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【資料No.2】塩野義製薬株式会社提出資料 (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
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表 2

変異株に対する S-217622 の抗ウイルス効果
ウイルス株
武漢株
アルファ株
ベータ株
ガンマ株
デルタ株

オミクロン株

BA.1 系統
BA.1.1 系統
BA.2 系統
BA.4 系統
BA.5 系統

EC50 (μmol/L)
0.37
0.31 ~ 0.46
0.40
0.43 ~ 0.50
0.41
0.29
0.36
0.52
0.25*
0.48*

* 予備試験

3. 総括
SARS-CoV-2 による感染症の感染時の特徴は,ワクチン非接種例並びに非感染例が多く,武漢
株からデルタ株が流行の主体であった頃と比較し,ワクチン接種や過去の COVID-19 感染によ
り免疫を獲得した方が多数となり,オミクロン株が主体となった現在では,その予後も含めて
大きく様変わりしています.SARS-CoV-2 による感染症に対する治療薬の開発においては,頻繁
なウイルス変異による流行株の遷移やワクチン接種による集団免疫の獲得状況など,臨床試験
の評価対象となる集団や医療提供体制・公衆衛生上の課題が刻々と変わりゆく中で,抗ウイル
ス薬としての有効性を確認・検証していくことが求められています.実際,既承認の経口の抗
ウイルス薬では,現在流行の主体となっているオミクロン株下で,かつワクチン既接種者が多
くを占める実臨床での有効性は確認されておらず,ワクチン接種の有無や変異株の種類により
有効性が異なることが報告されています [17].
一方,本剤の臨床試験はワクチン既接種者が約 8 割と現状を反映した対象となっており,本
剤は唯一,現在の流行の主流であるオミクロン株下での臨床試験成績を有しています.主要評
価項目である co-primary endpoint のうち,症状に関する評価項目である COVID-19 の 12 症状合
計スコアの Day 1 から Day 6 までの単位時間あたりの変化量では有意な結果が得られなかった
ものの,T1221 試験の開始時点で確固たる評価指標が定まっておらず,現在進行形で新たな知
見や課題が見い出されている中,以下の副次評価項目や事後解析の結果を総合的に判断すると,
本剤の有効性は推定されたと考えます.
<副次評価項目>


高い抗ウイルス効果



呼吸器症状での症状改善

<事後解析>


オミクロン株に特徴的な 5 症状での症状改善



COVID-19 症状が快復 (消失) までの時間の短縮〔FDA が推奨する指標〕



Long COVID に関連すると考えられる症状遷延リスクの低下
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