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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[321KB] (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40727.html |
出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和6年度第1回 6/19)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
出典
概要
問題点:日本において新規オズウイルスによる初めてのヒト感染例が確認され
た。
【概要】新たにヒトにおいて感染することが認められた感染症に関する報告。
2023年6月23日、厚生労働省はマダニに刺咬された茨城県の70歳代女性がオ
ズウイルスに感染し、2022年に心筋炎で死亡したと発表した。ダニ媒介性ウイ
ルスによる野生動物やヒトへの感染の可能性は報告されているが、本症例は
世界初の死亡例と考えられる。同省によると、女性の海外渡航歴はなく、2022
年初夏に発熱、倦怠感、関節痛等の症状を呈し医療機関を受診した。肺炎が
疑われたため抗生物質を処方されたが、症状が悪化し、医療センターに入院し
た。入院時、右鼠径部にマダニが刺咬していた。患者は心臓の炎症である心筋
炎で約1カ月後に死亡した。患者の血液と尿からオズウイルスの断片が検出さ
れたため、国立感染症研究所(NIID)で追加検査が行われ、患者はオズウイル
ス感染症と診断された。NIIDによると、オズウイルスは2018年に愛媛県でマダニ
(学名:Amblyomma testudinarium)から初めて検出された。オズウイルスに対す
る抗体は千葉県、岐阜県、三重県、和歌山県、山口県、大分県でニホンザル、
イノシシ、シカ等の野生動物から検出されている。同省によると山口県の猟師
24人の血液検査でもうち2人にオズウイルスの抗体が検出され、過去に感染し
た可能性があることが示された。オズウイルスはこれまでのところ日本以外で
は見つかっていない。NIIDの感染症専門家は、「死亡例が確認されたのは今回
が初めてであるため、現時点でウイルスの重症度や危険性を判断するのは難
しい。本症例はウイルスが死亡を含む重篤な症状を引き起こす可能性があるこ
とを示しているが、過去に抗体を保有するヒトが検出されたことから、未発症者
や軽症者がいる可能性がある。」と述べた。
5 ウイルス感染
ProMED-mail
20230626.8710768
6 ウイルス感染
情報源:Emerging infections: monthly summaries-2023年1月~6月
ScienceDirect.
2023年3月、研究者らはロシアのアジア地域のマダニと患者から検出された新
https://www.sciencedir
型ハセキダニウイルス(HSTV)を報告した。 ゲノム断片の配列決定により、
ect.com/science/articl
HSTVが未分類のFlavi様ウイルスと密接に関連していることが実証された。ウラ
e/pii/S1877959X22002
ジオストク市の入院患者からHSTV(マダニによる咬傷後)が検出され、その中
035?via%3Dihub#sec00
にはHSTV、ダニ媒介性脳炎、ボレリア属、アナプラズマ属の混合感染症の患者
13
も含まれていた。
7 ウイルス感染
【要約】新規ハセキダニウイルス(HSTV)は、ロシアのアジア地域のマダニと患
者から検出された。全ポリタンパク質とウイルスRdRpに対応するゲノム断片の
配列決定により、HSTVは未分類のフラビ様ウイルスに遺伝的に近いことが実
証された。HSTV配列の系統解析により、これらのウイルスは、アジア、欧州、ア
フリカ、カリブ海地域で早期に検出されたボレダニウイルス4(BLTV4)に近いこ
とが示された。ゲノムの構成は、HSTVとBLTV4も拡大されたFlavi様ポジティブ
センスssRNAウイルスゲノムを有するフラビウイルス科の推定上の新属として
分類される可能性があると予測している。HSTVの推定人的事故の事例として、
ウラジオストク(ロシア)のマダニ媒介感染症の入院患者でIxodes persulcatus
(イクソデス・ペルスルカトゥス)による攻撃が発見された。この病気は、急性呼
吸器病変を伴う3~5日間の発熱と関連していた。これらの患者では、ダニ媒介
性脳炎ウイルス、ボレリア属、アナプラズマ属の二重又は三重の重複感染とし
て、ヒトのダニ媒介感染症の混合も検出された。したがって、異なる種類のマダ
ニ、異なる地理的地域及びマダニ攻撃後の患者におけるHSTV抗体検査、ウイ
ルス分離及びHSTV配列のサーベイランスを研究する必要がある。
【おわりに】これは、ロシアのマダニとヒトから得られたウイルス配列の新規
HSTVと遺伝的多様性を記述した最初の研究である。このウイルスは、世界中
のさまざまな国で発見されたBLTV4に遺伝的に近い。系統解析により、4つの推
定クレード(ヨーロッパ系、アジア系及びアフリカ系)が存在し、以前に報告され
たBLTV4とトリンバゴウイルスが存在することが示された。完全なHSTVポリタン
パク質が解読され、ゲノム構造は、HSTV及びBLTVが、RNAウイルスゲノムが
拡大したフラビウイルス科内の推定新属として分類される可能性があることを
示唆した。ヒトにおけるHSTV検出の最初の報告された症例は、急性呼吸器病
変を伴う発熱及びダニ媒介性脳炎ウイルス、ボレリア属、アナプラズマ属の二
重又は三重感染などの他のダニ媒介感染症との重複感染に関連していた。 私
たちは、マダニとヒトにおける推定HSTV感染の検出、予防及び制御のための特
定のテストの開発に役立つことを提案する。
Ticks and Tick-borne
Diseases. 14(2023)
102101
3 / 12
感染症(PT)
出典
概要
問題点:日本において新規オズウイルスによる初めてのヒト感染例が確認され
た。
【概要】新たにヒトにおいて感染することが認められた感染症に関する報告。
2023年6月23日、厚生労働省はマダニに刺咬された茨城県の70歳代女性がオ
ズウイルスに感染し、2022年に心筋炎で死亡したと発表した。ダニ媒介性ウイ
ルスによる野生動物やヒトへの感染の可能性は報告されているが、本症例は
世界初の死亡例と考えられる。同省によると、女性の海外渡航歴はなく、2022
年初夏に発熱、倦怠感、関節痛等の症状を呈し医療機関を受診した。肺炎が
疑われたため抗生物質を処方されたが、症状が悪化し、医療センターに入院し
た。入院時、右鼠径部にマダニが刺咬していた。患者は心臓の炎症である心筋
炎で約1カ月後に死亡した。患者の血液と尿からオズウイルスの断片が検出さ
れたため、国立感染症研究所(NIID)で追加検査が行われ、患者はオズウイル
ス感染症と診断された。NIIDによると、オズウイルスは2018年に愛媛県でマダニ
(学名:Amblyomma testudinarium)から初めて検出された。オズウイルスに対す
る抗体は千葉県、岐阜県、三重県、和歌山県、山口県、大分県でニホンザル、
イノシシ、シカ等の野生動物から検出されている。同省によると山口県の猟師
24人の血液検査でもうち2人にオズウイルスの抗体が検出され、過去に感染し
た可能性があることが示された。オズウイルスはこれまでのところ日本以外で
は見つかっていない。NIIDの感染症専門家は、「死亡例が確認されたのは今回
が初めてであるため、現時点でウイルスの重症度や危険性を判断するのは難
しい。本症例はウイルスが死亡を含む重篤な症状を引き起こす可能性があるこ
とを示しているが、過去に抗体を保有するヒトが検出されたことから、未発症者
や軽症者がいる可能性がある。」と述べた。
5 ウイルス感染
ProMED-mail
20230626.8710768
6 ウイルス感染
情報源:Emerging infections: monthly summaries-2023年1月~6月
ScienceDirect.
2023年3月、研究者らはロシアのアジア地域のマダニと患者から検出された新
https://www.sciencedir
型ハセキダニウイルス(HSTV)を報告した。 ゲノム断片の配列決定により、
ect.com/science/articl
HSTVが未分類のFlavi様ウイルスと密接に関連していることが実証された。ウラ
e/pii/S1877959X22002
ジオストク市の入院患者からHSTV(マダニによる咬傷後)が検出され、その中
035?via%3Dihub#sec00
にはHSTV、ダニ媒介性脳炎、ボレリア属、アナプラズマ属の混合感染症の患者
13
も含まれていた。
7 ウイルス感染
【要約】新規ハセキダニウイルス(HSTV)は、ロシアのアジア地域のマダニと患
者から検出された。全ポリタンパク質とウイルスRdRpに対応するゲノム断片の
配列決定により、HSTVは未分類のフラビ様ウイルスに遺伝的に近いことが実
証された。HSTV配列の系統解析により、これらのウイルスは、アジア、欧州、ア
フリカ、カリブ海地域で早期に検出されたボレダニウイルス4(BLTV4)に近いこ
とが示された。ゲノムの構成は、HSTVとBLTV4も拡大されたFlavi様ポジティブ
センスssRNAウイルスゲノムを有するフラビウイルス科の推定上の新属として
分類される可能性があると予測している。HSTVの推定人的事故の事例として、
ウラジオストク(ロシア)のマダニ媒介感染症の入院患者でIxodes persulcatus
(イクソデス・ペルスルカトゥス)による攻撃が発見された。この病気は、急性呼
吸器病変を伴う3~5日間の発熱と関連していた。これらの患者では、ダニ媒介
性脳炎ウイルス、ボレリア属、アナプラズマ属の二重又は三重の重複感染とし
て、ヒトのダニ媒介感染症の混合も検出された。したがって、異なる種類のマダ
ニ、異なる地理的地域及びマダニ攻撃後の患者におけるHSTV抗体検査、ウイ
ルス分離及びHSTV配列のサーベイランスを研究する必要がある。
【おわりに】これは、ロシアのマダニとヒトから得られたウイルス配列の新規
HSTVと遺伝的多様性を記述した最初の研究である。このウイルスは、世界中
のさまざまな国で発見されたBLTV4に遺伝的に近い。系統解析により、4つの推
定クレード(ヨーロッパ系、アジア系及びアフリカ系)が存在し、以前に報告され
たBLTV4とトリンバゴウイルスが存在することが示された。完全なHSTVポリタン
パク質が解読され、ゲノム構造は、HSTV及びBLTVが、RNAウイルスゲノムが
拡大したフラビウイルス科内の推定新属として分類される可能性があることを
示唆した。ヒトにおけるHSTV検出の最初の報告された症例は、急性呼吸器病
変を伴う発熱及びダニ媒介性脳炎ウイルス、ボレリア属、アナプラズマ属の二
重又は三重感染などの他のダニ媒介感染症との重複感染に関連していた。 私
たちは、マダニとヒトにおける推定HSTV感染の検出、予防及び制御のための特
定のテストの開発に役立つことを提案する。
Ticks and Tick-borne
Diseases. 14(2023)
102101
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