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資料2-4 重篤副作用疾患別対応マニュアル 網膜・視路障害(案) (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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性を常に考慮すべきである。
(3)虚血性視神経症
特発性視神経炎とともに二大視神経疾患であり、やはり 60 代以上の高
齢者に多いこともあって何らかの薬物投与が行われている例に偶発的に
発症することはありうる。動脈炎(側頭動脈炎)性と非動脈炎性に分けら
れるが、後者が圧倒的に多い。乳頭腫脹(しばしば蒼白腫脹)がみられる
前部虚血性視神経症と、みられない後部虚血性視神経症とがある。急激な
視力低下または視野欠損で始まる。前部型では水平、特に下半盲を呈する
ことが多い。非動脈炎性では通常、高血圧、動脈硬化、糖尿病、心疾患な
ど循環障害の危険因子を有するが、夜間低血圧や睡眠時無呼吸をリスクに
挙げる研究もある。若年者に生ずる場合は、小乳頭など局所因子の存在も
重要視される。薬物性との判別は容易でなく、本症の典型例は別にして、
リスクのある薬物(参考1参照)が投与されている場合は、薬物性の可能
性を常に考慮すべきである。
(4)レーベル遺伝性視神経症
10~40 代の男性に発症しやすい遺伝性視神経症で、比較的急激な視力低
下が両眼ほぼ同時に、時に片眼から生じ、時をおいて両眼性になる。急性
期に視神経乳頭の発赤・腫脹、視神経乳頭近傍毛細血管拡張蛇行が認めら
れることがあり、対光反射が比較的保たれるなどの臨床的特徴を有する。
ミトコンドリア DNA の特異的な点変異、すなわち塩基対番号 3460, 11778,
14484 の塩基置換が大半を占め、中でも我が国では 11778 番のグアニンか
らアデニンへの置換を示すものが同定された患者の 90%の例に見られる。
診断は診断基準に基づいて進める。
(5)その他の視神経症など
視神経障害や視神経乳頭に腫脹所見を呈するあらゆる疾患が判別対象
になる。特に、薬物投与の対象となっている原疾患の合併症としての視神
経症は時に鑑別が困難である。例えば、自己免疫的機序が想定される全身
性エリテマトーデス(SLE)に伴う視神経症や自己免疫性視神経症、結核、
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