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○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について参考資料 (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html
出典情報 先進医療会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会 6/9)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示6>
家族性アルツハイマー病の遺伝子診断

適応症
家族性アルツハイマー病
内容
痴呆症のなかでもっとも頻度が高いのがアルツハイマー病である。常染色体優性遺伝形式をとる家族性アルツハ
イマー病(FAD)のうち原因遺伝子が確立されているのはアミロイド前駆体蛋白(APP)遺伝子、プレセニリン1(PS1)遺
伝子、およびプレセニリン2(PS2)遺伝子である。これら3つの遺伝子に対する診断を先進医療の対象とする。
APP、PS1、およびPS2遺伝子の変異により引き起こされるアルツハイマー病は、20歳代後半から50歳代に発症す
る早発性である場合が多い。さらに遺伝子変異をもつFADでは痴呆症状が非定型的な場合があり、PS1に変異をも
つ症例には進行性失語、ミオクローヌス、全身性けいれん、およびパラトニアが病初期に現れること、痙性対麻痺をと
もなう症例があること、前頭型痴呆の症例があること、さらにAPPに変異をもつ症例にはミオクローヌス様不随意運動、
てんかん発作をともなう場合や、大脳や小脳の反復性出血あるいは梗塞、偏頭痛や、うつ症状、統合失調症といった
精神疾患を呈するなど、遺伝子解析に拠らないと診断がむずかしい場合がある。また、遺伝子変異をもつFADでは
神経病理変化がより強く、進行が速いともされる。このように、アルツハイマー病という同じ病気においても、遺伝的背
景の違いにより異なった病態を示すことが明らかになってきている。
正確な診断をできるだけ早期に行うことは、正しい治療を提供するための第一歩であり、たとえ治療法が確立され
ていない難病であっても、個々の患者ごとに遺伝的背景の差異に基づく病気の特徴を踏まえた予後の推定を可能
にし、将来に向けた療養方針やリハビリ計画を患者やその家族に示すことができるという観点から重要である。

(方法)
遺伝子検査のインフォームドコンセントを書面で取った後、アルツハイマー病患者の血液からDNAを抽出し、DNA
からTherma lCyclerを使って目的の遺伝子のエクソンと近傍のイントロンを含む領域を増幅し、direct Sequence法によ
って遺伝子の塩基配列を決定する。ときには増幅した遺伝子産物をクローニングした後Sequence法を用いる。塩基
直換の確認には制限酵素断片長多型を用いる。なお、発症前診断については、これを行わない。

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