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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 高血糖(案) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》
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ある。ケトーシスの合併は治療の緊急性に関わるため、尿ケトン体のチェ
ックは必須である。
(4)発生機序と医薬品ごとの特徴
薬による高血糖の機序は単純に説明できるものでなく、それぞれの医
薬品によって異なる。下記に高血糖をきたす代表的な医薬品の想定され
ている発症機序と特徴を示す。
a. 副腎皮質ステロイド薬
副腎皮質ステロイド薬は、末梢組織での蛋白の異化を亢進させ、ア
ミノ酸放出を促進する。このアミノ酸は肝での糖新生の基質となり、
肝糖新生が促進する。同時に、副腎皮質ステロイド薬は、肝に直接作用
し、糖新生及び糖放出を亢進させ、その結果、高血糖が誘発される。副
腎皮質ステロイド薬が耐糖能に与える影響は必ずしも肝臓に対する作
用のみではないが、肝における糖新生亢進が主な高血糖の原因である
と考えられている。従ってインスリン抵抗性を反映し高インスリン血
症が認められる場合が多い。
b. 高カロリー輸液
高濃度ブドウ糖含有製剤の経静脈投与は、通常の摂食時の経口的な
栄養摂取に比し、体内の糖処理能力に及ぼす負荷が極めて大きく、容
易に患者の適応能力を超える。従って、糖尿病と診断されている患者
はもちろんのこと、糖尿病と診断はされていなくとも、耐糖能に異常
のある患者では高血糖が認められる場合がある。
c. 抗悪性腫瘍薬 1~4)
悪性黒色腫や非小細胞性肺癌・胃癌などの治療に用いられる「免疫
チェックポイント阻害薬」抗ヒト PD-1/PD-L1 抗体投与後の劇症 1 型糖
尿病を含めた 1 型糖尿病発症に関する報告は、海外含め多数存在する。
その発症は投与後数週間から約 1 年後と、発症様式が急速なものから
緩徐なものまで多岐にわたる。劇症1型糖尿病は、発症後直ちに治療
を開始しなければ致死的な疾患であるため、「免疫チェックポイント
阻害薬使用患者における 1 型糖尿病の発症に関する Recommendation」
に沿って対応することが推奨される。
参照:http://www.jds.or.jp/uploads/files/recommendation/nivolumab.pdf

d. 免疫抑制薬 5)
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