜透過性、低い血中安定性
と患部到達性、全身作用による副作用の解決に貢献するものである。
(課題名:高分子ナノ
テクノロジーを基盤とするバイオ医薬品送達システムの開発)
以上より、
「(iv)ワクチンの基盤技術開発」
(令和3年度開始)を除く技術領域から企業導
出が達成され、特許出願と論文発表の両立に配慮しつつ研究成果の価値を高めることがで
きた。(「(iv)ワクチンの基盤技術開発」においても、企業導出の契約手続き中の課題もあ
る。)また、令和3年度から、要素技術開発に一定の目途が立った研究開発課題について、
当該要素技術を用いて、薬効・安全性等の非臨床試験等を進める取組が開始されているな
ど、企業導出に向けた研究を加速させた。これらのことから、本事業の「有効性」は高かっ
たと評価できる。

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