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別紙1○【先進医療合同会議】先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (36 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00053.html |
出典情報 | 先進医療会議(第117回先進医療会議、第142回先進医療技術審査部会 12/8)《厚生労働省》 |
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[15]。保守的な仮定として FMT の期待寛解導入を 40%、コントロール群の期待寛解率を 21%
とおいた。FMT のプラセボに対する優越性を示すため、二項比率の正確二項検定(片側)に
よる有意水準 0.05 と設定したところ、検出力 0.8 以上を満たす最小の必要症例数は 32 例
と推定された。抗菌薬投与以降の中止・脱落等について、順天堂大学の臨床研究結果にお
ける 4%を踏まえて保守的に 5%と見積もり、最終的に必要な症例数を 34 例と設定した。
ヒストリカルコントロールデータに関して、UC に対するブデソニド注腸製剤の第 3 相
試験[15]のプラセボ群のうち、左側・全大腸炎型患者のデータは、投与経路(注腸)
、患者
選択基準、評価基準が本研究と同等であり、近年の国内第 3 相試験であることから、ヒス
トリカルコントロールとして妥当と考えた(下図)
。なお、本治療は、ステロイド局所製剤
が適応外となる左側・全大腸炎型の潰瘍性大腸炎患者に対し、局所療法のアンメット・メ
ディカル・ニーズを満たす新たな治療オプションを提供するものであるため、厳密に比較
対照可能な治療はない。以下に本研究と当該ヒストリカルコントロールデータの比較を詳
細に示す。
まず治療について、本研究の FMT とヒストリカルコントロールはいずれも経腸経由で
の投与であり、複数回に渡って試験薬・対照薬を投与するものである。前治療・併用可能
療法・併用禁止療法における差異の整腸剤について、本研究では腸内細菌を治療に使用す
るため、治療効果に与える影響や、腸内細菌叢解析のアーティファクトになりうる可能性
を考慮し除外としたが、整腸剤の UC への有効性のエビデンスはないため、整腸剤の使用
有無の差異が有効性評価に与える影響はないものと考えている*1。
次に患者選択基準における罹患範囲について、本研究とヒストリカルコントロールはと
もに左側大腸炎型・全大腸炎型の患者で構成されている。評価基準について、本研究で主
要評価項目としている寛解導入の判断基準がヒストリカルデータの寛解導入判断基準と同
一であり、ヒストリカルデータの評価結果をプラセボコントロールとして使用可能である。
さらに、ヒストリカルコントロールおよび、過去の順天堂大学 A-FMT 療法の臨床研究
データのうち、症例数設定に使用した患者背景(直腸炎型も含む)の比較表を示す。性別、
年齢、初発・再燃、罹病期間、MMDAI に大きな差は認められなかった。差異が認められ
たのは病変の広がりと臨床的重症度であり、全大腸炎型はヒストリカルコントロールでは
8.1%に対して A-FMT 療法では 42.0%、重症はヒストリカルコントロールでは 0%に対し
て A-FMT 療法では 40.0%であった。本研究においては、病変の広がりと臨床的重症度が
ヒストリカルコントロールと揃うような患者選択基準を設定しており、科学的妥当性を担
保可能と考えている。なお、参考データを記したように、患者背景に関して病変の広がり
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とおいた。FMT のプラセボに対する優越性を示すため、二項比率の正確二項検定(片側)に
よる有意水準 0.05 と設定したところ、検出力 0.8 以上を満たす最小の必要症例数は 32 例
と推定された。抗菌薬投与以降の中止・脱落等について、順天堂大学の臨床研究結果にお
ける 4%を踏まえて保守的に 5%と見積もり、最終的に必要な症例数を 34 例と設定した。
ヒストリカルコントロールデータに関して、UC に対するブデソニド注腸製剤の第 3 相
試験[15]のプラセボ群のうち、左側・全大腸炎型患者のデータは、投与経路(注腸)
、患者
選択基準、評価基準が本研究と同等であり、近年の国内第 3 相試験であることから、ヒス
トリカルコントロールとして妥当と考えた(下図)
。なお、本治療は、ステロイド局所製剤
が適応外となる左側・全大腸炎型の潰瘍性大腸炎患者に対し、局所療法のアンメット・メ
ディカル・ニーズを満たす新たな治療オプションを提供するものであるため、厳密に比較
対照可能な治療はない。以下に本研究と当該ヒストリカルコントロールデータの比較を詳
細に示す。
まず治療について、本研究の FMT とヒストリカルコントロールはいずれも経腸経由で
の投与であり、複数回に渡って試験薬・対照薬を投与するものである。前治療・併用可能
療法・併用禁止療法における差異の整腸剤について、本研究では腸内細菌を治療に使用す
るため、治療効果に与える影響や、腸内細菌叢解析のアーティファクトになりうる可能性
を考慮し除外としたが、整腸剤の UC への有効性のエビデンスはないため、整腸剤の使用
有無の差異が有効性評価に与える影響はないものと考えている*1。
次に患者選択基準における罹患範囲について、本研究とヒストリカルコントロールはと
もに左側大腸炎型・全大腸炎型の患者で構成されている。評価基準について、本研究で主
要評価項目としている寛解導入の判断基準がヒストリカルデータの寛解導入判断基準と同
一であり、ヒストリカルデータの評価結果をプラセボコントロールとして使用可能である。
さらに、ヒストリカルコントロールおよび、過去の順天堂大学 A-FMT 療法の臨床研究
データのうち、症例数設定に使用した患者背景(直腸炎型も含む)の比較表を示す。性別、
年齢、初発・再燃、罹病期間、MMDAI に大きな差は認められなかった。差異が認められ
たのは病変の広がりと臨床的重症度であり、全大腸炎型はヒストリカルコントロールでは
8.1%に対して A-FMT 療法では 42.0%、重症はヒストリカルコントロールでは 0%に対し
て A-FMT 療法では 40.0%であった。本研究においては、病変の広がりと臨床的重症度が
ヒストリカルコントロールと揃うような患者選択基準を設定しており、科学的妥当性を担
保可能と考えている。なお、参考データを記したように、患者背景に関して病変の広がり
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