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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 高血糖(案) (13 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》 |
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j. プロテアーゼ阻害薬 11,12)
HIV 感染症に用いられるサキナビル、リトナビルなどのプロテアー
ゼ阻害薬の投与は、リポジストロフィーを誘発することが知られてい
る。リポジストロフィーは、インスリン抵抗性の原因となるため高血
糖を誘発する可能性がある。その治療として、チアゾリジン誘導体の
投与が効果的と考える報告があるが、一方でチアゾリジン誘導体投与
は、プロテアーゼ阻害薬によるリポジストロフィーに、有用ではない
との結果が報告されている。
k. グレリン様作用薬
グレリン様作用薬のアナモレリンは成長ホルモン・IGF-1 分泌促進
による筋蛋白質合成促進作用や、食欲亢進作用を有し、がん悪液質治
療薬として用いられるが、高血糖や糖尿病を誘発することがある。グ
レリンの投与はインスリン分泌を抑制し血糖値を上昇させるという報
告が多く、アナモレリンによる血糖上昇にも食欲亢進のみでなくイン
スリン分泌への影響が想定されるが、詳細はまだ不明である。
3.副作用の判別基準(判別方法)
診断は自覚症状(倦怠感、集中力の欠如、口渇、多飲など。インスリン
欠乏が高度でケトアシドーシスを合併した場合は、
嘔気、嘔吐、
腹痛など)
や徴候(多尿、夜間尿の出現、体重減少など)、身体所見(脱水が著明な
場合には、皮膚粘膜乾燥、頻脈など。ケトアシドーシスや極度の高血糖に
より血漿浸透圧亢進を伴う場合には、意識レベルの低下など。)によって
疑われ、最終的には検査所見(血糖値、尿糖、尿ケトン体など)によって
高血糖が診断される。
起因医薬品の同定に関しては、特に糖代謝を悪化させやすい医薬品の投
与歴を詳細に検討し、時期・期間と上記の臨床経過を照らし併せて総合的
に行う。原疾患に対する治療法で、糖代謝を悪化させやすいが代替薬が存
在するものに関しては、治療法変更による高血糖の改善によって起因医薬
品の同定の参考となることは有り得る。中止できない場合は、糖尿病の専
門医との連携の下でインスリン等を用いて血糖値の管理を行う。
4.判別が必要な疾患と判別方法
(1)判別が必要な疾患
医薬品あるいは他の疾患による血糖上昇作用が患者の適応能力を超え
ると、高血糖が顕在化すると考えられる。従って、医薬品あるいは他の疾
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HIV 感染症に用いられるサキナビル、リトナビルなどのプロテアー
ゼ阻害薬の投与は、リポジストロフィーを誘発することが知られてい
る。リポジストロフィーは、インスリン抵抗性の原因となるため高血
糖を誘発する可能性がある。その治療として、チアゾリジン誘導体の
投与が効果的と考える報告があるが、一方でチアゾリジン誘導体投与
は、プロテアーゼ阻害薬によるリポジストロフィーに、有用ではない
との結果が報告されている。
k. グレリン様作用薬
グレリン様作用薬のアナモレリンは成長ホルモン・IGF-1 分泌促進
による筋蛋白質合成促進作用や、食欲亢進作用を有し、がん悪液質治
療薬として用いられるが、高血糖や糖尿病を誘発することがある。グ
レリンの投与はインスリン分泌を抑制し血糖値を上昇させるという報
告が多く、アナモレリンによる血糖上昇にも食欲亢進のみでなくイン
スリン分泌への影響が想定されるが、詳細はまだ不明である。
3.副作用の判別基準(判別方法)
診断は自覚症状(倦怠感、集中力の欠如、口渇、多飲など。インスリン
欠乏が高度でケトアシドーシスを合併した場合は、
嘔気、嘔吐、
腹痛など)
や徴候(多尿、夜間尿の出現、体重減少など)、身体所見(脱水が著明な
場合には、皮膚粘膜乾燥、頻脈など。ケトアシドーシスや極度の高血糖に
より血漿浸透圧亢進を伴う場合には、意識レベルの低下など。)によって
疑われ、最終的には検査所見(血糖値、尿糖、尿ケトン体など)によって
高血糖が診断される。
起因医薬品の同定に関しては、特に糖代謝を悪化させやすい医薬品の投
与歴を詳細に検討し、時期・期間と上記の臨床経過を照らし併せて総合的
に行う。原疾患に対する治療法で、糖代謝を悪化させやすいが代替薬が存
在するものに関しては、治療法変更による高血糖の改善によって起因医薬
品の同定の参考となることは有り得る。中止できない場合は、糖尿病の専
門医との連携の下でインスリン等を用いて血糖値の管理を行う。
4.判別が必要な疾患と判別方法
(1)判別が必要な疾患
医薬品あるいは他の疾患による血糖上昇作用が患者の適応能力を超え
ると、高血糖が顕在化すると考えられる。従って、医薬品あるいは他の疾
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