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参考資料7 全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と大臣の定期協議に係る議事録(令和3年度) (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24446.html
出典情報 肝炎対策推進協議会(第29回 3/18)《厚生労働省》
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私の家族は、私だけでなく2人の妹、甥や姪、合わせて8人が感染被害者です。自分自
身のことより家族としての苦しみのほうが大きく感じることがあります。1人は肝がんで
若くして亡くなりました。4人は慢性肝炎で現在治療中です。家族は皆これからの長い人
生、ずっとB型肝炎とつき合っていかなければなりません。 精神的にも身体的にも経済的
にも大変な苦しみが続きます。私のようにいつ肝がんになるかと思うと心配でなりません。
B型肝炎の多くは集団予防接種時の注射器の使いまわしが原因と知ったのは、新聞報道
からでした。私は長年臨床の現場にいましたが、集団予防接種には関わっていなかったの
で、この事実を知りませんでした。医療従事者としてとても悔しく 、また、辛くなりまし
た。40年という長い年月にわたり注射器の使いまわしが行われていたとは信じられないこ
とです。使いまわしの危険性があることは当然早くから気づいていたはずです。なのに、
なぜ40年も続いたのか、激しい憤りも覚えました。誰かが声を上げられたはずです。止め
られたはずです。特に命を守るべき医療従事者の1人として、二度とあってはならないこ
とだと強く思いました。
私は余命はどれくらいか、被害者として、医療従事者として自分にできること、やりた
いことは何か考えました。そして、医療従事者を目指す学生に体験を伝える患者講義に参
加しました。心の中に生きたい、伝えたいという気持ちが芽生えました。
看護師長として若手を育ててきた経験や患者講義での学生の感想 から、このB型肝炎の
被害と教訓は、医療安全の教育、感染対策の教育に必ず役立ちます。医療の安全、言葉で
は教えられます。でも、その意味を正しく理解することが大事です。適切な感染対策を怠
る、そのわずかな行為が人の命や健康に甚大な被害を及ぼし ます。そのことを知るか、知
らないかで大きく違います。間違ったことに気づいたとき、声を上げる勇気も培えます 。
安全を第一にする環境も出来上がります。
医療従事者を目指す学生は、全員がB型肝炎の被害と教訓を必ず学ぶべきです。 そのた
めには、大学教育の基礎となるモデル・コア・カリキュラムに掲載されることが必要です。
そこで、大臣に次の2点をお願いします。
1つ目、B型肝炎の被害と教訓は、医療安全の教育、感染対策の教育のために、医療従
事者を目指す全ての学生が必ず学ぶべきである、そうは思いませんか、 大臣のお考えをお
聞かせください。
2つ目、医療従事者を目指す全ての学生がB型肝炎の被害と教訓を確実に学ぶように、
御省にできることは全て行ってください。
本年度から各モデル・コア・カリキュラムの改定が始まります。私たちはB型肝炎の被
害と教訓が盛り込まれるように願っています。その教育の意義、重要性について、御省も
文部科学省に積極的にお伝えください。
私の人生は残り限られています。でも、私をはじめ、私たち原告の人生に起きた被害は、
学生たちが学ぶことで将来に生かされます。その環境が整うのをぜひこの目で見届けたい
です。大臣、どうかよろしくお願いいたします。
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