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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[476KB] (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44308.html |
出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和6年度第2回 10/24)《厚生労働省》 |
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令和6年10月24日
令和6年度第2回
感染症定期報告感染症別文献一覧表(2024/4/1~2024/7/31)
医薬品等安全対策部会
資料 4-1
ID
感染症(PT)
出典
概要
1 インフルエンザ
米国においてヒト1例が検査で高病原性トリインフルエンザ(HPAI)A(H5N1)ウイルス陽性であったこ
とが、Texasから報告され、米国疾病予防管理センター(CDC)により確認された。本例はTexasにお
いてHPAI A(H5N1)ウイルスに感染したと推定された乳牛に接触した。
本例は、米国において検査でインフルエンザA(H5N1)ウイルス陽性と報告された2例目のヒト症例で
ある。過去のヒト症例1例は2022年にColoradoで発生した。CDCは、2021年後半にアウトブレイクが
CDCホームページ.
米国の野鳥及び家禽において初めて検出されて以降、H5ウイルスに感染した複数のトリに接触した
https://www.cdc.gov/ 複数のヒトの疾患を監視してきた。
media/releases/2024/p 複数の乳牛におけるHPAIは、2024年3月25日に米国農務省(USDA)によりTexas及びKansasで初め
0401-avian-flu.html
て報告された。Kansasの2つの酪農場及びTexasの1つの酪農場から採取された罹患したウシからの
低温殺菌処理されていない牛乳と、Texasの別の酪農場においてウシ1例から採取された咽頭スワ
ブが、検査で遺伝的クレード2.3.4.4bのHPAI A(H5)ウイルス陽性であり、これは、世界中のトリにお
いて蔓延しているクレードと同一である。
2024年3月29日、USDAのNational Veterinary Services Laboratoriesは、最近Texasから複数のウシ
を受け入れたMichiganの乳牛群においてHPAIを確認したことなどについて記載。
2 インフルエンザ
J Med Virol.
94(2022)2855-2859
インフルエンザDウイルスは、2011年に米国で呼吸器疾患の症状を呈するブタから初めて分離され
た。ヒトにおける、さらに獣医師などの特定のターゲットグループにおける血清有病率については、
ほとんど知られていない。本研究では、2004年に採取されたイタリアの獣医師集団の血清サンプル
を用いて、赤血球凝集抑制(HI)アッセイで検査を行った。獣医師は、ブタ及び養豚場の密度が最も
高い地域である北イタリア及び中央イタリアに勤務していた。検査の結果、4検体がinfluenza
D/bovine/Oklahoma/660/2013株(D660株)に対してHI陽性を示し、そのうち2検体はinfluenza
D/swine/Italy/199724/2015株(DOK株)に対しても陽性を示した。本研究により、遅くとも2004年の
時点で、イタリアにD型インフルエンザウイルスが循環及び導入されていた可能性が示唆された。
3 インフルエンザ
USDA APHIS.
https://www.aphis.usda USDA、米FDA、CDC、州の獣医師、公衆衛生当局は、Texas、Kansas、New Mexicoの主に高齢の乳
.gov/news/agency牛における疾患を調査している。2024年3月25日時点で、Kansas(2農場)とTexas(1農場)の酪農場
announcements/federal から採取された、罹患したウシの低温殺菌されていない乳の臨床サンプルと、Texasの別の酪農場
-state-veterinaryから採取された口腔咽頭スワブが、HPAIの検査に陽性を示した。これらの農場も同敷地内で死亡し
public-healthた野鳥を見つけたと報告したため、追加検査が2024年3月22日と同週末にかけて開始された。Texas
agencies-shareの検査結果によると、これらの検出は、野鳥から持ち込まれたと考えられたことなどについて記載。
update-hpai
4 インフルエンザ
米国では、人獣共通感染症の新型インフルエンザAウイルス(IAV)伝播事例の大部分は、農業フェ
アでのブタへの接触に関連して発生している。本研究では、2013~2015年に展示用のブタから採取
した272のIAV分離株及びヒト宿主から採取した23のA(H3N2)vウイルスの全ゲノム配列を用いて系
統解析を実施し、展示用のブタにおけるIAVの疫学とその後のヒトへの伝播を調査した。67件のフェ
ア(24.2%)で少なくとも1頭のブタがIAV陽性となり、全体の推定有病率は8.9%(95%CI:8.3~9.6、
Clopper-Pearson法)であった。同時期に、ブタのIAV調査とは別に、Illinois州、Indiana州、Iowa州、
Michigan州、Ohio州、New Jersey州及びMinnesota州でA(H3N2)vウイルスに感染したヒト症例が報
告された。25例のA(H3)変異例のうち、10例(40%)はブタの調査を実施した4件の農業フェアで報告
された。そのうちの3件では少なくとも1頭のブタが陽性であり、ブタが陽性であった3件のフェアのうち
2件ではブタとヒトで同じ遺伝子型であった。3年間を通じて、ほとんどのフェアでブタから分離された
A(H3)遺伝子型は、ヒトにおける変異型IAV症例も引き起こした。Spearmanの相関係数によると、特
定の遺伝子型が見つかったフェアの数と、同じ遺伝子型のヒト症例数との間に正の相関関係がある
ことが示された(ρ=0.67;p=0.0023)。A(H3N2)v分離株の塩基配列と、同じ年のフェアの展示ブタか
ら分離されたIAV塩基配列の系統解析では、緊密なクラスタリングが示された。すべてのA(H3N2)v
ウイルス分離株のHAセグメントは、3.1990.4.1及び3.1990.4.2系統(クラスターIV A及びBサブクラス
ター)に含まれた。各年のA(H3N2)vウイルス分離株は、それぞれの年の展示ブタのIAV分離株と非
常に高い遺伝的類似性を示した。これらのデータは、ブタ由来のIAVの複数の遺伝子型がヒトに感染
していること、並びに特定の年に展示用のブタで広く蔓延しているIAV遺伝子型が変異型IAVのヒト
症例で最も頻繁に検出される株でもあることを示している。
Zoonoses Public
Health. 71(2024)281293
Vector Borne and
5 ウイルス性脳炎 Zoonotic Diseases.
22(2022)391-396
中国における仮性狂犬病ウイルス(PRV)脳炎に関する、症例報告とシステマティックレビュー。
【症例報告】43歳の男性が発熱、気分異常があり、入院。入院36日前から発熱と四肢の震え、入院
35日前にはのたうつような手足の動き、眼球偏位、尿失禁、意識喪失を呈した。病原体検出により、
脳脊髄液にPRV感染が認められ、てんかん重積状態のウイルス性脳炎と診断された。患者が飼育
していたブタの大部分は、患者が発症する30日前に死亡しており、死亡は1~2日の間であった。ま
た、ブタ発症前には多数のアヒルが死んでいた。
【システマティックレビュー】選択基準を満たした12人のPRV脳炎患者(本症例を含む)は、ブタと密接
に関連した職業に従事していた。豚肉の最大の生産国及び消費国である中国において、養豚業界
は徐々にPRV感染の脅威にさらされている。
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令和6年度第2回
感染症定期報告感染症別文献一覧表(2024/4/1~2024/7/31)
医薬品等安全対策部会
資料 4-1
ID
感染症(PT)
出典
概要
1 インフルエンザ
米国においてヒト1例が検査で高病原性トリインフルエンザ(HPAI)A(H5N1)ウイルス陽性であったこ
とが、Texasから報告され、米国疾病予防管理センター(CDC)により確認された。本例はTexasにお
いてHPAI A(H5N1)ウイルスに感染したと推定された乳牛に接触した。
本例は、米国において検査でインフルエンザA(H5N1)ウイルス陽性と報告された2例目のヒト症例で
ある。過去のヒト症例1例は2022年にColoradoで発生した。CDCは、2021年後半にアウトブレイクが
CDCホームページ.
米国の野鳥及び家禽において初めて検出されて以降、H5ウイルスに感染した複数のトリに接触した
https://www.cdc.gov/ 複数のヒトの疾患を監視してきた。
media/releases/2024/p 複数の乳牛におけるHPAIは、2024年3月25日に米国農務省(USDA)によりTexas及びKansasで初め
0401-avian-flu.html
て報告された。Kansasの2つの酪農場及びTexasの1つの酪農場から採取された罹患したウシからの
低温殺菌処理されていない牛乳と、Texasの別の酪農場においてウシ1例から採取された咽頭スワ
ブが、検査で遺伝的クレード2.3.4.4bのHPAI A(H5)ウイルス陽性であり、これは、世界中のトリにお
いて蔓延しているクレードと同一である。
2024年3月29日、USDAのNational Veterinary Services Laboratoriesは、最近Texasから複数のウシ
を受け入れたMichiganの乳牛群においてHPAIを確認したことなどについて記載。
2 インフルエンザ
J Med Virol.
94(2022)2855-2859
インフルエンザDウイルスは、2011年に米国で呼吸器疾患の症状を呈するブタから初めて分離され
た。ヒトにおける、さらに獣医師などの特定のターゲットグループにおける血清有病率については、
ほとんど知られていない。本研究では、2004年に採取されたイタリアの獣医師集団の血清サンプル
を用いて、赤血球凝集抑制(HI)アッセイで検査を行った。獣医師は、ブタ及び養豚場の密度が最も
高い地域である北イタリア及び中央イタリアに勤務していた。検査の結果、4検体がinfluenza
D/bovine/Oklahoma/660/2013株(D660株)に対してHI陽性を示し、そのうち2検体はinfluenza
D/swine/Italy/199724/2015株(DOK株)に対しても陽性を示した。本研究により、遅くとも2004年の
時点で、イタリアにD型インフルエンザウイルスが循環及び導入されていた可能性が示唆された。
3 インフルエンザ
USDA APHIS.
https://www.aphis.usda USDA、米FDA、CDC、州の獣医師、公衆衛生当局は、Texas、Kansas、New Mexicoの主に高齢の乳
.gov/news/agency牛における疾患を調査している。2024年3月25日時点で、Kansas(2農場)とTexas(1農場)の酪農場
announcements/federal から採取された、罹患したウシの低温殺菌されていない乳の臨床サンプルと、Texasの別の酪農場
-state-veterinaryから採取された口腔咽頭スワブが、HPAIの検査に陽性を示した。これらの農場も同敷地内で死亡し
public-healthた野鳥を見つけたと報告したため、追加検査が2024年3月22日と同週末にかけて開始された。Texas
agencies-shareの検査結果によると、これらの検出は、野鳥から持ち込まれたと考えられたことなどについて記載。
update-hpai
4 インフルエンザ
米国では、人獣共通感染症の新型インフルエンザAウイルス(IAV)伝播事例の大部分は、農業フェ
アでのブタへの接触に関連して発生している。本研究では、2013~2015年に展示用のブタから採取
した272のIAV分離株及びヒト宿主から採取した23のA(H3N2)vウイルスの全ゲノム配列を用いて系
統解析を実施し、展示用のブタにおけるIAVの疫学とその後のヒトへの伝播を調査した。67件のフェ
ア(24.2%)で少なくとも1頭のブタがIAV陽性となり、全体の推定有病率は8.9%(95%CI:8.3~9.6、
Clopper-Pearson法)であった。同時期に、ブタのIAV調査とは別に、Illinois州、Indiana州、Iowa州、
Michigan州、Ohio州、New Jersey州及びMinnesota州でA(H3N2)vウイルスに感染したヒト症例が報
告された。25例のA(H3)変異例のうち、10例(40%)はブタの調査を実施した4件の農業フェアで報告
された。そのうちの3件では少なくとも1頭のブタが陽性であり、ブタが陽性であった3件のフェアのうち
2件ではブタとヒトで同じ遺伝子型であった。3年間を通じて、ほとんどのフェアでブタから分離された
A(H3)遺伝子型は、ヒトにおける変異型IAV症例も引き起こした。Spearmanの相関係数によると、特
定の遺伝子型が見つかったフェアの数と、同じ遺伝子型のヒト症例数との間に正の相関関係がある
ことが示された(ρ=0.67;p=0.0023)。A(H3N2)v分離株の塩基配列と、同じ年のフェアの展示ブタか
ら分離されたIAV塩基配列の系統解析では、緊密なクラスタリングが示された。すべてのA(H3N2)v
ウイルス分離株のHAセグメントは、3.1990.4.1及び3.1990.4.2系統(クラスターIV A及びBサブクラス
ター)に含まれた。各年のA(H3N2)vウイルス分離株は、それぞれの年の展示ブタのIAV分離株と非
常に高い遺伝的類似性を示した。これらのデータは、ブタ由来のIAVの複数の遺伝子型がヒトに感染
していること、並びに特定の年に展示用のブタで広く蔓延しているIAV遺伝子型が変異型IAVのヒト
症例で最も頻繁に検出される株でもあることを示している。
Zoonoses Public
Health. 71(2024)281293
Vector Borne and
5 ウイルス性脳炎 Zoonotic Diseases.
22(2022)391-396
中国における仮性狂犬病ウイルス(PRV)脳炎に関する、症例報告とシステマティックレビュー。
【症例報告】43歳の男性が発熱、気分異常があり、入院。入院36日前から発熱と四肢の震え、入院
35日前にはのたうつような手足の動き、眼球偏位、尿失禁、意識喪失を呈した。病原体検出により、
脳脊髄液にPRV感染が認められ、てんかん重積状態のウイルス性脳炎と診断された。患者が飼育
していたブタの大部分は、患者が発症する30日前に死亡しており、死亡は1~2日の間であった。ま
た、ブタ発症前には多数のアヒルが死んでいた。
【システマティックレビュー】選択基準を満たした12人のPRV脳炎患者(本症例を含む)は、ブタと密接
に関連した職業に従事していた。豚肉の最大の生産国及び消費国である中国において、養豚業界
は徐々にPRV感染の脅威にさらされている。
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