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○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について参考資料 (32 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html |
出典情報 | 先進医療会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会 6/9)《厚生労働省》 |
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先進医療の名称
<先進医療告示12>
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
適応症
豚脂様角膜後面沈着物若しくは眼圧上昇の症状を有する片眼性の前眼部疾患(ヘルペス性角膜内皮炎又はヘ
ルペス性虹彩炎が疑われるものに限る。)又は網膜に壊死病巣を有する眼底疾患(急性網膜壊死、サイトメガロウイ
ルス網膜炎又は進行性網膜外層壊死が疑われるものに限る。)
内容
(先進性)
ウイルス、特にヒトヘルペスウイルスは角膜内皮炎、ぶどう膜炎(虹彩炎、壊死性網膜炎)を生じることが知られてい
る。ヒトヘルペスウイルスは1型から8型まで8種類が存在し、それぞれにより有効な抗ウイルス薬が異なる。これらの
迅速な診断は適正な治療に不可欠であり、そのために眼組織(房水、硝子体など)を用いて、正確かつ迅速な診断
法が必要になる。これらのヘルペス性眼感染症の一部は急激な経過を取り失明に至るケースがあり、ヘルペスウイ
ルスによる壊死性網膜炎(急性網膜壊死)ではその半数以上が1年後の矯正視力が0.1 以下となる。(Jpn J
Ophthalmol. 2013;57:98-103.)そのため、迅速かつ正確な診断が必要となる。一方、ヘルペスウイルスによる角膜内
皮炎や虹彩炎は慢性の経過を辿り、その約3割には緑内障を生じて長期的な投薬治療や手術加療が必要となる。
(Jpn J Ophthalmol 2002;46:556–562) 角膜内皮炎症も、その頻度については明らかではないが、多くの症例で最終
的に角膜移植手術を必要とする。これら、ヘルペスウイルスによる角膜内皮炎や虹彩炎を診断するには、眼内液を
用いたウイルス学的検査を行う以外に診断の方法はない。しかし、これらの診断のために必要な眼局所から得られ
る検体(涙液、前房水、硝子体、虹彩など)は微量(涙液、前房水は0.1mL)であり、その微量な試料を用いてヒトヘル
ペスウイルスの全てを包括的に検査する工夫が臨床的に必要なる。現在、抗体率を測定する方法とポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)法が行われているが、検査に時間がかかる、従来のPCR 法は1種類のウイルス検査しかできないなど
の欠点がある。また眼科検体を用いたヒトヘルペスの検査法の中で、現在保険でおこなわれているものは、「単純
ヘルペスウイルスキット(チェックメイトR ヘルペスアイ))があるが、これは単純ヘルペスだけの特異抗体を測定する
ものであり、ヒトヘルペスウイルス全てを網羅するものではなく、感度と特異度は本検査法よりも劣る。今回の診断技
術は、多項目定性PCR を用いて微量な検体でも8種類全ての人ヘルペスウイルスDNA を定性的にスクリーニング
し、更にDNA 陽性のウイルスについてはreal-time PCR によりウイルス量を定量するものである。検査は短時間
(DNA 抽出から結果の判定までが100-130 分)であること、微量検体でも8種類すべてのヒトヘルペスウイルスの
DNA を包括的に検出できる新規性があり、また臨床的に有用であるこのような診断システムは新規のものであり他
にない。
(概要)
ヘルペス性角膜内皮炎、ヘルペス性虹彩炎が疑われる片眼性の前眼部疾患。急性網膜壊死、サイトメガロウイル
ス網膜炎、進行性網膜外層壊死が疑われる網膜壊死病巣を有する眼底病変は、ヒトヘルペスウイルスが病因と疑わ
れる。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNA を抽
出し、本診断法によりHSV-1, HSV-2, VZV, EBV, CMV, HHV-6, HHV-7, HHV-8 のDNA の同定と定量をおこな
う。この診断に基づいて適正な抗ウイルス治療をおこなう。当院眼科においては年間約100~150 例の患者が本検
査の対象となる。
当該技術(難治性ウイルス眼感染疾患に対する包括的迅速PCR 診断)は、必要なプライマーとプローブを作製し
て研究室にて用いている。プライマーとプローブは現時点ではキット化できていないため、院内で調整する。
(効果)
ヒトヘルペスウイルスによる角膜内皮炎、虹彩炎、網膜炎の正確かつ迅速な診断が可能となる。これにより、適切
な治療が早期から開始でき、より優れた治療効果が期待され、失明予防に寄与できる。本検査でウイルスが陰性と
なった場合は、抗ウイルス治療から離脱し、ステロイド薬、免疫抑制薬などの他の治療に移行できる。本検査を施行
する事で、結果が陽性、陰性いずれの場合でも過剰あるいは不要な抗ウイルス薬投与を防ぐ事ができる。
(先進医療にかかる費用)
34,200 円
32
<先進医療告示12>
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
適応症
豚脂様角膜後面沈着物若しくは眼圧上昇の症状を有する片眼性の前眼部疾患(ヘルペス性角膜内皮炎又はヘ
ルペス性虹彩炎が疑われるものに限る。)又は網膜に壊死病巣を有する眼底疾患(急性網膜壊死、サイトメガロウイ
ルス網膜炎又は進行性網膜外層壊死が疑われるものに限る。)
内容
(先進性)
ウイルス、特にヒトヘルペスウイルスは角膜内皮炎、ぶどう膜炎(虹彩炎、壊死性網膜炎)を生じることが知られてい
る。ヒトヘルペスウイルスは1型から8型まで8種類が存在し、それぞれにより有効な抗ウイルス薬が異なる。これらの
迅速な診断は適正な治療に不可欠であり、そのために眼組織(房水、硝子体など)を用いて、正確かつ迅速な診断
法が必要になる。これらのヘルペス性眼感染症の一部は急激な経過を取り失明に至るケースがあり、ヘルペスウイ
ルスによる壊死性網膜炎(急性網膜壊死)ではその半数以上が1年後の矯正視力が0.1 以下となる。(Jpn J
Ophthalmol. 2013;57:98-103.)そのため、迅速かつ正確な診断が必要となる。一方、ヘルペスウイルスによる角膜内
皮炎や虹彩炎は慢性の経過を辿り、その約3割には緑内障を生じて長期的な投薬治療や手術加療が必要となる。
(Jpn J Ophthalmol 2002;46:556–562) 角膜内皮炎症も、その頻度については明らかではないが、多くの症例で最終
的に角膜移植手術を必要とする。これら、ヘルペスウイルスによる角膜内皮炎や虹彩炎を診断するには、眼内液を
用いたウイルス学的検査を行う以外に診断の方法はない。しかし、これらの診断のために必要な眼局所から得られ
る検体(涙液、前房水、硝子体、虹彩など)は微量(涙液、前房水は0.1mL)であり、その微量な試料を用いてヒトヘル
ペスウイルスの全てを包括的に検査する工夫が臨床的に必要なる。現在、抗体率を測定する方法とポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)法が行われているが、検査に時間がかかる、従来のPCR 法は1種類のウイルス検査しかできないなど
の欠点がある。また眼科検体を用いたヒトヘルペスの検査法の中で、現在保険でおこなわれているものは、「単純
ヘルペスウイルスキット(チェックメイトR ヘルペスアイ))があるが、これは単純ヘルペスだけの特異抗体を測定する
ものであり、ヒトヘルペスウイルス全てを網羅するものではなく、感度と特異度は本検査法よりも劣る。今回の診断技
術は、多項目定性PCR を用いて微量な検体でも8種類全ての人ヘルペスウイルスDNA を定性的にスクリーニング
し、更にDNA 陽性のウイルスについてはreal-time PCR によりウイルス量を定量するものである。検査は短時間
(DNA 抽出から結果の判定までが100-130 分)であること、微量検体でも8種類すべてのヒトヘルペスウイルスの
DNA を包括的に検出できる新規性があり、また臨床的に有用であるこのような診断システムは新規のものであり他
にない。
(概要)
ヘルペス性角膜内皮炎、ヘルペス性虹彩炎が疑われる片眼性の前眼部疾患。急性網膜壊死、サイトメガロウイル
ス網膜炎、進行性網膜外層壊死が疑われる網膜壊死病巣を有する眼底病変は、ヒトヘルペスウイルスが病因と疑わ
れる。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNA を抽
出し、本診断法によりHSV-1, HSV-2, VZV, EBV, CMV, HHV-6, HHV-7, HHV-8 のDNA の同定と定量をおこな
う。この診断に基づいて適正な抗ウイルス治療をおこなう。当院眼科においては年間約100~150 例の患者が本検
査の対象となる。
当該技術(難治性ウイルス眼感染疾患に対する包括的迅速PCR 診断)は、必要なプライマーとプローブを作製し
て研究室にて用いている。プライマーとプローブは現時点ではキット化できていないため、院内で調整する。
(効果)
ヒトヘルペスウイルスによる角膜内皮炎、虹彩炎、網膜炎の正確かつ迅速な診断が可能となる。これにより、適切
な治療が早期から開始でき、より優れた治療効果が期待され、失明予防に寄与できる。本検査でウイルスが陰性と
なった場合は、抗ウイルス治療から離脱し、ステロイド薬、免疫抑制薬などの他の治療に移行できる。本検査を施行
する事で、結果が陽性、陰性いずれの場合でも過剰あるいは不要な抗ウイルス薬投与を防ぐ事ができる。
(先進医療にかかる費用)
34,200 円
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