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○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について参考資料 (39 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html
出典情報 先進医療会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会 6/9)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示14>
LDLアフェレシス療法

適応症
難治性高コレステロール血症に伴う重度尿蛋白症状を呈する糖尿病性腎症
内容
(先進性)
糖尿病性腎症は本邦における新規血液透析療法導入の第一位の原因疾患であることから、患者QOL の向上に
加え医療経済への影響軽減の観点から、腎および生命予後の改善は医学的・社会的に喫緊の課題である。とりわ
け、重度尿蛋白を伴うネフローゼ状態の持続は早期に腎機能を低下させ、短期間に末期腎不全に至るリスクを高め
ることが知られている。しかしながら、第一選択薬のステロイド剤は糖尿病性腎症には禁忌であるため炎症に対して
は免疫抑制剤等の選択により代替するが、腎負担との兼合いから、病勢コントロールに難渋することが多い。また、
重度尿蛋白を伴う糖尿病性腎症では高コレステロール血症の合併が多く認められ、LDL コレステロールは糸球体
への脂質沈着による腎障害を引き起こすことから、総合的な治療が重要となる。
かねてより、腎疾患等に対してアフェレシス療法が施行されているが、LDL アフェレシスは難治性高コレステロー
ル血症に対して国内薬事承認を受けており、家族性高コレステロール血症、閉塞性動脈硬化症、巣状糸球体硬化
症に保険適用がある。同様に、重度尿蛋白を伴う糖尿病性腎症治療に係る実績並びに臨床研究報告もあり、LDL
コレステロールの低下に加え血清クレアチニンやアルブミン等の改善並びに尿中蛋白やポドサイトの低下、生命・腎
予後の改善(2年間の生命・腎機能維持率95%)が確認されていることから、有望な治療法として期待されている。
(概要)
本件は、重度尿蛋白(3 g/day 以上、又は尿蛋白/尿クレアチニン3 g/gCr 以上)を伴い血清クレアチニンが2
mg/dL 未満、薬物治療下で血清LDL-コレステロールが120 mg/dL 以上である糖尿病性腎症患者を対象として、
LDL アフェレシス治療の有効性及び安全性を評価する多施設共同単群試験である。リポソーバーを用い、LDL ア
フェレシスを施行する。原則として、登録後2 週間以内にLDL アフェレシスを開始し、これまでの報告(添付文献1
から3 及び5)に沿って、6 から12 回を12 週間以内に施行する。なお、LDL アフェレシス開始以降のLDL コレス
テロールや尿蛋白等の低下推移や全身状態の変化等が多様であり、上記のとおりこれまでの報告に沿い6 から12
回までで総合的に施行回数を判断するため、被験者毎にその回数が異なる。標準的には、1 回の施行時間を2~3
時間、血漿処理量を約3,000 mL(目安:体重kg あたり血漿処理量50 mL)、施行間隔を2~7 日とするが、被験者の
体重や状態により調節する。抗凝固薬は、ヘパリンを標準的に使用する。ブラッドアクセスは、直接穿刺又は留置カ
テーテルにて行う。
(効果)
重度尿蛋白の改善、透析導入の回避・延長等が期待できる。
(先進医療にかかる費用)
1 回施行あたり149,514 円(10 回施行で1,495,140 円)
但し、使用する医療機器(1 回施行あたり124,300 円、10 回施行で1,243,000 円)や発生する人件費(1 回施行あ
たり24,000 円、10 回施行で240,000 円)は企業より無償提供等されるため、患者負担はLDL アフェレシス時に使
用する抗凝固薬や液剤等の実費(1,214 円、10 回施行で12,140 円)となる。

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