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参考資料7 全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と大臣の定期協議に係る議事録(令和3年度) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24446.html
出典情報 肝炎対策推進協議会(第29回 3/18)《厚生労働省》
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バーと患者交流会などの様々な活動を行ってきました。 また、日本肝臓病患者団体協議会
に属する東京の地域患者会の活動にも参加する中で、B型肝炎患者の置かれている医療環
境が一様でないことが分かりました。さらに、現在は東京都の肝炎対策協議会の委員とし
て、肝炎医療提供体制をどのように充実させていけばよいかを考える立場にあります。
まず、私自身は、東京都内の肝疾患専門医療機関に通院しています。 都内であっても多
摩地域では、地理的要因などから専門医の治療を受けることが事実上昔難しい患者さんが
いらっしゃいます。
また、私と同じような肝機能数値であるにもかかわらず、特段の理由もないのに核酸ア
ナログ製剤を服用せずに肝庇護剤しか服用されていない患者さんもいらっしゃいます。
あるいは、同じ検査をしても、ある地域・病院で は抗ウイルス製剤助成の範囲内として
患者負担がないのに、別の地域では抗ウイルス製剤助成の対象外として自己負担を求めら
れるといった、考えられないような地域間格差があります。
さらに、妊娠の可能性がある若い女性に対して、核酸アナログ製剤として催奇性の危険
性があると指摘されているエンテカビルだけが紹介され、より催奇性が少ないとされてい
るテノフォビルやベムリディについては知らされていないという例も聞いております。
私自身、B型肝炎の慢性肝炎の治療をやっておりますが、それと 同時に糖尿病の治療も
やっております。この活動と同時期に糖尿病の専門医の先生から、糖尿病で私の病気が悪
化するのだったらば、私も専門医として責任は取るが、肝臓病で悪くなったら私は責任を
取れない。だから専門医の病院に通ってくださいと、その先生から言われました。この先
生は非常にすばらしい先生です。こういった先生が増えれば 、専門医療機関に通う患者さ
んが増えるのではないかなと僕は思っております。
こうした地域間格差が生じる要因の一つとしては、肝炎対策推進協議会の資料によれば、
専門医療機関でありながら専門的な知識を持つ医師による診断と治療方針の決定が可能で
ない医療機関や、インターフェロンなどの抗ウイルス療法が可能ではない医療機関、学会
等の資料ガイドラインに準ずる標準的な治療を行っているとはいえない医療機関が複数の
県で見られることが挙げられております。
肝炎の治療体制が、このように地域格差があるということを全国の医療関係者、行政関
係者は残念ながら深く理解されておられないのではないかと思います。誰しもが自分の身
近な状況しか分からないのではないでしょうか。このたびの新型コロナウイルスの惨状も、
これに対する我が国の対応にも縦割り行政的な問題を指摘せざるを得ません。かくいう私
自身も原告団や患者会に参加して、東京や全国の仲間と 情報交換をするまでは、肝炎患者
の医療環境に関する地域間格差について問題意識を持っておりませんでした。
そこで、肝炎医療に関する地域間格差を解消するために、 まず手始めとして全国の医療
関係者、行政関係者に肝炎患者に対する地域格差の状況を知ってもらう患者の意見を伝え
る機会をつくってもらえないでしょうか。B型肝炎は慢性疾患です。継続的に治療する必
要があります。また、患者は日に日に高齢化していきます。 地域を超えて専門医を受診し
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