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【資料3】 (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26881.html
出典情報 厚生科学審議会 会感染症部会(第63回 8/1)《厚生労働省》
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LC16ワクチンのサル痘に対する有効性(免疫 原性及びチャレンジ試験)



LC16ワクチンのサル痘への有効性(免疫原性)の評価は、米国において実施された臨床試験で実施されている。
米国と日本人で実施された臨床試験において善感反応率に顕著な違いは認められないこと、さらに、ワクチニアウイルスに対す
る中和抗体応答の誘導は両試験で確認されていることから、LC16ワクチンの免疫原性に人種間差は認められず、日本人に対して
も同様にサル痘ウイルスに対する交差防御免疫を誘導することが期待できる。
①海外第Ⅰ/Ⅱ相試験:Kennedy JS, et al. Safety and immunogenicity of LC16m8, an attenuated smallpox vaccine in
vaccinia-naive adults(J Infect Dis. 2011; 204: 1395-402)

• 米国で実施された種痘歴のない18~34歳の健康成人を対象に、LC16ワクチンの安全性及びワクチン接種30日後のMPXVを含む各オルソ
ポックスウイルス属のウイルスに対する中和抗体価をDryvaxと比較するランダム化二重盲検比較試験(2004~2005年)。
• LC16ワクチンを接種した125例全例(男性81例、女性44例)が、接種後6~12日の間に接種部位に善感反応を示した。接種例から無作為
に抽出した26例における接種後30日目のMPXVに対する中和抗体のGMT[95%CI]は112[82–307]で、ワクチニアウイルスの各株
(NYCBH株、Lister株、LC16m8株)のみならずMPXVに対する中和抗体を誘導した。

②国内研究班:園田憲悟.我が国で開発され,備蓄されている細胞培養痘そうワクチンの有効性,安全性,生産性向上および国内外
のバイオテロ対策のあり方に関する研究 分担研究報告書 細胞培養弱毒生痘そうワクチンの有効性及び安全性評価,特性解析,
品質試験法改善,生産性に関する研究.(令和2 年4 月).p. 27-32.
https://mhlw-grants.niph.go.jp/ project/27971
• 米国Phase 1/2試験で経時的に取得された臨床検体のうち、ワクチニアウイルスNYCBH株に対して同程度の中和抗体価を示した集団を用
いて、探索的に評価した。その結果、LC16ワクチン接種群は、米国で承認・備蓄されている第一世代の痘そうワクチンであるDryvax接
種群と同程度のMPXVに対する中和抗体価を示したことから、LC16ワクチンの抗原性はDryvaxと同様にMPXVに対する交差反応性を有
することが示唆された。

③カニクイザルによるチャレンジ試験

(J Infect Dis 2011; 203: 1043-53, J Virol 2006; 80: 5179-88, Jpn J Infect Dis 2017; 70: 408-15)

• カニクイザルのLC16ワクチン群(14例)、Dryvax群(4例)、対照群(6例)に接種60日後にMPXVザイール79株を静脈内投与。対照群
では全身に皮膚病変が認められ、ウイルス投与後12日までに全匹が死亡または安楽死された。LC16ワクチン群の皮膚病変はDryvax群よ
り多かったが、対照群より少なかった。LC16ワクチン群とDryvax群ではウイルス投与後12日後までに痂皮が形成され、死亡例はなし。
• カニクイザルのLC16ワクチン群(2例又は3例)、Lister株ワクチン接種群(2例又は3例)、対照群(2例又は1例)に接種5週後にMPXV
リベリア株又はZr-599株を経鼻投与又は皮下投与。MPXV経鼻投与後、対照群ではウイルス血症と丘疹性皮疹及び鼻漏を認める一方、
LC16ワクチン群及びLister株ワクチン群ではウイルス血症もサル痘関連病変も認めず。MPXV皮下投与後、対照群は重度のサル痘関連病
変で安楽死された。LC16ワクチン群ではMPXV投与部位のみに所見(紅斑、丘疹性皮疹)を認め、 Lister株ワクチン接種群では病変を
認めなかった。
• カニクイザルのLC16ワクチン群(3例)、Lister株ワクチン群(2例)、対照群(4例)に接種6ヶ月及び12ヶ月後にMPXV Zr-599株を皮下
投与。MPXV投与後、対照群では多数の丘疹性皮疹及びウイルス投与部位の潰瘍性病変を認めた。 LC16ワクチン群ではウイルス投与部
位のみの潰瘍性病変認め、Lister株ワクチン接種群では全く皮膚病変を認めなかった。
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