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ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム(B-cure)の中間評価結果(案) (18 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2024/02/112060221.html
出典情報 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 (第112回 2/16)《文部科学省》
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・本プログラムが実施した人材育成
の取組は、若手研究者の育成の観点
から適切であるか。
・健康・医療戦略や医療分野研究開発
推進計画等の政府方針に合致してい
るか。
・科学的・技術的意義

・本プログラムで構築したバイオバ

(独創性、革新性、先導

ンク及び情報基盤等は、科学的・技

性、発展性等)

定性的

前・中

術的意義を有しているか。
・本プログラムで開発した個別化医
療・予防の先導モデルは科学的・技
術的意義を有しているか。

・社会的・経済的意義

・本プログラムが実施した被災地住
定性的



民の健康管理等は社会的・経済的意
義を有しているか。

近年、ゲノム等に関する解析技術やそれを活用した研究開発の急速な進展により、遺
伝要因による個人ごとの違いを考慮した予防・診断・治療への期待が高まっており、
「健
康・医療戦略」
(令和2年3月閣議決定)においてもゲノム医療の実現に向けた取組が掲
げられた。こうした背景を踏まえ、本プログラムでは、我が国のゲノム研究の基盤とな
る大規模バイオバンクを構築・運営し、生体試料や健康・臨床情報を収集するとともに、
ゲノム・オミックス解析を進め、これらの情報を活用した先端ゲノム研究開発を推進し
てきた。プログラムの設計にあたっては、英国の UK バイオバンクや、Genomics England、
米国の All of Us Research Program など、主要国のバイオバンク事業やゲノム解析プ
ロジェクトの動向も参考にした。
本プログラムにおけるゲノム研究の推進によって、多くの科学的成果が創出され、疾
患関連遺伝子や薬剤関連遺伝子の候補が多数発見されている(アウトプット指標、アウ
トカム指標参照)。例として、BBJ のデータを用いた研究では、BBJ の 18 万人のゲノムデ
ータを基に、疾患や服薬情報などの 220 の形質に対するゲノムワイド関連解析を実施し、
国際バイオバンク連携による計 63 万人のメタ解析を行うことで、5,000 以上の新規遺伝
的リスク関連領域を発見した(Nature Genetics 2021)。また、GRIFIN では、心筋梗塞
を対象とした研究において、シングルセル解析と空間的遺伝子発現解析により、梗塞後
に心臓の各領域で生じる変化の違いを時系列的に解析し、新たな治療標的の候補となる
遺伝子を発見した(Nature Cardio Res 2022)。
人材育成については、GRIFIN において、若手研究者を支援対象とした公募課題を設定
し、若手研究者自身の独創的なアイディアに基づいた研究開発を推進しており、令和5
年度時点で5課題が進行中である。
また、国の必要性・緊急性の観点では、「経済財政運営と改革の基本方針 2023」、「新
しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023」(令和5年6月閣議決定)におい
て、
「ゲノム創薬をはじめとする次世代創薬の推進」が掲げられており、ゲノムのバイオ
バンク等が中心となり、異分野の研究者や医療機関、企業等と連携して創薬成功率の向

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