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新興・再興感染症研究基盤創生事業の中間評価結果(案) (27 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2024/02/112060221.html
出典情報 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 (第112回 2/16)《文部科学省》
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な成果が十分期待される。また、新型コロナウイルス感染症の影響で拠点常駐研究者の引
き揚げ等、研究の継続が困難な局面においても国内の研究者と現地採用の研究者やスタッ
フとオンラインミーティング等により、現地情勢の把握や研究指示、技術指導等の緊密な
コミュニケーションに注力した結果、着実な進捗・成果が見られた点は高く評価できる。
その背景には、現地の研究機関や行政機関との強い信頼関係が築かれていることがあると
考えられ、このような信頼関係が築かれている点を改めて高く評価する。有事において、
現地雇用のメンバーに自立的かつ積極的な研究の取組や現地機関との折衝力発揮を促した
点や、新型コロナウイルス感染症やエムポックス、インフルエンザ等、現地での緊急課題
に関する研究を実施した点も評価できる。
加えて、研究遂行の過程の中で、各海外研究拠点において若手研究者の教育・育成及び
海外研究者・医療従事者の育成・技術向上にも貢献していることも評価に値する。海外研
究拠点をもつ全ての大学が海外から留学生を積極的に受け入れており、学位取得後は、現
地に戻り、研究機関、行政、大学、基幹病院等の主要ポストに就くことで、海外研究拠点の
人的ネットワークが一層強化される好循環となっていることは評価できる。
さらに、本事業開始後に発生した新型コロナウイルス感染症のパンデミックを契機とし
て、
「ワクチン開発・生産体制強化戦略(令和3年6月1日閣議決定)」に基づき、感染症情
報のモニタリング体制強化の研究基盤の強化を目的として、海外研究拠点のネットワーク
強化を担うネットワークコア拠点及びブラジル拠点(南米初の感染症県空拠点)を令和5
年度に新たに採択した。これらの拠点を整備したことにより海外研究拠点体制はより必要
性・有効性が増し、政府の実施事業として効率性も高くなった。
これらの成果を勘案すると、海外研究拠点体制が継続的に発展されるよう強く望むもの
であるが、現在採択されている海外研究拠点の研究期間が令和2年度から令和6年度まで
の5年間であるところ、海外拠点研究領域の研究期間は事業期間と同じとなるよう令和8
年度まで延長すべきである。


BSL4 拠点形成研究
欧米と同規模な長崎大学の BSL4 施設を用いた研究や取組は大変重要である。BSL4 施設
の経験者によるマニュアル整備等を含め、施設を使用する研究者の着実な教育・訓練を進
め、本格的な研究を迅速に開始できるよう準備されていると評価できる。また、バイオセ
ーフティやバイオセキュリティに係る取扱いについて、長崎大学において設置された地域
連絡協議会(長崎大学における感染症研究拠点整備に関する地域連絡協議会及び長崎大学
高度感染症研究センター実験棟の運用に関する地域連絡協議会)や広報紙(BSL-4 Report
や感染症ニュース等)を通じて、対外的に分かりやすく適切に説明をしていることも評価
できる。相当の苦労はあると思うが、今後も確実な前進を期待する。今後の成果が期待さ
れる。
③海外拠点活用研究領域、及び、④多分野融合研究領域
若手研究者や海外研究拠点を有していない大学や研究機関でも、海外研究拠点を活用し
た感染症研究に参画でき 、かつ、日本国内ではアクセスできない検体、臨床情報等や、現
地のカウンターパートとの共同研究による研究成果等も活かした研究成果が期待される海
外拠点活用研究領域は、研究者の裾野を広げるという観点や、我が国における感染症研究

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