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【資料No.2】塩野義製薬株式会社提出資料 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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資料No.2
ゾコーバ錠 125 mg
有効性に関する申請者の見解
SARS-CoV-2 による感染症の新たな知見や課題が現在進行形で見い出され,ワクチン接種の
有無や変異株の種類による既承認薬の有効性に関する新たな報告がされており,感染性消失後
の持続する症状 (Long COVID) が社会的な問題になってきています.また,米国食品医薬品局
(FDA) や国立衛生研究所 (NIH) などの国際的機関においても,デルタ株以前の流行株で評価項
目としていた死亡・入院率以外の,有病期間,症状遷延や Long COVID,ウイルス学的評価など
様々な評価項目を総合的に用いて,SARS-CoV-2 による感染症に対する治療薬の有効性を評価・
検証することが重要であるという議論がなされています.2022 年 7 月現在,オミクロン株の亜
種の BA.4 系統及び BA.5 系統による第 7 波が今まさに懸念されています.
本剤の緊急承認申請において,これらの知見・課題に対する本剤の有効性をさらに評価すべ
く,審査報告書 (2) 以降の新たな情報として以下 4 項目について検討しました.これらの情報
並びにこれまでに提出している有効性評価を総合的に検討した結果,本剤の有効性は推定され,
緊急承認の該当性要件に合致したと考えます.申請用法・用量での詳細を本文書にて説明しま
す.
Long COVID に関連すると考えられる症状遷延リスク (図 2:投与開始 3 週後に症状が
消失していない被験者の割合)
抗ウイルス効果の臨床的意義 (図 7,図 8:ウイルス力価及び RNA 量が症状消失までの
時間へ与える影響評価)
ウイルス RNA 量及び力価のリバウンド (図 10:被験者別の推移)
オミクロン株の亜種 (BA.4 系統及び BA.5 系統) への in vitro 活性 (表 2:変異株に対す
る抗ウイルス効果)
1. 背景
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) は SARS-CoV-2 による感染症であり,そのウイルス
は 2019 年 12 月に初めて中華人民共和国湖北省武漢市で認められた武漢株から,現在も変異を
続け,2022 年 4 月時点で日本国内ではほぼ全てがオミクロン株に置き換わりました.また,
COVID-19 の予防ワクチンが普及し,2022 年 7 月 8 日現在,本邦でワクチンを 2 回接種した割
合は全人口の 80.9%,3 回目の追加接種を完了した割合は 62.1%と接種状況も変わりつつありま
す [1].このような状況下で,ワクチンが広く普及する前の武漢株からデルタ株が流行の主体で
あった頃と比較し,オミクロン株が主体となった現在では,ワクチン接種や過去の COVID-19
感染により免疫を獲得した方が多数となったこともあり,SARS-CoV-2 感染時の特徴が大きく
様変わりしています.デルタ株以前の流行株では重症化率や死亡・入院率が高いという特徴が
みられましたが,オミクロン株では呼吸器症状が特徴的とされており,デルタ株以前の株と比
較して症状は軽いものの,COVID-19 発症前の状態へ完全に戻るまでに時間がかかることが報
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ゾコーバ錠 125 mg
有効性に関する申請者の見解
SARS-CoV-2 による感染症の新たな知見や課題が現在進行形で見い出され,ワクチン接種の
有無や変異株の種類による既承認薬の有効性に関する新たな報告がされており,感染性消失後
の持続する症状 (Long COVID) が社会的な問題になってきています.また,米国食品医薬品局
(FDA) や国立衛生研究所 (NIH) などの国際的機関においても,デルタ株以前の流行株で評価項
目としていた死亡・入院率以外の,有病期間,症状遷延や Long COVID,ウイルス学的評価など
様々な評価項目を総合的に用いて,SARS-CoV-2 による感染症に対する治療薬の有効性を評価・
検証することが重要であるという議論がなされています.2022 年 7 月現在,オミクロン株の亜
種の BA.4 系統及び BA.5 系統による第 7 波が今まさに懸念されています.
本剤の緊急承認申請において,これらの知見・課題に対する本剤の有効性をさらに評価すべ
く,審査報告書 (2) 以降の新たな情報として以下 4 項目について検討しました.これらの情報
並びにこれまでに提出している有効性評価を総合的に検討した結果,本剤の有効性は推定され,
緊急承認の該当性要件に合致したと考えます.申請用法・用量での詳細を本文書にて説明しま
す.
Long COVID に関連すると考えられる症状遷延リスク (図 2:投与開始 3 週後に症状が
消失していない被験者の割合)
抗ウイルス効果の臨床的意義 (図 7,図 8:ウイルス力価及び RNA 量が症状消失までの
時間へ与える影響評価)
ウイルス RNA 量及び力価のリバウンド (図 10:被験者別の推移)
オミクロン株の亜種 (BA.4 系統及び BA.5 系統) への in vitro 活性 (表 2:変異株に対す
る抗ウイルス効果)
1. 背景
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) は SARS-CoV-2 による感染症であり,そのウイルス
は 2019 年 12 月に初めて中華人民共和国湖北省武漢市で認められた武漢株から,現在も変異を
続け,2022 年 4 月時点で日本国内ではほぼ全てがオミクロン株に置き換わりました.また,
COVID-19 の予防ワクチンが普及し,2022 年 7 月 8 日現在,本邦でワクチンを 2 回接種した割
合は全人口の 80.9%,3 回目の追加接種を完了した割合は 62.1%と接種状況も変わりつつありま
す [1].このような状況下で,ワクチンが広く普及する前の武漢株からデルタ株が流行の主体で
あった頃と比較し,オミクロン株が主体となった現在では,ワクチン接種や過去の COVID-19
感染により免疫を獲得した方が多数となったこともあり,SARS-CoV-2 感染時の特徴が大きく
様変わりしています.デルタ株以前の流行株では重症化率や死亡・入院率が高いという特徴が
みられましたが,オミクロン株では呼吸器症状が特徴的とされており,デルタ株以前の株と比
較して症状は軽いものの,COVID-19 発症前の状態へ完全に戻るまでに時間がかかることが報
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