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資料2-9-2 一般社団法人日本医学会連合 健康医療分野におけるビッグデータに関する委員会 御提出資料 (8 ページ)

公開元URL https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2409_04medical/241125/medical03_agenda.html
出典情報 規制改革推進会議 健康・医療・介護ワーキング・グループ(第3回 11/25)《内閣府》
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部は、統計法 33 条により有償で学術研究目的の利用が可能である。
臨床学会主導の疾患別患者レジストリや画像データベース事業
近年は、糖尿病や腎臓病、循環器疾患、その他の複数の疾患領域の臨床学会が主導する多施
設共同の大規模な患者レジストリ 20の構築が活発化している。日本外科学会等が主導する National
Clinical Database(NCD) 21は手術症例データベースで約 5,000 施設が参加し、年間約 150 万症例
が登録されている。また、国立国際医療研究センターと日本糖尿病学会が推進する J-DREAMS(診
療録直結型全国糖尿病データベース事業) 22や日本腎臓学会が主導する J-CKD-DB(慢性腎臓病
患者に関する包括的データベース) 23などのデータ蓄積も積極的に進められている。さらに、CIN は、
効率的な創薬のための環境整備を進めるため、臨床学会やナショナルセンター、大学病院等が構
築する患者レジストリ(疾患登録システム)のネットワーク化を推進している 11。加えて、国立研究開発
法人 日本医療研究開発機構(以下、AMED)の支援により医用画像系の臨床学会が画像 AI 診断
支援を目的に構築したデータベース事業では、日本医学放射線学会(CT、MRI)、日本病理学会
(病理画像)、日本消化器内視鏡学会(内視鏡画像)、日本皮膚科学会(皮膚画像)、日本超音波医
学会(超音波画像)、日本眼科学会(眼底画像)の画像データが集約され、主に AI 研究に用いられ
ている。AMED は画像関連学会連携会議 Japan Excellence of Diagnostic Imaging を設置し、相互の
連携を進めている 24。このように、医療情報に含まれる放射線画像(CT、MRI 等)は国際標準である
DICOM 規格が普及しているが、その一方で、生理検査や内視鏡検査、病理検査等の画像や文書
等については日本では標準化が進んでいない状況である。
海外の健康・医療分野のビッグデータの活用事例
欧州では 1 次利用と 2 次利用の両面で健康・医療分野のデータ利活用の整備が進められており、
参考のために紹介する。また、北欧諸国や米国、中国、台湾等の事例についても紹介する。ただし、
各国の人口や国土面積、情報通信インフラの整備状況、データ利活用に関連する法の定義、国民
性、利活用基盤における 1 次利用と 2 次利用のウェイトの考え方等のあらゆる点に違いがあることに
注意したい。
・欧州(EU 等)
2022 年に欧州において European Health Data Space(以下、EHDS) 25が公表された。欧州では
2018 年に一般データ保護規則 General Data Protection Regulation(以下、GDPR)が施行されたが、
GDPR は EU 加盟国及び EU 域外の対象企業に直接適用される個人情報の保護という基本的人権
の確保を目的としたものである。ヘルスケアデータに関し柔軟な運用ができるよう設計されており、
EU 加盟国間でヘルスケアデータの取扱いや解釈が不均一となり混乱を来した 26。そのため、2020
年に発表された欧州データ戦略における戦略分野の一つにヘルスケアが位置づけられた。その結
果として、加盟国間の不均一な GDPR の実施や解釈・規格の違いを一致させ、患者の権利や本人
確認、違反した場合の罰則やペナルティ、相互運用性やセキュリティを電子カルテシステムの必須

20

科学・臨床あるいは政策決定などを目的として、特定の疾患や状態または曝露などによって定義される集団における特定のアウトカム
を評価するための、統一された方法でデータを収集するシステム。
21
一般社団法人National Clinical Database. 外科系臨床学会. [https://www.ncd.or.jp/(cited 2023.10.27)]
22
診療録直結型全国糖尿病データベース事業. 国立研究開発法人国立国際医療研究センター/日本糖尿病学会.
[https://jdreams.jp/(cited 2023.10.27)]
23
J-CKD-Database我が国における慢性腎臓病患者に関する臨床効果情報の包括的データベースの構築に関する研究. 日本腎臓病
学会.[http://j-ckd-db.jp/(cited 2023.10.27)]
24
2017年度 研究事業成果集 ICTを用いた診療画像データベースを構築. 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構, 2017.
[https://www.amed.go.jp/pr/2017_seikasyu_03-02.html(cited 2023.10.27)]
25
Press Release - European Health Union: A European Health Data Space for people and science. European Commission, 3 May 2022.
[https://cyprus.representation.ec.europa.eu/news/european-health-union-european-health-data-space-people-and-science-2022-0503_en#:~:text=European%20Health%20Union%3A%20A%20European%20Health%20Data%20Space,way%20healthcare%20is%20provided%20to%20people%20acr
oss%20Europe(cited 2023.10.27)]
26

健康・医療・介護情報利活用検討会 介護情報利活用ワーキンググループ(第4回)資料4. 厚生労働省, 令和5年.
[https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/001063479.pdf(cited 2023.10.27)]

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