よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[321KB] (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40727.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和6年度第1回 6/19)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

ID

23

24

感染症(PT)

出典

概要

異型クロイツフェ ProMED-mail
ルト・ヤコブ病
20230716.8711189

問題点:スイスのウシ1頭において非定型のウシ海綿状脳症(BSE)が確認され
た。
【概要】スイスにおける非定型BSEに関する情報。ザンクトガレン州の獣医当局
は、狂牛病としても知られる非定型BSEをウシ1頭で確認した。定型BSEとは対
照的に、非定型BSEは自然発生的にアニマルミールの摂取とは関係なく発生す
る可能性がある。当該ウシの体は焼却されたため、ヒト及び他の動物にリスク
はない。日常的なBSEモニタリングの一環として、検査室にてザンクトガレン州
で高齢のために安楽死させられた13歳のウシから非定型BSEが検出された。死
体は専門的に処理され、焼却された。その結果、当該ウシ肉は食物連鎖に入ら
なかった。ヒト及び動物にリスクを及ぼすことはない。定型BSEとは対照的に、
非定型BSEは自然発生し、動物飼料中のアニマルミールとの関連はない。1990
年12月1日以来、スイスでは反芻動物へのアニマルミールの給餌が禁止されて
いる。2023年3月、定期的サーベイランスの一環として、グラウブンデン州の12
歳のウシからBSEが検出された。その症例も同じく非定型であった。しかし、2症
例は無関係である。定型BSEは、スイスでは対策に成功している。2015年以
来、スイスは「無視できるBSEリスク」を有する国として国際的に認識されてき
た。今回のような非定型症例は、本疾患ステータスを変化させない。

皮膚リーシュマニ Parasitol Res.
ア症
123(2024)5

皮膚リーシュマニア症(CL)は、パキスタンとアフガニスタンの国境に近い
Khyber部族地区における風土病であり、Leishmania tropica によって引き起こさ
れる。この地域では複数のサシチョウバエ種でL. tropica 保有が検出されてい
る。L. tropica は人獣共通感染性であることが報告されており、パキスタンでは
野生齧歯類と関連しているが、他の哺乳類が保有宿主として作用する可能性
についてはまだ調査が必要である。本研究ではKhyberのCL流行地域で動物か
ら血液試料を採取し、L. tropica の伝播に関与しうる非ヒト哺乳類宿主を調査し
た。パキスタンとアフガニスタンの国境近くに位置するKhyber Pakhtunkhwa州
Khyber部族地区でウシ110頭、ヤギ60匹、ヒツジ25頭、イヌ25匹(ペット、野良
犬)、齧歯類25匹(クマネズミ16匹、ドブネズミ9匹)、計245匹の血液試料を収集
した。これらの試料中のリーシュマニア寄生虫は、PCRを用いて小型環状キネト
プラストDNAの種特異的配列を増幅することによって検出した。L. tropica DNA
は、ウシ11頭、ヤギ6匹、イヌ1匹、計18例(7.35%)の試料で検出された。陽性
動物のうちリーシュマニア症様病変を有していたのは、尾部付近に病変を有す
るウシ1頭と前肢大腿骨内側に病変を有するイヌ1匹だけで、残りは無症状で
あった。ヒツジと齧歯類に陽性動物はいなかった。これまでL. tropica は家畜で
は検出されておらず、本研究は家畜における初めての分子的検出の事例であ
る。本研究はパキスタン全体、特にKhyber地区において、ヒトの所有するウシ、
ヤギ、イヌが人獣共通皮膚リーシュマニア症の伝播における重要な役割を果た
している可能性を示唆している。疾患疫学のより良い理解のために、自然環境
におけるリーシュマニア感染におけるこれらの哺乳動物の役割の調査につい
て、さらなる研究が必要である。
48歳、免疫能力のある肥満男性が、猫に咬傷後広範な軟部組織感染と腱鞘炎
を発症。16S rRNA遺伝子シークエンシング、全ゲノムシークエンス、生化学的プ
ロファイリングにより新しいグロビカテラ種として同定、抗菌薬感受性が決定さ
れた。

25 細菌感染

Emerg Infect Dis.
29(2023)1684-1687

26 細菌感染

【症例】59歳女性
【主訴】発熱、前胸部の発赤・腫脹
【現病歴】20歳代でクローン病と診断されメルカプトプリン、メサラジン、インフリ
キシマブによる治療が開始された。約5年前から在宅中心静脈栄養が必要とな
り、皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート(CVポート)が造設された。受診5
日前、40℃台の発熱が出現し、受診時には右前胸部のCVポート造設部の発
赤、腫脹、熱感を認めたため、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)が疑われ入
院となった。
第71回日本化学療法 【治療経過】血液培養検体の採取およびCVポート/カテーテルの抜去を行った
学会西日本支部総会・ 後、メロペネムの投与を開始した。入院3日目、血液培養およびCVカテーテル
第93回日本感染症学 先端部の好気培養で同一のブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌が検出された。飛
会西日本地方会学術集 行時間型質量分析装置(TOF MS)では菌種の同定が困難であり、16SrRNA遺
会合同学会
伝子解析によりLuteibacter jiangsuensis と同定した。入院6日目、メロペネムの
(2023/11/9MICが>8mg/Lと判明したため、レボフロキサシン(MIC<0.12mg/L)に変更した。
2023/11/11)後研-2
臨床症状は改善を認め、CVポートを再造設し、入院18日目に自宅退院となっ
た。
【考察】L. jiangsuensis は2011年中国の農薬工場の土壌より初めて検出された
が、我々の知る限りこれまでに人への感染例は報告されていない。Luteibacter
属は緑膿菌と同じGarnmaproteobacteria 網に属するグラム陰性好気性桿菌で
ある。Luteibacter 属によるヒトへの感染報告は本症例を除き2例のみ確認で
き、1例は免疫不全患者のCRBSI症例であったが、本症例のような薬剤耐性傾
向は認めなかった。本菌の病原性や薬剤耐性機構はいまだ不明なため、さらな
る微生物学的解析や症例報告の収集が必要である。

9 / 12