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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 高血糖(案) (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》 |
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患による血糖上昇作用が強ければ、糖尿病などを指摘されていない患者で
も高血糖が出現しうる。高血糖の原因が、元々の糖尿病の増悪、糖代謝を
悪化させやすい他の疾患の増悪、投与した医薬品による糖代謝の増悪等、
何れの場合においても、必要量のインスリンの補充などの適切な治療によ
って高血糖は改善され得る。しかしながら、元々糖尿病、耐糖能障害を有
していたかどうか、特に糖代謝を悪化させやすい他の疾患、膵外分泌疾患
や内分泌疾患、肝疾患や感染症、免疫機序による特殊な病態や遺伝的症候
群などが存在しているかどうか、それらが増悪している可能性がないかど
うかを明らかにすることは重要である。
(2)判別方法
詳細な問診や自覚症状・徴候・身体所見などのチェック、さらに種々の
検査所見を総合して、高血糖に関連する原疾患の増悪なのか、高血糖を起
こしうる医薬品による高血糖なのかなどを判別する。
5.治療方法
高血糖を起こしうる医薬品により高血糖が起きた場合も、通常の糖尿病
による高血糖の治療方法と何ら変わる所はない。急性代謝失調を認める場
合と認めない場合で異なる。重篤な急性合併症である糖尿病昏睡に糖尿病
性ケトアシドーシスと、ケトン体産生量の比較的少ない高浸透圧高血糖状
態がある。
インスリンが絶対的に欠乏し、生命維持のためインスリン治療が不可欠
のインスリン依存状態の病態から発症する糖尿病性ケトアシドーシスの
場合、血糖値が 500 mg/dL(ただし血糖値は 300 mg/dL 前後のこともあり
得る)以上あり、尿ケトン体が強陽性で、嘔吐や腹痛などの消化器症状と
ともに脱水が加わって起こる意識障害によって診断される。糖尿病の専門
医との連携の下で直ちに生理食塩水とインスリンの静注を開始し、至急、
糖尿病専門医 のいる医療機関に移送する。
高カロリー輸液や副腎皮質ステロイド薬、降圧利尿薬、免疫抑制薬や薬
剤による肝障害・腎障害などによって著しい脱水が先行し循環不全から発
症する高浸透圧高血糖状態の場合も糖尿病の専門医との連携が必要であり、
直ちに生理食塩水とインスリンの静注を開始し、至急、糖尿病専門医のい
る医療機関に移送する。
明らかなアシドーシスや脱水などがないこと、あるいは高浸透圧高血糖
状態への移行がないことを確認出来た場合は、速やかに糖尿病専門医を受
診させるようにする。当日中に糖尿病専門医を受診できない場合は、糖尿
病専門医と連携しながら、インスリン投与を開始する。
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も高血糖が出現しうる。高血糖の原因が、元々の糖尿病の増悪、糖代謝を
悪化させやすい他の疾患の増悪、投与した医薬品による糖代謝の増悪等、
何れの場合においても、必要量のインスリンの補充などの適切な治療によ
って高血糖は改善され得る。しかしながら、元々糖尿病、耐糖能障害を有
していたかどうか、特に糖代謝を悪化させやすい他の疾患、膵外分泌疾患
や内分泌疾患、肝疾患や感染症、免疫機序による特殊な病態や遺伝的症候
群などが存在しているかどうか、それらが増悪している可能性がないかど
うかを明らかにすることは重要である。
(2)判別方法
詳細な問診や自覚症状・徴候・身体所見などのチェック、さらに種々の
検査所見を総合して、高血糖に関連する原疾患の増悪なのか、高血糖を起
こしうる医薬品による高血糖なのかなどを判別する。
5.治療方法
高血糖を起こしうる医薬品により高血糖が起きた場合も、通常の糖尿病
による高血糖の治療方法と何ら変わる所はない。急性代謝失調を認める場
合と認めない場合で異なる。重篤な急性合併症である糖尿病昏睡に糖尿病
性ケトアシドーシスと、ケトン体産生量の比較的少ない高浸透圧高血糖状
態がある。
インスリンが絶対的に欠乏し、生命維持のためインスリン治療が不可欠
のインスリン依存状態の病態から発症する糖尿病性ケトアシドーシスの
場合、血糖値が 500 mg/dL(ただし血糖値は 300 mg/dL 前後のこともあり
得る)以上あり、尿ケトン体が強陽性で、嘔吐や腹痛などの消化器症状と
ともに脱水が加わって起こる意識障害によって診断される。糖尿病の専門
医との連携の下で直ちに生理食塩水とインスリンの静注を開始し、至急、
糖尿病専門医 のいる医療機関に移送する。
高カロリー輸液や副腎皮質ステロイド薬、降圧利尿薬、免疫抑制薬や薬
剤による肝障害・腎障害などによって著しい脱水が先行し循環不全から発
症する高浸透圧高血糖状態の場合も糖尿病の専門医との連携が必要であり、
直ちに生理食塩水とインスリンの静注を開始し、至急、糖尿病専門医のい
る医療機関に移送する。
明らかなアシドーシスや脱水などがないこと、あるいは高浸透圧高血糖
状態への移行がないことを確認出来た場合は、速やかに糖尿病専門医を受
診させるようにする。当日中に糖尿病専門医を受診できない場合は、糖尿
病専門医と連携しながら、インスリン投与を開始する。
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