よむ、つかう、まなぶ。
資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 高血糖(案) (18 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
与量は最大 84 単位/日まで増加したが、退院時には 64 単位/日(リスプロ
朝食直前 26 単位、昼食直前 8 単位、夕食直前 14 単位、グラルギン朝 8 単
位、夕 8 単位)まで減量可能となった。第 8 病日のアミラーゼも 83 U/L と
上昇はなく、退院後も抗 GAD 抗体は一貫して陰性で、血糖コントロールは一
時 HbA1c 6.2 %、GA 16.5 %まで改善したが、その後増悪し、退院 4 か月
後の HbA1c と GA は 7.7 %、22.8 %であった。
【考察】
高血糖症状出現から 1 週間以内のケトーシス発症、内因性インスリン分泌
枯渇、血糖値と乖離した HbA1c 値、膵島関連自己抗体陰性から劇症 1 型糖
尿病の診断は容易だった。劇症 1 型糖尿病は、発症後直ちに治療を開始しな
ければ致死的な疾患であり、「免疫チェックポイント阻害薬使用患者におけ
る 1 型糖尿病の発症に関する Recommendation に沿って対応されたのが良か
ったと考えられた。
※ 参考 URL http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=58
アナモレリン投与により発症した高浸透圧高血糖状態
【症例 4】79 歳男性
【現状歴】糖尿病の治療歴なく、HbA1c は 7%前後で推移していた方。非小細
胞肺癌の悪液質に対して X 月に、アナモレリンの投与開始。X+1 月に強い倦
怠感のために受診、HbA1c11.3 %、血糖値 639 mg/dL、アシドーシスはなく血
漿浸透圧高値を認め高浸透圧高血糖状態で同日入院。入院後にアナモレリン
を中止し、強化インスリン療法を開始。その後、持効型インスリンと DPP4 阻
害薬の投与に変更し退院。アナモレリン再開後は血糖値 250 mg/dL 前後に緩
やかに推移。聴取からはアナモレリン投与前と比べ投与後で糖質摂取量の割
合の増加を認めた。悪液質に伴う食思不振に対し、食べやすい食品を摂取する
ように指導されていたため、アナモレリン投与による食欲改善作用で糖質の
摂取量が過剰となり 高浸透圧高血糖状態 に至ったと考えられた。
【考察】アナモレリンによる高血糖は、投与開始日から見られる場合と、投
与開始後から 1 ヶ月前後に、食欲亢進等に起因して見られる場合があること
に留意して経過観察すべきである。
※ 参考 URL https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/65/7/65_383/_pdf
17
朝食直前 26 単位、昼食直前 8 単位、夕食直前 14 単位、グラルギン朝 8 単
位、夕 8 単位)まで減量可能となった。第 8 病日のアミラーゼも 83 U/L と
上昇はなく、退院後も抗 GAD 抗体は一貫して陰性で、血糖コントロールは一
時 HbA1c 6.2 %、GA 16.5 %まで改善したが、その後増悪し、退院 4 か月
後の HbA1c と GA は 7.7 %、22.8 %であった。
【考察】
高血糖症状出現から 1 週間以内のケトーシス発症、内因性インスリン分泌
枯渇、血糖値と乖離した HbA1c 値、膵島関連自己抗体陰性から劇症 1 型糖
尿病の診断は容易だった。劇症 1 型糖尿病は、発症後直ちに治療を開始しな
ければ致死的な疾患であり、「免疫チェックポイント阻害薬使用患者におけ
る 1 型糖尿病の発症に関する Recommendation に沿って対応されたのが良か
ったと考えられた。
※ 参考 URL http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=58
アナモレリン投与により発症した高浸透圧高血糖状態
【症例 4】79 歳男性
【現状歴】糖尿病の治療歴なく、HbA1c は 7%前後で推移していた方。非小細
胞肺癌の悪液質に対して X 月に、アナモレリンの投与開始。X+1 月に強い倦
怠感のために受診、HbA1c11.3 %、血糖値 639 mg/dL、アシドーシスはなく血
漿浸透圧高値を認め高浸透圧高血糖状態で同日入院。入院後にアナモレリン
を中止し、強化インスリン療法を開始。その後、持効型インスリンと DPP4 阻
害薬の投与に変更し退院。アナモレリン再開後は血糖値 250 mg/dL 前後に緩
やかに推移。聴取からはアナモレリン投与前と比べ投与後で糖質摂取量の割
合の増加を認めた。悪液質に伴う食思不振に対し、食べやすい食品を摂取する
ように指導されていたため、アナモレリン投与による食欲改善作用で糖質の
摂取量が過剰となり 高浸透圧高血糖状態 に至ったと考えられた。
【考察】アナモレリンによる高血糖は、投与開始日から見られる場合と、投
与開始後から 1 ヶ月前後に、食欲亢進等に起因して見られる場合があること
に留意して経過観察すべきである。
※ 参考 URL https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/65/7/65_383/_pdf
17