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【資料1ー7】個別医薬品に対する対応 (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24780.html
出典情報 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第6回 3/25)《厚生労働省》
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別添

2021 年 12 月 24 日

日本てんかん学会
カルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウム供給不安定状態に関する提言

一般社団法人 日本てんかん学会 理事長 川合謙介
薬事委員会委員長 松本理器
昨年末以降、様々なジェネリック医薬品の供給体制が問題となっておりますが、抗てん
かん薬であるカルバマゼピン(CBZ)とバルプロ酸ナトリウム(VPA)についても製造販売業
者が出荷調整や一部の剤形の供給停止を行っており、地域や薬局によって入手が困難な状
況となっています。日本てんかん学会では厚生労働省や各製造販売業者から情報を収集
し、業者には事態の改善を強く要望し、また、会員を対象に本年 10 月 25 日付けで状況悪
化防止に向けた方策について依頼してきたところです。さらに厚生労働省および各製造販
売業者による取り組みも行われていますが、明らかな状況の改善には至っていません。
CBZ および VPA は、それぞれ焦点てんかんおよび全般てんかんの第一選択薬と位置付
けられており、適切なてんかん診療には欠くことのできない薬剤です。さらなる状況の悪
化を避けるべく、各製造販売業者には一刻も早い事態の改善を強く要望するとともに、両
薬剤の安定供給が回復するまでの対応策として、てんかん診療に関わる国内の医療関係者
に以下を提言します。
1)カルバマゼピン(CBZ)とバルプロ酸ナトリウム(VPA)によって発作が抑制されている
患者を最優先として、同薬剤の継続を考慮して下さい。
2)CBZ、VPA によって発作が抑制されている患者では、先発薬・後発薬の切り替えや剤
形の変更は血中濃度の変化によって発作の再発や副作用の発現を誘発するおそれがあ
り、原則として推奨されません 1)。不安定な薬剤供給状況により変更を考慮せざるを
得ない場合は、患者・家族への十分な情報提供と同意取得をお願いします。
3)新たに抗てんかん薬を開始する場合には、CBZ、VPA 以外の薬剤も検討して下さい。
薬剤選択においては、ガイドライン 2)や日本てんかん学会専門医 3)の意見を参考にし
て下さい。
4)CBZ、VPA はもとより代替の抗てんかん薬の必要以上の確保・購入は控えて下さい。
5)CBZ、VPA を処方する場合は、患者の不利益にならない範囲で可能な限り長期処方を
避けることも検討して下さい。
1) 日本神経学会監修、「てんかん診療ガイドライン」作成委員会編集「てんかん診療ガイドライン 2018」
医学書院、2018. P38
2) 同上. P25-51
3) 日本てんかん学会専門医名簿. https://square.umin.ac.jp/jes/senmon/senmon-list.html

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