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別紙1○【先進医療合同会議】先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (18 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00053.html |
出典情報 | 先進医療会議(第117回先進医療会議、第142回先進医療技術審査部会 12/8)《厚生労働省》 |
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先進医療審査の事前照会事項に対する回答6
先進医療技術名: 抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT 療法)
2022 年 12 月 05 日
所属・氏名: 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科 永原章仁
1.研究計画書 11.2.において、「本検討は単群試験であり、ヒストリカルコントロールデータを閾値設
定のための対照として用いる。A-FMT 療法の期待寛解率は順天堂大学で実施した左側・全大腸炎
型の潰瘍性大腸炎患者に対する A-FMT の臨床研究結果(38 症例)を元に推定し 42.1%であり、比較
対象とするヒストリカルコントロールは、ブデソニド注腸フォーム剤国内第 3 相試験による RCT 論文
におけるプラセボ群の左側・全大腸炎型患者の寛解率 20.5%(≒8/39)を参照した[4] 。保守的な仮
定として FMT の期待寛解導入を 40%、コントロール群の期待寛解率を 21%とおいた。」という記載が
あります。念の為、[4]にその記載があるのかチェックしました。
たしかに、サブグループ解析で、プラセボ群の左側・全大腸炎型患者の寛解率 20.5%(≒8/39)と報
告されていますが、20.5%は、点推定値であり、グラフから読み取る信頼区間の上限は40%付近に
あります。なので、本研究においても、本来であれば、閾値を40%付近に設定し、A-FMT 療法後の
寛解率の信頼区間の下限が、それを超えないと意味がないように思うのですが、研究者としては、
次のステップとして本試験のあとに検証的な試験を立案されるということでしょうか。
【回答】
ご指摘頂きましたとおり、ヒストリカルコントロール(プラセボ群)の左側・全大腸炎型患者 39 症例に対し
て寛解は 8 例となっていることから、我々が統計計画としております Clopper-Pearson 法での 90%信頼
区間の上限は 33.9%となります。当該の試験は症例数が少ないためこのように信頼区間の上限値が高
くなっており、仮に 33.9%を閾値寛解率として採用し、期待寛解率 40%として試験を設計しますと、約 400
症例が必要となる非常に大規模な試験となります。
また、上述のヒストリカルコントロールは患者背景が一致しているため採用しておりますが、潰瘍性大腸
炎に対するプラセボの寛解率について、コクランライブラリによるシステマティックレビュー(*1)が公表さ
れており、患者背景に多様性があるものの、ランダム効果モデルでのプラセボ寛解率は 12%(95%信頼
区間: 9-15%)となっております。また、当院における臨床経験を踏まえましても、ヒストリカルコントロー
ル(プラセボ群)における点推定値に基づいて設定しました閾値寛解率 21%は保守的であり、妥当であ
ると考えております。
なお、潰瘍性大腸炎は国が定める指定難病であり、その患者数は約 22 万人とされていますが、本治療
を使用し得るのは、研究計画書「1.4. 本研究の意義」に記載したとおり 4,600 人程度と推計しています。
医薬品医療機器法第 77 条の 2 に基づき指定される希少疾病用医薬品等で規定される患者数は、本邦
において 5 万人未満とされており、本研究の対象患者数は希少疾病医薬品等の患者数上限の約 1/10
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先進医療技術名: 抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT 療法)
2022 年 12 月 05 日
所属・氏名: 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科 永原章仁
1.研究計画書 11.2.において、「本検討は単群試験であり、ヒストリカルコントロールデータを閾値設
定のための対照として用いる。A-FMT 療法の期待寛解率は順天堂大学で実施した左側・全大腸炎
型の潰瘍性大腸炎患者に対する A-FMT の臨床研究結果(38 症例)を元に推定し 42.1%であり、比較
対象とするヒストリカルコントロールは、ブデソニド注腸フォーム剤国内第 3 相試験による RCT 論文
におけるプラセボ群の左側・全大腸炎型患者の寛解率 20.5%(≒8/39)を参照した[4] 。保守的な仮
定として FMT の期待寛解導入を 40%、コントロール群の期待寛解率を 21%とおいた。」という記載が
あります。念の為、[4]にその記載があるのかチェックしました。
たしかに、サブグループ解析で、プラセボ群の左側・全大腸炎型患者の寛解率 20.5%(≒8/39)と報
告されていますが、20.5%は、点推定値であり、グラフから読み取る信頼区間の上限は40%付近に
あります。なので、本研究においても、本来であれば、閾値を40%付近に設定し、A-FMT 療法後の
寛解率の信頼区間の下限が、それを超えないと意味がないように思うのですが、研究者としては、
次のステップとして本試験のあとに検証的な試験を立案されるということでしょうか。
【回答】
ご指摘頂きましたとおり、ヒストリカルコントロール(プラセボ群)の左側・全大腸炎型患者 39 症例に対し
て寛解は 8 例となっていることから、我々が統計計画としております Clopper-Pearson 法での 90%信頼
区間の上限は 33.9%となります。当該の試験は症例数が少ないためこのように信頼区間の上限値が高
くなっており、仮に 33.9%を閾値寛解率として採用し、期待寛解率 40%として試験を設計しますと、約 400
症例が必要となる非常に大規模な試験となります。
また、上述のヒストリカルコントロールは患者背景が一致しているため採用しておりますが、潰瘍性大腸
炎に対するプラセボの寛解率について、コクランライブラリによるシステマティックレビュー(*1)が公表さ
れており、患者背景に多様性があるものの、ランダム効果モデルでのプラセボ寛解率は 12%(95%信頼
区間: 9-15%)となっております。また、当院における臨床経験を踏まえましても、ヒストリカルコントロー
ル(プラセボ群)における点推定値に基づいて設定しました閾値寛解率 21%は保守的であり、妥当であ
ると考えております。
なお、潰瘍性大腸炎は国が定める指定難病であり、その患者数は約 22 万人とされていますが、本治療
を使用し得るのは、研究計画書「1.4. 本研究の意義」に記載したとおり 4,600 人程度と推計しています。
医薬品医療機器法第 77 条の 2 に基づき指定される希少疾病用医薬品等で規定される患者数は、本邦
において 5 万人未満とされており、本研究の対象患者数は希少疾病医薬品等の患者数上限の約 1/10
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