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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[476KB] (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44308.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和6年度第2回 10/24)《厚生労働省》
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ID

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感染症(PT)

出典

概要

ヒトアナプラズマ Parasitol Int.

97(2023)102790

ダニ媒介性アナプラズマ属の出現は、世界中のヒトと動物に重大な脅威を与えている。血液塗抹の
検査に基づく従来の調査では、出現しつつある病原体の存在を見落としている。本研究は、多様な
地域の家畜種におけるアナプラズマ属を分子ツールでスクリーニングすることを目的とした。2021年
6月から2022年3月にかけて、Jhenaidah県、Bogura県、Sirajganj県、Bandarban県、Naikhongchari郡
において、ウシ(Bos indicus)、ガヤル(Bos frontalis)、ヤギ(Capra hircus)から276の血液検体を採
取した。その後、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による分子スクリーニングを行い、PCRの結果を確認
す る た め に 塩 基 配 列 を 決 定 し た 。 PCR は groEL ( Anaplasma marginale ) と 16S rRNA
(A.phagocytophilum とA.bovis )の解析に基づいて行われた。本研究で検出されたアナプラズマ属菌
は、A. marginale (10.51%)、A. phagocytophilum (0.72%)、 A. bovis (63.77%)であった。しかし、 A.
platys は本研究では検出されなかった。スクリーニングされた病原体のうち、A. bovis (82.86%)の検
出率はBandarban県で有意に高く、A. marginaleは同県のウシからのみ検出された。動物種別では、
A. bovis の発生はウシで有意に高かった。さらに、A. marginale の検出率は成牛(2歳以上)で有意に
高かった。系統解析の結果、 A. marginale のgroEL配列と A. bovis 及び A. phagocytophilum の16S
rRNA配列は、各系統樹において単一クレードに含まれ、バングラデシュではそれぞれ単一の遺伝子
型が循環していることを示した。本研究により、バングラデシュにおけるA. phagocytophilum の存在
が初めて報告された。

ブラストシスティ Microbiol Spectr.
ス感染
9(2021)e0036221

本研究では、タイ東部の農業地域の人々を対象に、ブラストシスチスの潜在的な感染源について検
討した。その結果、ブラストシスチス感染は開放型養豚場システムと関連していることが判明した。
遺伝学的解析の結果、タイ東部の地域社会では、少なくとも5つの亜型が分布しており、住民の間で
ブラストシスチス属菌ST1が人獣共通感染症として伝播していることが示された。
2018年1月、902人の参加者が本研究に登録され、745の便サンプルが採取された。ブラストシスチス
感染の全有病率は15.7%(745人中117人)であった。ブラストシスチス感染の有病率は、年齢層
(P<0.01)、職業(P<0.01)、学歴(P=0.03)、及び異なる村に居住する参加者間(P=0.01)で有意に異
なっていた。本コミュニティにおけるブラストシスチス感染のリスク関連性を単変量解析した結果、40
~49歳の中年層(オッズ比[OR]、2.9;95%信頼区間[CI]、1.4~6.0)、Non Sa Ard又はTun Geang村
在住(OR、2.5;95%CI、1.6~3.8)、畜産業従事者(OR、3.9;95%CI、2.4~6.2)、ブタの飼育・繁殖及
び養豚(OR、6.6;95%CI、4.3~10.2)はブラストシスチス感染症のリスクが高かったが、農業に従事し
ていない者(OR、0.5;95%CI、0.3~0.8)及び排便後の手洗い(OR、0.5;95%CI、0.3~0.7)は感染リ
スクが低かった。多変量解析の結果、Non Sa Ard村(Moo 11)又はTun Geang村(Moo 18)に居住す
る参加者は、そうでない参加者に比べ、ブラストシスチス感染症のリスクが1.9倍(95%CI、1.2~2.9)
高く、家畜としてブタを飼育・繁殖している参加者は、そうでない参加者に比べ、ブラストシスチス感
染症のリスクが5.4倍(95%CI、3.4~8.5)高かった。
結論として、混合感染と非制限的分布が一般的であったタイ東部の持続的再感染コミュニティにおい
て、ブラストシスチスの人獣共通感染源となる可能性が示された。ST1は依然として主要な感染原因
のひとつであり、人獣共通感染症のリスク因子であるブタの糞便と関連していたが、その他の主要な
ST3及び軽微なST5、ST6、ST7の感染源は不明であった。ST1のブラストシスチスの遺伝的背景がヒ
トと動物、及び開放農場で飼育・繁殖されたブタの間で密接に同一であることから、人獣共通感染症
の可能性が強く示唆された。ブタの糞が有機肥料として地域社会に流通していることについては、植
物栽培のための農作業中の接触が、地域社会の人々の間でST1の再感染を引き起こす重要な要因
の1つである可能性がある。したがって、このエビデンスは、特に有機肥料が動物の糞便副産物に依
存している場合、農業地域の人々の腸内ブラストシスチス感染の罹患率を持続的に減少させるため
に、標準的な生産と保護接触を用いて動物の糞便副産物の有機肥料を適切に処理することに注意
を喚起するものである。

ヘリコバクター感 Veterinary research.

53(2022)42

non-Helicobacter ( H. ) pylori Helicobacter species ( NHPH ) で あ る H. suis 、 H. felis 、 H.
bizzozeronii 、H. salomonis 及びH. heilmannii sensu strictoは人獣共通感染である可能性があり、ま
たヒトにおいて臨床的に重要である可能性があることが示されている。NHPHのヒトへの感染は、イ
ヌ、ネコ又はブタとの直接的又は間接的な接触、及び汚染された水の摂取を介して起こることが一般
的に示唆されており、H. suis については、別の感染経路として、汚染された豚肉が含まれる可能性
がある。これらの直接的及び間接的感染は、ヒト及び上述の動物宿主に存在するNHPH株の遺伝的
類似性を証明する分子解析の報告により、立証されている。

Journal of
ヘルペスウイル
NeuroVirology.
ス感染
26(2020)442-448

脳脊髄液中のPRV配列の次世代シーケンスによって診断されたPRV感染によるヒト脳炎の症例報
告。豚肉販売者の男性は、発熱とけいれん発作を起こし、昏睡状態となった。PRV配列の次世代
シーケンスの結果、患者の脳脊髄液及び血液中にPRV配列が示され、サンガー配列決定法の結
果、PRV抗体が陽性であることが示された。また、MRIの結果、両側半球に複数の炎症性病変が明
らかとなり、これらの検査結果より患者はPRV脳炎と診断された。IDSAガイドラインと以前に報告さ
れたPRV脳炎の症例の治療計画に基づき、アシクロビルとデキサメタゾンを用いて治療を行った。治
療1カ月後、患者の意識は徐々に回復し、治療2カ月後、人工呼吸器を外し、退院した。本患者は、
日常的に豚肉や豚肉製品に触れ、頻繁に指を切っていたことにより、生の豚肉から皮膚の損傷を通
じてPRVに感染したと考えられる。ブタのPRV陽性率が高い地域では、感染リスクの高い職業に就い
ている人々のPRV予防に対する意識を高める必要がある。

PRVは、オーエスキー病ウイルス又はSuidヘルペスウイルス1とも呼ばれ、ヘルペスウイルス科内の
アルファヘルペスウイルス亜科の一つである。PRVは主にブタに感染し、新生子豚に致死性脳炎、
成豚に呼吸障害を引き起こす。ヒトはPRVの中間宿主ではないにもかかわらず、近年、PRVによるヒ
Ocular immunology and ト脳炎が報告されている。中国安比省のブタの屠殺業者であった49歳男性が、PRVによるウイルス
ヘルペスウイル
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inflammation.
性脳炎後に両側壊死性網膜炎を発症した。患者が接触した動物が患者の発病前に健康であった
ス感染
29(2021)922-925
か、また、患者が触れた肉がPRVに汚染されていたかは不明である。次世代シークエンシング及び
ポリメラーゼ連鎖反応により、脳脊髄液及び末梢血中のPRVの存在が確認され、免疫学的検査によ
り末梢血中のPRVの存在がさらに検証された。結論として、PRVは、ブタと密接に接触した者の間
で、ウイルス性脳炎に続く両側性壊死性網膜炎を引き起こす可能性があると示唆された。

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