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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[476KB] (11 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44308.html |
出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和6年度第2回 10/24)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
出典
概要
鳥インフルエン
ザ
問題点:米国において、ウシからヒトへの初めての鳥インフルエンザA(H5N1)感染が確認された。
【概要】ウシからヒトへの感染が新たに判明した感染症に関する報告。2024年4月2日、CDCは、HPAI
A(H5N1)ウイルスに感染したことが確認されたテキサス州の患者1例から採取した検体において同
定されたインフルエンザウイルスのゲノムの配列決定を実施し、これらをウシ、野鳥及び家禽の
HPAI A(H5N1)配列と比較した。患者は呼吸器症状及び他の症状を伴わない結膜炎のみを報告し
CDCホームペー
たことから、鼻咽頭検体で検出されたウイルスRNA濃度が低下した可能性があり、患者に呼吸器感
ジ.https://www.cdc.gov 染がないことが示唆された。患者検体由来のウイルス配列はHAクレード2.3.4.4b HPAI A(H5N1)で
/flu/avianflu/spotlights あり、個々の遺伝子断片はテキサス州の乳牛から検出されたウイルスと密接に関連していることが
/2023-2024/h5n1判明した。遺伝子型はB3.13に分類され、テキサス州のウシで検出されたウイルスに対して米国農務
analysis-texas.htm
省が特徴付けた同一の遺伝子型と一致した。2023年11月以降、米国では本遺伝子型を有するその
他のウイルスが野鳥、家禽及び1例のスカンクから散発的に検出されている。ヒト分離株のゲノムに
おいて、哺乳類の宿主へのウイルス適応に関連することが知られている1つの変化(PB2 E627K)が
認められた。この変化は、HPAI A(H5N1)ウイルス及び他の鳥インフルエンザ亜型(例:H7N9)に感
染したヒト並びに他の哺乳類で以前にも検出されているが、ヒトへの伝播の証拠はない。ウイルスは
感染後に複製される際に宿主内で変化する可能性がある。
鳥インフルエン
49
ザ
米国で鳥インフルエンザ(H5N1ウイルス)が鳥類・哺乳類で広まっており、テキサス州において、乳
牛と接触した農場労働者1名が感染した。感染者は結膜炎を発症し、抗インフルエンザウイルス薬に
よる治療を受けた。CDCは、一般市民での感染リスクは低いが、結膜炎や急性呼吸器症状を示し、
発症の前にトリや家畜などと接触した可能性がある場合、H5N1への感染を考慮すべきであると呼び
かけている。
48
50
51
52
JAMA. 331(2024)1615
鳥インフルエン
ザ
米国8州の農場で鳥インフルエンザ(H5N1ウイルス)のウシ感染とヒト1名での感染が報告され、ウシ
からヒトへの感染拡大が懸念されている。保健当局は、一般市民への感染リスクは現時点では低い
が、状況変化によりリスクが高まることを警戒しており、ワクチンや抗ウイルス薬、診断キットの開
発、感染経路に関する研究等が行われている。CDCによると、テキサス州における感染者(酪農従
Nature. 628(2024)484事者)1例は現在回復中であり、眼の炎症が見受けられる一方、鼻におけるウイルスレベルは低く、
485
呼吸器感染症には感染していないことが示唆された。本ウイルスは鼻や口の内側を覆う細胞には容
易に侵入できないこともあり、現在ヒトでは広く蔓延していないが、ウイルスの変異によるヒトへの感
染拡大が懸念されている。著者は、ウシ間でのウイルス伝播方法やワクチン等の感染拡大の制御
方法を解明する重要性を強調し、継続的なモニタリングと研究が必要であると述べている。
鳥インフルエン
ザ
H5N1鳥インフルエンザ(H5N1ウイルス)がトリとウシの間で広がっており、感染したウシはヒトへの感
染源となる恐れがある。感染したウシの症状は軽く、重症化したり死亡したりすることはないため、感
染を検出するのは困難である。また、ウシは多数存在し、ヒトとの接触も多いため、最悪の宿主にな
Nature. 629(2024)515りうる。ウイルスの拡散経路や最善の対策は未だ不明であり、感染したウシの検査とワクチン接種、
516
農場労働者やその家族への検査の重要性が強調されている。今後、H5N1ウイルスが複数の生物
種において蔓延し、パンデミックを引き起こすことを防ぐためには、早期のウイルス検出と対策が必
要である。
鳥インフルエン
ザ
問題点:中国において鳥インフルエンザA(H10N5)ウイルスによる初めてのヒト感染例が確認され
た。
【概要】新たにヒトにおいて感染することが認められた感染症に関する報告。2024年1月31日、保険
省のCentre for Health Protection(CHP)は、中国本土浙江省において鳥インフルエンザA(H10N5)
及びインフルエンザA(H3N2)に重複感染したヒトの症例を注意深くモニタリングしており、現地並び
に旅行中の双方において個人、食品及び環境の衛生を厳格に維持するよう国民に再度呼びかけ
た。症例は基礎疾患を有する63歳女性であり、2023年11月30日に症状が発現し、2023年12月2日に
治療のため入院した。2023年12月16日に患者は死亡した。患者の濃厚接触者は医学的監視期間中
に異常を示さなかった。国家疾病予防管理局の情報によると、遺伝子解析の結果、H10N5ウイルス
の遺伝子はトリ由来であることが判明した。一方、H10N5ウイルスのヒトへの感染リスクは低く、ヒト
からヒトへの感染は確認されていない。「H10N5を含むすべての新型インフルエンザA感染症は、香
港では届出対象の感染症である」とCHPの広報担当者は述べた。中国本土や他の感染地域への渡
航者は湿った市場、生きた家禽の市場又は農場への訪問を避けなければならない。親戚や友人を
訪問する際には、裏庭の家禽の存在に注意する必要がある。また、生きた家禽又は屠殺されたばか
りの家禽を購入することを避け、家禽、トリ又はその糞に触れることも避ける必要がある。生きた家
禽がいる場所を訪れる際には、個人衛生及び手指衛生を厳守すべきである。感染地域から帰国し
た渡航者は症状が発現した際には速やかに医師の診察を受けるべきであり、潜在的疾患の迅速な
診断及び治療のために、渡航歴を医師に報告すべきである。渡航中の生きた家禽への接触歴(これ
は汚染された環境への曝露の可能性があることを意味する)の有無を医師に報告することが不可欠
である。これにより、医師は鳥インフルエンザの可能性を評価し、必要な検査及び適切な治療を適時
に手配することが可能である。現地での監視、予防及び管理措置が実施されている間、CHPは引き
続き警戒を怠らず、WHO及び関連保健当局と緊密に協力して最新の動向を監視する。
ProMED-mail
20240201.8714594
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感染症(PT)
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概要
鳥インフルエン
ザ
問題点:米国において、ウシからヒトへの初めての鳥インフルエンザA(H5N1)感染が確認された。
【概要】ウシからヒトへの感染が新たに判明した感染症に関する報告。2024年4月2日、CDCは、HPAI
A(H5N1)ウイルスに感染したことが確認されたテキサス州の患者1例から採取した検体において同
定されたインフルエンザウイルスのゲノムの配列決定を実施し、これらをウシ、野鳥及び家禽の
HPAI A(H5N1)配列と比較した。患者は呼吸器症状及び他の症状を伴わない結膜炎のみを報告し
CDCホームペー
たことから、鼻咽頭検体で検出されたウイルスRNA濃度が低下した可能性があり、患者に呼吸器感
ジ.https://www.cdc.gov 染がないことが示唆された。患者検体由来のウイルス配列はHAクレード2.3.4.4b HPAI A(H5N1)で
/flu/avianflu/spotlights あり、個々の遺伝子断片はテキサス州の乳牛から検出されたウイルスと密接に関連していることが
/2023-2024/h5n1判明した。遺伝子型はB3.13に分類され、テキサス州のウシで検出されたウイルスに対して米国農務
analysis-texas.htm
省が特徴付けた同一の遺伝子型と一致した。2023年11月以降、米国では本遺伝子型を有するその
他のウイルスが野鳥、家禽及び1例のスカンクから散発的に検出されている。ヒト分離株のゲノムに
おいて、哺乳類の宿主へのウイルス適応に関連することが知られている1つの変化(PB2 E627K)が
認められた。この変化は、HPAI A(H5N1)ウイルス及び他の鳥インフルエンザ亜型(例:H7N9)に感
染したヒト並びに他の哺乳類で以前にも検出されているが、ヒトへの伝播の証拠はない。ウイルスは
感染後に複製される際に宿主内で変化する可能性がある。
鳥インフルエン
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ザ
米国で鳥インフルエンザ(H5N1ウイルス)が鳥類・哺乳類で広まっており、テキサス州において、乳
牛と接触した農場労働者1名が感染した。感染者は結膜炎を発症し、抗インフルエンザウイルス薬に
よる治療を受けた。CDCは、一般市民での感染リスクは低いが、結膜炎や急性呼吸器症状を示し、
発症の前にトリや家畜などと接触した可能性がある場合、H5N1への感染を考慮すべきであると呼び
かけている。
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JAMA. 331(2024)1615
鳥インフルエン
ザ
米国8州の農場で鳥インフルエンザ(H5N1ウイルス)のウシ感染とヒト1名での感染が報告され、ウシ
からヒトへの感染拡大が懸念されている。保健当局は、一般市民への感染リスクは現時点では低い
が、状況変化によりリスクが高まることを警戒しており、ワクチンや抗ウイルス薬、診断キットの開
発、感染経路に関する研究等が行われている。CDCによると、テキサス州における感染者(酪農従
Nature. 628(2024)484事者)1例は現在回復中であり、眼の炎症が見受けられる一方、鼻におけるウイルスレベルは低く、
485
呼吸器感染症には感染していないことが示唆された。本ウイルスは鼻や口の内側を覆う細胞には容
易に侵入できないこともあり、現在ヒトでは広く蔓延していないが、ウイルスの変異によるヒトへの感
染拡大が懸念されている。著者は、ウシ間でのウイルス伝播方法やワクチン等の感染拡大の制御
方法を解明する重要性を強調し、継続的なモニタリングと研究が必要であると述べている。
鳥インフルエン
ザ
H5N1鳥インフルエンザ(H5N1ウイルス)がトリとウシの間で広がっており、感染したウシはヒトへの感
染源となる恐れがある。感染したウシの症状は軽く、重症化したり死亡したりすることはないため、感
染を検出するのは困難である。また、ウシは多数存在し、ヒトとの接触も多いため、最悪の宿主にな
Nature. 629(2024)515りうる。ウイルスの拡散経路や最善の対策は未だ不明であり、感染したウシの検査とワクチン接種、
516
農場労働者やその家族への検査の重要性が強調されている。今後、H5N1ウイルスが複数の生物
種において蔓延し、パンデミックを引き起こすことを防ぐためには、早期のウイルス検出と対策が必
要である。
鳥インフルエン
ザ
問題点:中国において鳥インフルエンザA(H10N5)ウイルスによる初めてのヒト感染例が確認され
た。
【概要】新たにヒトにおいて感染することが認められた感染症に関する報告。2024年1月31日、保険
省のCentre for Health Protection(CHP)は、中国本土浙江省において鳥インフルエンザA(H10N5)
及びインフルエンザA(H3N2)に重複感染したヒトの症例を注意深くモニタリングしており、現地並び
に旅行中の双方において個人、食品及び環境の衛生を厳格に維持するよう国民に再度呼びかけ
た。症例は基礎疾患を有する63歳女性であり、2023年11月30日に症状が発現し、2023年12月2日に
治療のため入院した。2023年12月16日に患者は死亡した。患者の濃厚接触者は医学的監視期間中
に異常を示さなかった。国家疾病予防管理局の情報によると、遺伝子解析の結果、H10N5ウイルス
の遺伝子はトリ由来であることが判明した。一方、H10N5ウイルスのヒトへの感染リスクは低く、ヒト
からヒトへの感染は確認されていない。「H10N5を含むすべての新型インフルエンザA感染症は、香
港では届出対象の感染症である」とCHPの広報担当者は述べた。中国本土や他の感染地域への渡
航者は湿った市場、生きた家禽の市場又は農場への訪問を避けなければならない。親戚や友人を
訪問する際には、裏庭の家禽の存在に注意する必要がある。また、生きた家禽又は屠殺されたばか
りの家禽を購入することを避け、家禽、トリ又はその糞に触れることも避ける必要がある。生きた家
禽がいる場所を訪れる際には、個人衛生及び手指衛生を厳守すべきである。感染地域から帰国し
た渡航者は症状が発現した際には速やかに医師の診察を受けるべきであり、潜在的疾患の迅速な
診断及び治療のために、渡航歴を医師に報告すべきである。渡航中の生きた家禽への接触歴(これ
は汚染された環境への曝露の可能性があることを意味する)の有無を医師に報告することが不可欠
である。これにより、医師は鳥インフルエンザの可能性を評価し、必要な検査及び適切な治療を適時
に手配することが可能である。現地での監視、予防及び管理措置が実施されている間、CHPは引き
続き警戒を怠らず、WHO及び関連保健当局と緊密に協力して最新の動向を監視する。
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