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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[476KB] (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44308.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和6年度第2回 10/24)《厚生労働省》
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ID

感染症(PT)

9

出典

概要

クロイツフェルト・ JAMA Neurol.
ヤコブ病
81(2024)195-197

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は急速に進行し、普遍的に致死的なプリオン病である。米国における研究で
は、Holman等の報告によるとCJDの発生率は1979年から2006年にかけては安定していたとされるが、近年の傾
向については記述されていない。CJDのうち、孤発性CJDは最も一般的な型であり、高齢患者での罹患率が高
い。我々は、CJDの最近の米国での傾向をよりよく理解するために、2007年から2020年までの死亡診断書データ
を調査した。
【方法】このcross-sectional studyはthe Wide-Ranging Online Data for Epidemiologic Research multiple cause of
death databaseのデータを使用して行った。2007年から2020年までのICD-10コードA81.0の死亡診断書を調査
し、CJD罹患率と年齢・性別分布を調べた。死亡率サーベイランスデータベースの制限により、患者レベルの人
口統計学的情報は収集できなかった。JoinpointRegression Program, version 4.9.1.0(National Cancer Institute)
を用いて、inflection pointsと平均年間変化率(AAPC)を使用し特徴を明らかにした。Stata, version 18.0(Stata
Corp LLC)を用いて、調査期間中のコホートの変化についてt検定を行い、両側検定P<0.05を有意とした。
【結果】2007~2020年にかけてCJDの罹患率は上昇していた。(総計5882例;女性3009[51.2%]、男性[48.8%])。
男性では2007年において100万人中死亡155例、罹患率1.05(95%CI:0.88~1.21)であったが、2020年では100万
人当たり死亡238例、罹患率1.47(95%CI:1.28~1.65)であった(P=0.001)。女性では増加率がより大きく、2007
年において100万人中死亡162例、罹患率1.06(95%CI:0.89~1.22)から、2020年では100万人当たり死亡264
例、罹患率1.58(95%CI:1.39~1.77)であった(P=0.001)。年齢調整後、罹患率の増加は男性では有意ではな
かった(100万人当たり1.06[95%CI:0.89~1.23]から1.19[95%CI:1.04~1.35];P=0.25)。一方、女性では有意で
あった(100万人当たり0.92[95% CI:0.78~1.06]から1.12[95% CI:0.99~1.26];P=0.045)。個々の年齢群では、
罹患率が最も増加したのは75~84歳であったが、この所見は男性では有意ではなかった(100万人当たり3.50
[95%CI:2.65~4.55]から7.48[95%CI:5.62~9.75];P=0.18)。また、女性においても有意ではなかった(100万人
当たり3.38[95%CI:2.21~4.95]から5.20[95%CI:3.84~6.90];P=0.07)。Joinpoint解析では、男性(AAPC:2.9
[95%CI:2.3~3.6];P<0.001)及び女性(AAPC:3.5[95%CI:2.2~4.7];P<0.001)の粗発生率が有意に増加した。
粗発生率は年齢調整後に減少したが、男女とも有意なままであった(AAPC:男性0.8[95%CI:0.1~1.5];
P=0.02、女性1.9[95%CI:0.6~3.2];P=0.005)。男性で有意な増加がみられたのは55~64歳の年齢層のみで
あったが、女性では全ての年齢層で有意な増加がみられた。
【考察】今回の調査結果から、CJDの発症率は大幅に上昇しており、高齢者と女性に偏って発症していることが
わかった。これらの傾向は日本のデータと一致しており、人口動態の変化が影響している可能性がある。しかし、
今回の知見は、磁気共鳴画像やreal-time quaking-induced conversion法といった新しい診断ツールによるCJD
発見の改善を反映している可能性もある。この研究は、CJD発症率の推定を死亡診断書データに依存している
ため、限界がある。Davanipour等の研究はこの方法を支持しているが、このようなデータはコーディングの誤りや
誤診の可能性がある。神経病理学的検査と遺伝子検査の両方から得られた結果は、死亡診断書データを補完
し、サーベイランスを強化する可能性がある。この調査結果は、CJDの様相の変化を強調するものであり、高齢
化する米国人口のモニタリングの必要性を示唆するものである。

ProMED-mail
20231008.8712514

問題点:ジフテリアを引き起こす可能性がある新種のCorynebacteria 属菌によるヒト感染が確認され
た。
【概要】新たにヒトにおいて感染することが認められた感染症に関する報告。パスツール研究所の
チームがジフテリアを引き起こす可能性のあるCorynebacterium 科の新種の細菌について報告し
た。ジフテリアは細菌であるCorynebacterium diphtheriae によって引き起こされることが最も多いが、
パスツール研究所の研究者らは本疾患を引き起こす可能性のある新しい細菌種を同定し、
Corynebacterium ramonii と名付けた。本細菌種は以前、同じくジフテリアを引き起こす別の細菌であ
るCorynebacterium ulcerans と混同されていた。本研究所のジフテリアに関するBiodiversity and
epidemiology of pathogenic bacteria及び国立リファレンスセンターの責任者は、「本細菌種は新興
種ではなく、新たに特徴付けられた種でありC. ulcerans とは遺伝的に異なるが、1950年に遡ると本
細菌種による感染記録がある。」と述べる。細菌種の分類学を特定することでより良い監視が可能と
なる。「本細菌種は動物から伝染するC. ulcerans とは異なり、ヒトからヒトに感染する可能性が疑わ
れ、混同される種である。」と本新種の解析の主導者は説明する。本細菌の発生は稀であるが、潜
在的な出現を防ぐために同定可能にすることが重要である。「C. ramonii が生成するジフテリア毒素
はジフテリアワクチンが目的とするものに非常に近く、ジフテリア毒素の保護によりC. ramonii にも効
果がある。同一の理由により、科学者がC. ramonii 感染が通常のジフテリアと異なる症状を引き起こ
すと考える理由はほとんどなく、抗生物質に対する耐性を示さないようである。」と研究者らは述べ
る。C. diphtheriae 種複合体はC. ulcerans 、複数の動物種由来の人畜共通病原体を含む7種の細菌
種からなる。本研究では2系統のC. ulcerans に属する表現型及び遺伝子型分離株を特徴づけてい
る。in silico DNA-DNAハイブリダイゼーション及びMALDI-TOFスペクトルによる系統解析の結果
は、C. ulcerans 系統2を系統1から区別し、その明確な流行動態(おそらくヒト-ヒト対動物-ヒト)ととも
に系統2が個別のCorynebacterium 種であることを示している。

Acta tropica.
227(2022)106297

インドネシア・バリ島における無鉤条虫防除対策の実施における調査結果と歴史的概要についての
内容。2019年にクブ州で糞便検体検査を介してスクリーニングした108人のうち、3例のTaenia
solium (T.solium ) taeniasis(2.8%)が同定された。2011~2016年に実施された調査結果と比較し
て、条虫症有病率に統計的有意差はみとめられなかった。2019年にクブ州で血清学的検査を行った
ヒト110人及びブタ140頭のうち、嚢虫症の症例は確認されなかった。これは、2011~2016年のヒトの
血清有病率が4.1%、2011~2013年のブタの血清有病率が13.1%であったこととは対照的である。直
近の過去10年間にわたり、小学生を対象とした健康教育に加えて、食前と排便後の手洗いに重点を
置くなど、改善された飲料水と衛生システムが採用されている。広範囲にわたる健康教育プログラム
にもかかわらず、所見から、流行地域では食品調理や食習慣にほとんど変化がなく、ブタからヒトへ
のT.solium の伝播はコントロール前のレベルのままで継続していることが示されている。

PLoS Negl Trop Dis.
15(2021)e0009234

通常、T.solium cysticercosisは、中間宿主としてブタ、最終宿主としてヒトが関与しており、十分に加
熱調理をされていない感染したブタを摂取することにより、T. solium 感染が引き起こされる。本研究
では、ブルキナファソにおいて、豚肉の調理不足によるT. solium 曝露に関連したヒト感染率と、環境
中のT. solium の虫卵への曝露に関連したヒト感染率を比較するための事後分布が得られた。ブル
キナファソでは豚肉調理への介入や衛生プログラムにより、ヒト、ブタのT. solium の虫卵の曝露及び
豚肉の加熱調理不足が減少し、ヒトにおけるT. solium 有病率の低下がみられた。

10 ジフテリア

11 テニア症

12 テニア症

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