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別紙1○【先進医療合同会議】先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00053.html
出典情報 先進医療会議(第117回先進医療会議、第142回先進医療技術審査部会 12/8)《厚生労働省》
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先進医療会議事前評価構成員からの指摘事項に対する回答1

先進医療技術名: 抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT 療法)
令和 4 年 11 月 27 日
所属・氏名: 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科 永原章仁

※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1.これまでの自施設での研究から AFM 療法単独でもある程度の寛解率が期待されると推察します。
本研究では、RCT(AFM 療法に加えて FMT を併用するかしないか)ではなく、AFM 療法を行っていな
い外部のプラセボ群のデータをヒストリカルコントロールとした単群試験を採用した理由についてご
説明ください。
【回答】
ご指摘頂きましたとおり、AFM 療法単独でもある程度の寛解率が期待できる可能性はありますが、AFM
療法は潰瘍性大腸炎の標準的な治療法として位置づけられていないことから、AFM 療法をコントロール
群として設定することは適切ではないと判断しました。また、本研究では、抗菌薬を併用する FMT(AFMT 療法)を 1 つのレジメンとした医療技術の開発を目指しています。
そこでプラセボを対照とした RCT も検討しましたが、以下の理由により困難であると判断しました。
① 本医療技術は指定難病の潰瘍性大腸炎に対して FMT を実施する治療であり、本学が協力医
療機関として参加している先行する先進医療 B「再発性 Clostridioides difficile 関連下痢症・腸
炎に対する FMT」において症例登録が進んでいない現状を踏まえ、プラセボ対照 RCT にするこ
とでさらに症例登録の難易度が上がり、本研究の実施可能性を確保することが極めて困難とな
ります。
② 他国の FMT に対する RCT において、患者さん自身の便(自己便)または便臭を付加し着色し
た加工水をプラセボとして用いております。しかしながらプラセボとなる便溶液を、頻回な下痢や
血便を繰り返す潰瘍性大腸炎患者さんから提供頂く便から作成することは難しく、さらに自己便
の提供に伴う患者さんの心理的障壁があります。また加工水は、便溶液に似せて作成すること
が難しく、区別は容易です。よって A-FMT 療法の有効性及び安全性評価に影響を及ぼすこと
なく、識別不能なプラセボ作成の難易度が極めて高くなっております。
当施設では A-FMT 療法の臨床研究の成果を多数報告しており(参考文献[1-5])、本研究では質の高
い国内第 3 相臨床試験データをヒストリカルコントロールとして選定することができたため、ヒストリカル
コントロールを対照データとする単群試験を採用致しました。

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