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○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について参考資料 (13 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html |
出典情報 | 先進医療会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会 6/9)《厚生労働省》 |
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先進医療の名称
<先進医療告示4>
重粒子線治療
適応症
肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な
治療法が可能なものに限る。)
内容
本治療法は、重粒子を重粒子加速器で高速に加速することにより得られた重粒子線を、体外からがん病巣に照
射する治療法である。重粒子線とは、陽子線や、中性子線、重イオン線(炭素イオン線やネオンイオン線など)など
の総称であるが、一部で重イオン線のことを重粒子線と呼び習わしている。この申請書においては、後者をとって、
重イオン線(放医研では炭素イオン線を使用)のことを重粒子線と称する。
重粒子線の特徴は2つある。第1は病巣への線量集中性が高いことで、物質の電子との相互作用により運動エネ
ルギーを消費し、最後に止まる寸前で最大の電離を起こすため、体内で高線量域(ブラッグピーク)を形成する。こ
のピークの深度や幅を調整することにより、がん病巣に選択的に高線量を集中させ、周辺の正常組織の損傷を軽
減させることが可能となる。第2は生物学的効果が高いことで、体内飛跡に沿って発生するイオン密度が深部にいく
ほど高くなるため、ブラッグピーク部分の細胞を殺傷する効果は光子線や陽子線より数倍も大きくなる。このため、
光子線では効果が乏しかった組織型の腫瘍(腺癌系、悪性黒色腫、骨・軟部肉腫など)や、他の組織型でも手術が
困難な進行がんに対して有効性が期待出来る。
重粒子線が本格的にがん治療に用いられるようになったのは、CT利用が可能になった1980年代以降である。こ
れ以前は、重粒子線の有するブラッグピークを病巣に合わせて照射することが困難であったため、深在性あるいは
複雑な形状をした腫瘍に対しては適応外であった。それが、CTの出現により体内の線量分布計算が可能になって
から、層極的にがん治療に用いられるようになった。重粒子線の臨床応用は、1975年に米国のローレンス・バークレ
ー研究所で始まった。ここでは主にネオン線が用いられたが、1992年に装置の老朽化と財政のため臨床試験を終
了するまでの問に、従来法では治癒困難な、唾液線、副鼻腔、骨・軟部、前立腺、胆道などのがんで有効性が示さ
れた。
放医研では、1994年、世界で始めて医療用に開発された重粒子加速器(通称HIMAC)を用いて、重粒子線の安
全性と有効性を知るための臨床試験を開始した。われわれは、各種粒子線の物理・生物学的特徴を比較検討した
結果、炭素イオン線を用いることにしたが、それはこれが治療上最もバランスがとれていると判断したからである。事
実、放医研のこれまでに行われた第Ⅰ/Ⅱ相および第Ⅱ相試験により、従来経では難治性であった種類のがん、
特に、進行度では手術が困難な局所進行がん、部位では脊髄、中枢神経、眼、消化管などの重要器官に隣接した
がん(脳・頭蓋底、頭頚部、肺、肝臓、前立腺、子宮、骨・軟部組織など)、また組織系では腺がん系や、悪性黒色
腫、骨・軟部肉腫などに対して重粒子線が安全かつ有効であるとの成績が得られた。さらに、重粒子線の物理・生
物学的特徴を活かした照射法として、肝癌や肺癌で短期小分割照射絵が有効性であり、これ以外の部位でも従来
法より治療期間を大幅に短縮できることが示された。
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<先進医療告示4>
重粒子線治療
適応症
肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な
治療法が可能なものに限る。)
内容
本治療法は、重粒子を重粒子加速器で高速に加速することにより得られた重粒子線を、体外からがん病巣に照
射する治療法である。重粒子線とは、陽子線や、中性子線、重イオン線(炭素イオン線やネオンイオン線など)など
の総称であるが、一部で重イオン線のことを重粒子線と呼び習わしている。この申請書においては、後者をとって、
重イオン線(放医研では炭素イオン線を使用)のことを重粒子線と称する。
重粒子線の特徴は2つある。第1は病巣への線量集中性が高いことで、物質の電子との相互作用により運動エネ
ルギーを消費し、最後に止まる寸前で最大の電離を起こすため、体内で高線量域(ブラッグピーク)を形成する。こ
のピークの深度や幅を調整することにより、がん病巣に選択的に高線量を集中させ、周辺の正常組織の損傷を軽
減させることが可能となる。第2は生物学的効果が高いことで、体内飛跡に沿って発生するイオン密度が深部にいく
ほど高くなるため、ブラッグピーク部分の細胞を殺傷する効果は光子線や陽子線より数倍も大きくなる。このため、
光子線では効果が乏しかった組織型の腫瘍(腺癌系、悪性黒色腫、骨・軟部肉腫など)や、他の組織型でも手術が
困難な進行がんに対して有効性が期待出来る。
重粒子線が本格的にがん治療に用いられるようになったのは、CT利用が可能になった1980年代以降である。こ
れ以前は、重粒子線の有するブラッグピークを病巣に合わせて照射することが困難であったため、深在性あるいは
複雑な形状をした腫瘍に対しては適応外であった。それが、CTの出現により体内の線量分布計算が可能になって
から、層極的にがん治療に用いられるようになった。重粒子線の臨床応用は、1975年に米国のローレンス・バークレ
ー研究所で始まった。ここでは主にネオン線が用いられたが、1992年に装置の老朽化と財政のため臨床試験を終
了するまでの問に、従来法では治癒困難な、唾液線、副鼻腔、骨・軟部、前立腺、胆道などのがんで有効性が示さ
れた。
放医研では、1994年、世界で始めて医療用に開発された重粒子加速器(通称HIMAC)を用いて、重粒子線の安
全性と有効性を知るための臨床試験を開始した。われわれは、各種粒子線の物理・生物学的特徴を比較検討した
結果、炭素イオン線を用いることにしたが、それはこれが治療上最もバランスがとれていると判断したからである。事
実、放医研のこれまでに行われた第Ⅰ/Ⅱ相および第Ⅱ相試験により、従来経では難治性であった種類のがん、
特に、進行度では手術が困難な局所進行がん、部位では脊髄、中枢神経、眼、消化管などの重要器官に隣接した
がん(脳・頭蓋底、頭頚部、肺、肝臓、前立腺、子宮、骨・軟部組織など)、また組織系では腺がん系や、悪性黒色
腫、骨・軟部肉腫などに対して重粒子線が安全かつ有効であるとの成績が得られた。さらに、重粒子線の物理・生
物学的特徴を活かした照射法として、肝癌や肺癌で短期小分割照射絵が有効性であり、これ以外の部位でも従来
法より治療期間を大幅に短縮できることが示された。
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