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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 高血糖(案) (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》
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【経過】
補液との速効型インスリン静脈内持続点滴(5 U/hr)で治療を開始した。し
かし、血小板数が 6.7 x 104/mL と減少し、DIC の合併が考えられた。
入院 24 日目に死亡した。
【考察】
中心静脈栄養が原因で生じた高浸透圧高血糖状態と考えられた。
田中正巳、中村博志、岡村ゆか里、宮崎康:高血糖性高浸透圧性昏睡を示した高齢者 5 例
の臨床像. 糖尿病 49: 797-800, 2006 より改変引用

免疫チェックポイント阻害薬投与により発症した劇症 1 型糖尿病
【症例 3】 50 歳代の男性
【現病歴】
8 年前に肺腺癌に罹患し、右中肺野切除術を受けた。
5 年前に第 9 胸椎転移に対して放射線療法を施行した。その際の随時血糖は
106 mg/dL だった。その後、両側肺に多発転移を認め、全身化学療法が順次施
行されたが効果不十分だったため、抗 PD-1 抗体ニボルマブ(3 mg/kg)が開始
された。
本薬開始時、2 ヶ月後(5 回投与終了後)の空腹時血糖値は 97 mg/dL、86
mg/dL、HbA1c は 5.5%、5.2 %と異常を認めなかった。
投与 2 ヶ月半後から口渇、多飲、多尿、体重減少(3 日間で 2~3 kg 減)を
自覚し、近医を受診した。その際の随時血糖が 516 mg/dL、HbA1c 6.3%、尿
ケトン陽性のため緊急入院となり、ニボルマブを中止した。
補液とスライディングスケール法による速効型インスリン投与後も血糖値
に改善が得られず、第 7 病日に当院に転院した。
【入院時現症】
身長 172.0 cm、体重 67.9 kg。意識清明、血圧 120/87 mmHg、脈拍数 88/分
整、呼吸回数 18/分、体温 37.0℃。その他の身体的所見に異常なし。
【入院時検査所見】
随時血糖 474 mg/dL、HbA1c 6.9%、グリコアルブミン 23.8%、尿ケトン(+)
血液ガス:pH 7.371、HCO3-23.6 mmoL/L、総ケトン 780 μmol/L、アセト酢
酸 150 μmol/L、3-ヒドロキシ酪酸 630 μmol/L と 3-ヒドロキシ酪酸優位の
血中ケトン体上昇を認め、糖尿病ケトアシドーシスと診断した。尿中 C ペプ
チド値 ならびに第 12 病日に施行したグルカゴン負荷前後の血中 C ペプチ
ド値はいずれも測定感度未満だった。膵島関連自己抗体は陰性だった。
【入院後経過】
劇症 1 型糖尿病と診断し、強化インスリン療法を開始した。インスリン投
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