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資料2-11 医薬品の投与に関連する避妊の必要性等に関するガイダンスについて (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31510.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第4回 3/2)《厚生労働省》
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が傷害されると、これを修復する様々な遺伝子が発現することが知られている(Winship et al.
2018)。そのため、遺伝毒性のある医薬品等に曝露されても、喪失せずに残存した卵子では変異が
生じにくいと考えられており、遺伝毒性のある抗悪性腫瘍剤を投与されたがん経験者や被爆者の妊
娠においては児の先天異常が増加することはないとされている(Meirow and Schiff 2005;
Adriaens et al. 2009)。近年、小児・AYA(Adolescent and Young Adult)世代がん患者に対する
妊孕性温存療法の一環として、遺伝毒性のある抗悪性腫瘍剤の曝露直後にも卵子や卵巣組織が採取
されており、体外受精により少数例ながらいずれも健児を出産したと報告されている(Doshida et
al. 2013; Shapira et al. 2018)。
しかしながら、交配前(交配後ではないことに注意)1〜6週間の時点で遺伝毒性のある医薬品
(シクロホスファミド)を投与したマウスでは、交配時には医薬品が血中に残存していないにもか
かわらず、胚・胎児死亡等が認められている(Meirow et al. 2001)。当該原因は、原始卵胞から
排卵に至る発育途上の卵胞への曝露によると考えられている(ただし、卵子の遺伝子変異の有無は
調べられていない)。ヒトにおいては、原始卵胞が排卵するまでには少なくとも6か月程度かかる
とされている(Gougeon 2010; Silber et al. 2018)ため、仮にマウスの試験結果をヒトにそのま
ま外挿するならば、曝露から6か月以内に妊娠又は採卵を試みる場合、胚・胎児へのリスクを伴う
ことになる。
以上より、遺伝毒性のある医薬品については、発育途上の卵胞への曝露を避ける予防的行動とし
ての避妊期間については、最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)に、さらに6か
月を加えた期間が推奨される。
なお、遺伝毒性の機序が染色体異数性誘発性(aneugenicity)のみを示す医薬品は、胎児の染色
体異常を実際に増加させる根拠は乏しいものの、成熟卵胞内卵子における減数分裂(ヒトにおいて
は排卵36時間前から再開するとされている)に影響を及ぼす可能性が考えられる。そのため、曝露
を避ける予防的行動としての避妊期間については、最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5
倍の期間)に、さらに1か月を加えた期間が推奨される。ただし、電子添文に記載される避妊期間
は、半減期の5倍の期間は、医薬品が体内から消失する時間の実データの期間に置き換えてもよい。
表1. 遺伝毒性のある医薬品:最終投与後の避妊期間
性別

避妊期間

男性***

5 x T1/2** + 3か月*
遺伝毒性の機序が染色体異数性誘発性のみの場合で、精液移行による発生毒性リスクあり
:5 x T1/2**、****

女性

5 x T1/2** + 6か月*
遺伝毒性の機序が染色体異数性誘発性のみの場合:5 x T1/2** + 1か月*

*本表における「血中半減期(T1/2)」が、2日未満の時は、「5 x T1/2」の期間を考慮することなく、「男性:3か月」、「女性:6か月
(遺伝毒性の機序が染色体異数性誘発性のみの場は1か月)」としてもよい。
**T1/2 :血中半減期。「5 x T1/2」の期間は実際に医薬品が体内から消失する時間の実データがあれば、実データの期間に置き換えても
よい。
*** 避妊方法は、少なくとも接触回避が可能となるバリア法を用いる。
**** 精液移行により想定される女性パートナーの曝露に安全域が確保できる期間が重要である。

4.2 遺伝毒性のない医薬品
4.2.1 男性患者に関する避妊
男性患者に投与される医薬品に発生毒性が認められる場合においては、その女性パートナーへの
精液を介した医薬品の移行による発生毒性リスクを検討する必要がある。
精液移行した医薬品が腟粘膜等からの吸収を介して胚・胎児への影響が想定される場合には、医
薬品の精液移行量が十分に低下し、女性パートナー側の推定曝露量に安全域が確保できるまでは性

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