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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 高血糖(案) (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》
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空腹時血糖値は正常範囲でも、食後血糖値のみ著しく上昇する場合がある
ので、可能であれば食後 2 時間目の血糖値の測定が望ましい。
HbA1c 値は平均血糖値の指標であり、高血糖が出現した直後では正常範囲
内にあることをしばしば経験するので、必ず血糖値測定を併用する。また、
貧血・肝硬変等を伴う症例では HbA1c 値は実際より低値を示すことがある。
空腹時血糖値 126 mg/dL、随時血糖値 160 mg/dL、HbA1c 6.5%を超えると
高血糖、あるいはそれに準じた状態である。

2.副作用の概要
一般に、薬の血糖上昇作用が患者の適応能力を超えると、高血糖が顕在
化すると考えられる。従って、糖尿病・耐糖能障害の患者で高血糖を来たし
やすいが、薬の血糖上昇作用が強ければ、糖尿病などを指摘されていない
患者でも高血糖が出現しうる。高血糖の出現機序には、高カロリー輸液な
どによる過剰のブドウ糖供給に伴うものと、原因薬物がインスリン分泌障
害あるいはインスリン抵抗性を誘発し、患者の耐糖能を悪化させることに
よるものの 2 つに分けられる。
(1)自覚症状
高血糖の症状の発現には個人差があり、症状がないことも多々ある。
従って、症状は高血糖の重篤さを必ずしも反映しない。典型的な症状は、
倦怠感、集中力の欠如、口渇、多飲である。徴候としては、多尿、夜間尿
の出現、体重減少などが挙げられる。インスリン欠乏が高度のときは、ケ
トアシドーシスの合併により、嘔気、嘔吐、腹痛を呈することもある。
なお、SGLT2 阻害薬を服用中の患者で全身倦怠、悪心・嘔吐、腹痛など
を伴う場合には、血糖値が正常に近くてもケトアシドーシス[正常血糖ケ
トアシドーシス(euglycemic ketoacidosis)]を起こしている可能性があ
るので、直ちに血中ケトン体(即時にできない場合は尿ケトン体)を確認
するとともに専門医にコンサルテーションする。
(2)身体所見
特に高血糖に特徴的な所見はないが、脱水が著明な場合には、皮膚粘膜
乾燥、頻脈が認められ、さらに、ケトアシドーシスや極度の高血糖により
血漿浸透圧亢進を伴う場合には、意識レベルの低下を認める場合がある。
(3)検査所見
高血糖を疑った場合は、まず血糖値の上昇を確認する。高血糖が急性に
出現した場合には、HbA1c やグリコアルブミンの増加を伴わないケースも
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